商品の補充と前出しの最適化を実現する
欠品検知センサー

スーパー、ドラックストアやコンビニで売上を上げるためには、商品の補充や前出しのタイミングを最適化することが大切だと言われています。商品が無くなる前に補充したり、手前の商品が無くなったら後方の商品を前に出し、きちんと商品を見せたりするなど、細かな工夫が売上に関わってきます。

NISSHAはこの商品補充や前出しのタイミングを最適化するための欠品検知センサーを開発しています。この記事では、商品の補充や前出しに関する課題とそれを解決できるNISSHAのセンサー技術を紹介します。

小売店には日々、多種多様な商品が陳列されています。例えば大型スーパーには、約1万点の商品が陳列されており、それらすべての補充・前出しを行うことは大きな負担です。とはいっても、最適なタイミングで補充や前出しを行わなければ、機会損失が発生してしまい売上は伸びていきません。

そこでNISSHAでは商品の有無を判別できるシート型の欠品検知センサーを開発しました。商品が無くなった時間をセンサーで取得することで、欠品する時間を正確に把握することが可能になります。また、センサーの置き方を工夫することで、前出しをすべきタイミングも知ることができます。自動通知に対応しているためその機会を逃すこともありません。

こうしたシート型の欠品検知センサーを活用することで、補充や前出しタイミング及び回数の適正化、また補充や前出しをする際の優先順位付けが可能です。
これにより、補充業務の効率化が可能となり、人件費の削減にも貢献できます。

NISSHAの欠品検知センサー

商品列ごとの欠品をリアルタイムに検出

  • シート内に配列されたセンサーで商品の有無の検知が可能です。
  • こまかく棚割された商品を列ごとに識別し、欠品の発生をリアルタイムに検出できます。
  • 事前に重量や画像などの商品情報を登録することなく、棚割の情報のみで在庫や欠品の管理が可能です。
商品列ごとの欠品をリアルタイムに検出

棚に敷いてもかさばらないフィルム型センサー

  • 総厚1.5mm以下のフィルム型の欠品検知センサーです。ショーケースや陳列棚に設置してもかさばらず、商品陳列の邪魔にならず、設置や移動も容易にできます。
  • 制御基盤は棚裏に収納できるので、複雑な配線は不要です。
棚に敷いてもかさばらないフィルム型センサー

自由度の高い棚割りを実現

  • シート型欠品検知センサーは、15mm程度のピッチでライン状に複数のセンサーを配列した構成になっています(センサーのピッチは、ご相談下さい)
  • 1枚のシート型欠品検知センサー上に、複数商品の陳列が可能であり、商品を置くスペースに無駄が少ない自由な棚割の実現が可能です。
自由度の高い棚割りを実現

通信プロトコルはModobusを採用

  • 産業機器業界で一般的に使用されるModbusプロトコルに対応しているので、汎用的なシステムとの連携が可能です。

欠品検知センサーの使用例

欠品検知センサーの使用例としては、以下が挙げられます。

・ 全面にシートを入れる
・ 棚の前にシートを入れる
・ 在庫置き場にシートを入れる

配置する棚の形状や用途によって、さまざまな形態が考えられます。

事例1:補充のタイミングの通知

欠品検知センサーを棚全面に配置し、列単位で商品の有無をモニタリングします。
商品の無い列が発生すると、システムが作業担当者へ向かって瞬時に通知を送ります。

補充のタイミングの通知

事例2:前出しのタイミングの通知

欠品検知センサーを棚の前方・中央・後方と分割して設置すれば、列ごとの商品量を把握することが可能になります。棚前方の欠品を検知することで、前出し作業が必要なタイミングを把握することができます。

前出しのタイミングの通知

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補充・前出しの従来の方法における課題

これまでの補充・前出し作業は、つぎのような方法で行われてきました。

・ 定刻に補充
・ 見回りによる補充
・ 在庫管理システムを使った補充

それぞれの補充方法の概要と課題を解説します。

定刻に補充

あらかじめ決められた時間に補充する場合、補充のタイミングが明確になることで作業の計画が立てやすい点がメリットとなります。一方で、補充タイミングよりも前に欠品してしまった場合には、補充するまでの合間の時間が機会損失になってしまいます。

こうした機会損失は補充の頻度を増やすことで低減できますが、お客さま対応や陳列整理、在庫管理などさまざまな業務を抱えている中で補充のための時間を度々確保することは容易ではありません。
商品の売上データを日々記録し分析することで、徐々に補充タイミングの精度を高めていくことは可能ですが、それでも日々のばらつきの影響は受け続けてしまいます。

見回りによる補充

店内を常に見回り、欠品している商品を見つけては補充する、という方法では、定刻に補充する場合と比較して欠品時間が短くなり機会損失を減らせる可能性があります。

しかし、「どの商品を補充すべきか」が分からないまま見回りをすることとなるため、欠品が判明した商品を取りにまたバックヤードに戻る必要があるなど、時間や労力のロスが生じます。また、多忙な中複数の商品を素早くチェックすることになるため、見落としが発生することもあります。こうしたロスや見落としは、欠品による機会損失をさらに拡大してしまいます。

在庫管理システムを使った補充

在庫数や入出庫情報を管理するための在庫管理システムを使えば、店舗内にどの程度の品数があるか把握できるため、効果的な補充や前出しができるように感じます。

しかし、在庫管理システムではバックヤードと陳列棚との合計個数しか管理していないことが多く、「商品が今いくつ並んでいるのか」「どのタイミングで商品が無くなったか」などと陳列棚の状況を細かく把握することはできません。そのため、気づかないうちに実は機会損失をしてしまっていることがあります。

商品が欠品することはお店にとってマイナス

前述のように商品の欠品は販売機会の損失に繋がりますが、お店にとってのマイナスはそれだけではありません。

どうしても必要な商品が品切れだった場合、お客さまはその商品をあきらめるか、他の店舗に買い物に行くことになります。いずれにせよ品切れだった店舗に対してネガティブな印象を持つ可能性が高く、それが高い頻度で発生すると、お店のイメージ低下につながります。

一方で、常に品揃えが充実しており、お客さまが必要な商品が確実に入手できる状態を維持すれば、お客さまの印象はよくなり、購買意欲の向上による購入点数増加や、来店頻度の向上につながるでしょう。

このように、商品の欠品は販売機会の損失以上に大きなマイナスとなり得ます。従業員の負荷を最低限に抑えながら、補充や前出しを適切なタイミングで行うことが重要です。

NISSHAの検品検知センサーで補充・前出し作業の最適化を実現

NISSHAの欠品検知センサーは陳列棚上の商品のリアルタイムな状況把握を可能にします。その結果、欠品の発生を放置することなく補充と前出しの作業を適切なタイミングで実施できるようになります。このような効果により、小売店における販売機会損失の低減や、補充と前出しにかかる作業負担の軽減に貢献します。

商品の品出しの全自動化に向けて

欠品検知センサーを活用することで、最適な商品の補充・前出しタイミングを把握することが可能です。しかし、そのタイミングで担当者が他の作業をしている場合にはタイムリーに補充を行うことは困難です。

そこで将来的には、欠品検知センサーの情報と自動補充ロボットを連携させることで、商品の品出しを全自動化することが期待されます。実際に工場などでは、作業者と同じ環境で物流を担うロボットが導入されているため、技術的にも実現は遠くないでしょう。

このような将来を目指して、NISSHAは新しい技術の開発に力を注いでいます。

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