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物体の表面に力を加えると、その面に圧力が生じます。パイプ内を気体や液体が流れれば、パイプの内面から外に向かって圧力が生じます。
床に物を置けば、物の重さに応じて床面に圧力が生じます。圧力を正確に把握することで、物体の動きを解析したり、装置にかかる負荷を確認したりできるようになります。
圧力を正確に計測するために必要なのが、各種の圧力センサーです。
以下に圧力センサーの例を挙げます。
ひずみゲージは、ひずみにより電気抵抗が変化する特性を利用してひずみ量を計測しています。ひずみゲージ式圧力センサーは、圧力により生じる物体のひずみ量を、ひずみゲージで測定することで圧力を計測します。
ひずみゲージを使った圧力センサーの代表的なものとしてはロードセルがあります。ロードセルは、軸方向の力の変化を電気信号に変換することで圧力の変化を測定します。内部に力に比例して変形する起歪体を持ち、ひずみゲージを用いて起歪体の変形量を測定することで圧力を測定します。厚みがあり、比較的大きな圧力を測定する際に用いられます。
一般的なロードセルの構造
また、エッヂングにより小さな空洞を開けた薄い板(ダイヤフラム)の上に、半導体のひずみゲージを形成して作られる小型、薄型の圧力センサーもあります。例えば、時計に内蔵される気圧計などには、このような小型の圧力センサーが利用されています。
水晶やセラミックによる圧電素子は、力を加えることで圧電効果により電荷が生じます。この特性を用いて物体に生じるひずみを計測し、圧力を測定する圧力センサーです。
ばねの伸縮長や、曲げられた管の伸び縮み量など、圧力の大きさによって生じる変位量に応じて圧力を測定するセンサーです。
圧力に変化に応じて変形する、わずかに離れた二つの膜の間の静電容量の変化を計測することで、圧力を測定するセンサーです。
導電性感圧インク層と下部電極をスペーサーを挟んで対面させた構成の圧力センサーです。感圧インクは押圧によって変形する柔軟な樹脂材料の中に導電性粒子を配合したものが使われます。感圧インク層の表面には導電粒子が微細な凹凸をなして露出しています。感圧インク層が押し縮められると、下部電極と感圧インク層表面の導電粒子との接触面積が大きくなり、抵抗値が変化します。この抵抗値の変化を検出して圧力を測定します。
圧電効果式、機械式の圧力センサーは、センサー材料や構成部品に金属製品を使用するため、金属製の硬い筐体にセンサー部品を組み込んだ、厚みのある構造の製品が一般的です。一方でひずみゲージ式や静電容量式、抵抗膜式の圧力センサーでは、基材にプラスチックフィルムを使用して、印刷やエッチング加工でセンサーを形成できるので、薄くて柔軟なフィルム型の圧力センサーを構成することができます。
NISSHAでは、独自のパターニング技術を活用して生産するひずみゲージ式フィルム型圧力センサーと、感圧インクを使用した抵抗膜式のフィルム型圧力センサーを提供しています。
NISSHAは、独自の感圧インキ(圧力によって接触抵抗値が大きく変化する材料)とフィルム加工技術を活用して、厚さ1mm以下の薄型の抵抗膜式圧力センサーを開発しました。NISSHAの抵抗膜式圧力センサーは印刷工法によりプラスチックフィルム上にセンサーを形成しています。薄さと高耐久性を持ち、個片状のセンサーや、マトリックス状に配列した多点型のセンサーシートなど、用途に応じて形状をカスタマイズすることもできます。
これにより、従来の圧力センサーでは設置が難しかった非常に狭い場所に設置することや、平面や複雑な形状の面に張り付けて、面内の圧力分布の測定などにも使用することができます。
独自のCuNi合金フォトエッチング技術により、100μm前後のフィルム基材上にひずみゲージを形成します。
NISSHAのひずみゲージは、サイズを小型化できることが特徴です。センサー部の材料には、膜厚がナノメートルオーダーのCuNi薄膜を使用します。これにより、一般的なひずみゲージよりも高抵抗な配線を形成することができるので、ゲージの長さを短縮することができるのです。
基材にはポリイミド(PI)の他にPETのような透明樹脂フィルムを使用することもできます。フィルムタイプのタッチセンサーと組み合わせることで圧力検知のできるタッチパネルを実現するなど、これまで圧力センサーを組み込むことが難しかった製品にも適用できるフィルム型センサーも開発しています。
NISSHAのフィルム型圧力センサーは、お客さまの要望に応じてのデザインのカスタマイズだけでなく、大量生産に適したRoll to Rollによる生産方式を採用しており、低コストでの生産が可能です。
電子機器の生産基準を満たすクリーンルーム内で生産するため、精度の高い高品質なセンサーを提供できます。
例えば、電子キーボード。フィルム型フォースセンサーの採用によって卓上型の非常に薄いキーボードが開発されました。打鍵の強さをフォースセンサーで検出することで、音の強弱や音程の変化を多彩にコントロールすることができます。
他にも、スマートフォンなどの情報端末において押圧コントロールを実現するセンサーとして使用されています。
ユーザーの押圧を検知してオーディオの音量を調節したり、ゲームの操作を多様にするといったさまざまな操作性の向上にNISSHAのフィルム型圧力センサーは利用されています。
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