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NISSHAの技術を活かした新しいデザインを考える|印刷のしくみと質感をひも解くワークショップ

2025/10/20

EVENT

2025年5月、Design & CMFグループの発足以来、初めて京都本社にてデザインワークショップを開催。普段はアメリカ・中国・ドイツを拠点に活動するデザイナーと本社のデザイナーが一堂に会しました。
ワークショップを開催する中で、私たちがプロダクトのサーフェスをデザインする上で大切にしていること・これからもお客さまへ心地よいデザインを提供する上で欠かせないことが見えてきました。

対面ならではのコミュニケーション

最新トレンドをくみ取ったサンプルブック「CMF DESIGN BOOK」「SENSE」シリーズなど、現在作成中のサンプルブックに参加しているデザイナー同士のディスカッションがワークショップの一つとして開催されました。

サンプル品作成の進捗に合わせて、ディレクターから説明があった後、目の前にあるサンプルを見ながら意見を出し合いました。中には、海外拠点のデザイナーと京都のデザイナーがオンラインで連携して作成したサンプルもあります。

SENSE 2掲載サンプルを机に並べて意匠設計の課題を共有

CMF DESIGN 2026のサンプルを机に並べ、デザインのポイントについてディスカッション

「光の環境が違うと一つのサンプルの見え方にこういった変化があるのか」「このパターンは何からインスピレーションを得たのか」「この色の使い方がおもしろい」
対面のコミュニケーションを行うことで微妙な色合いの差やパターンの移り変わりの認識を合わせ、お客さまの意見とそれを反映した背景も含めて繋げていくことで、私たちが作っているものを評価しました。

他にも、本社にある各印刷試作室のエキスパートや各分野で活躍する社員から、今のNISSHAが持つ印刷技術やお客さまについて学びました。そちらでは、印刷技術を更に解剖することで、「何か新しいことは出来ないか、問題解決の糸口にならないか」など新たな発想のきっかけの場となりました。

五感から得られる質感の探求

「心地よさ」は、私たちがお客さまと一緒にプロダクトの意匠を考える中で大切にしている感覚です。
今回のイベント初日に行われた質感探求ワークショップでは、事前にそれぞれのデザイナーが気になった質感のマテリアルを持ち寄り、樹脂で固めて型取りをしました。

本来マテリアルの持つ色の情報を制限することで、触感や凹凸の密度・間隔の情報が強調されます。出来上がったものを並べてみると、視覚で得られる情報は限定され、各々が自然と型取りした石膏のパーツを手に取り、触感を確認していました。

それぞれのデザイナーが選んだマテリアルと型取りした石膏のパーツ

別の日には、京都の伝統工芸に触れることができる漆工房の見学と漆塗体験に参加。
工芸品の表面にも豊かな質感が存在すると同時に、伝統・文化、そして職人の技術の結晶が表れていることを教わりました。

工房を見学し、漆塗体験にも参加

工房で作成された漆が京都の寺院の装飾品として使用されている

CMFデザイナーがお客さまの幅広い要望に応えるためには、マテリアルについてより深く知ることが重要になります。
今ではインターネットで美しいデザインや評価を簡単に得られますが、実際に「触れる」ことでしか得られない情報もあります。一つの素材からより多くの要素を引き出し、それらを繋げることで、新たな可能性を見出すことができるワークショップでした。

各拠点の共通点、そこから見えてきたもの

今回のワークショップで海外拠点のデザイナーと会話をする中で、その拠点特有の問題や悩みも明確になってきました。

各国のサステナビリティへの意識の相違、競合他社との差別化、異なる拠点でも共通のトレンドがあること…明確になった課題に対して、連携して解決していくべきこと、効率を上げるべきことなどをディスカッションすることで、相互理解を深めました。

今よりスピード感を持って、そして柔軟に対応するために私たちがこれからできることは何か。
今回のワークショップでは交流と体験で素材の魅力から印刷の技術まで吸収することができ、私たちのデザインの業務の解像度が向上しました。それにより、NISSHAが伝えたい価値をより的確に表現することにおいても、以前にも増して連携を深めるつながりが生まれました。

私たちDesign & CMFグループは、世界中で活動する仲間と連携し、「心地よさ」について私たちの技術を使って表現していくことを追求していきます。
今回のワークショップにて登場した「CMF DESIGN 2026」リリースはもう間もなくです。お楽しみに!

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