インターネットやSNS を通じて世界の流行や行動の拡散があまりにも容易になっている現在、異文化に影響を受けた新しいサービス・製品が生み出されている。SNS 普及以前は、関わりの乏しかった、異業種の企業やアーティスト・地域の職人たちの間でコミュニケーションが活発化。元々存在していた製品やサービスに対して、ボーダレスなコラボレーションによりユニークな表情（素材・機能等）を与えることが出来ている。国や地域、異文化や世代をも超えてコラボレートすることによって、地球規模の問題を解決していくプロセスが重要となっている。

世界中に重大な危機が差し迫り、不安定な社会に対し政府への信頼度の低下やエコ不安のような新しい不安が台頭し、人々は感情的になってしまっている。世界のマクロ変動に対する人々の感情的な反応に対し企業は収益事業に取り組むだけでなく、社会的責任の枠を超え、倫理的及びサステナブルな経営をビジネスに組み込むことが求められてきている。多くの課題に直面し混乱する社会に生きる消費者の不安を癒すのは親近感やつながり、安心できるコミュニティ。環境と人に配慮のある気遣いのある取り組みがポジティブな未来を切り拓く。

「モノを所有しない時代」となり、より少なく・より良いものだけを残していく需要が高まっている。現代を生きる若者世代に見られる傾向として、ミニマリストが増加傾向にあり、余分な時間はネットのサービスを利用して短縮化し、必要で無いモノについてもミニマル化を図っている。より新しいコトを吸収するために、ミニマル化により獲得できた余白を利用して、心から求めている貴重な体験に時間やお金を費やし、有意義に消費することをメリットとしている。購入して満足感を得る消費傾向は消え、本当に価値の高い体験を求めている。

多様化する消費者の要望を解決するべく、ミクロレベルから個人の好み・サイズに合わせた製品化が加速。消費者は3D プリンターやAI を使い、自分仕様にカスタマイズされた製品を好むようになる。人々は環境保護や倫理と日常的なニーズの両方を満たす消費に興味を持っており、自分自身と地球にとって無害で健全でありながら心地よさが感じられるものを求めている。モノよりコトにお金をかける世代が増加している中で、いかに製品の本質的なものを残し、無駄を省いた合理的なモノであるかということが人と地球に優しい未来を作る。