近年、店頭や倉庫にある商品の情報をインターネット経由で収集・分析する、在庫管理のIoT(Internet of Things)化が広まっています。
例えば、店頭にならべた商品にICタグ(各商品の情報が記録されたタグ)を取り付けておき、近くに設置したセンサーでタグ情報を読み取ってサーバーに送信するシステムがあります。利用者がある商品を手にとると、その商品が1つ減ったという情報がサーバーに送信されるため、店員は商品をすぐに補充できます。
今回の記事では、在庫管理にIoTを導入するメリットや注意点、在庫管理へのIoT導入事例などを解説します。
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在庫管理のIoT化にはさまざまなメリットがあります。ここでは主なメリットを3点ご紹介します。
従来の在庫管理方法は、担当者が商品の数をメモしてExcelに入力するという目視による管理が一般的です。しかし、この方法では店員が在庫数を確認するまで在庫状況を把握することはできません。そのため、商品の欠品に気づかず販売機会を逃してしまうといった問題が起こり得ます。
在庫管理にIoTを導入すれば、来店客が店頭の商品を購入したり、倉庫内で商品が別の場所に移動したりすると、その情報がリアルタイムでサーバーに送信されます。在庫の数や場所をリアルタイムで把握できるため、欠品などにも即座に対応できます。
また、IoTを導入すればシステムが自動で在庫管理を行ってくれるため、店員の仕事が大幅に減ります。小売店などでは店員が来店客とのコミュニケーションに時間をとれるようになり、サービスの充実を図ることができるかもしれません。また、人件費の削減も期待できます。
在庫管理システムを別のシステムと連携させるケースもあります。
例えば、在庫が規定量を下回ったら商品を自動発注するシステムや、AIが需要を予測して最適な発注を行うシステムなどと組み合わせれば、業務の効率化が見込めます。
また、社内の事務システムと連携して請求書や発注書を自動で発行するといった活用も考えられます。
アイデア次第でさまざまなシステムが実現できるのです。
IoT化された在庫管理システムは前述のようなメリットがありますが、導入時には以下の点に注意する必要があります。
IoT導入の目的を明確にし、目的に対してどの程度の費用対効果が得られそうかをあらかじめ検証しておくことが重要です。 例えばコスト削減が目的であれば、具体的にどの程度のコストを削減したいのか、それに対してシステムの導入費用や運用費用がいくらなのかを定量的に検討する必要が有ります。
IoTを導入すると在庫管理の方法が大きく変わります。システムの使用方法を覚える必要があるため、現場の負担が一時的に増えるはずです。そのため、運用マニュアルを用意したり社員への教育を行ったりなどして、現場の負担を少しでも軽くする必要があります。
NISSHAでは、小売店の陳列棚管理に適した欠品検知センサーを開発しています。 NISSHAの欠品検知センサーは次のような特長を備えています。
シート型センサーはかさばることなく棚上に設置できます。また、センサーの制御装置は棚の裏側に収納できるため、複雑な配線は不要です。
産業用機器で使われている一般的な通信プロトコルであるModobusを採用しているので、出力したデータを他のシステムと容易に連携することができます。
センサーは感圧式で、15mm程度のピッチでライン状に複数のセンサーを配列した構成になっています。 荷重の有無によりON/OFFが切り替わるので、棚の列ごとに商品在庫が残っているかどうかを検知することができます。
商品陳列棚の欠品検知システムの開発については、NISSHAまでお気軽にお問い合わせください。検品検知センサーについて、くわしくはwebサイトで紹介しています。是非ご覧ください。
こんな記事も用意しています。
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