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人と情報の心地よい距離感をつくる

2022/04/25

UI / UX

心地よさの追求

私たちCMFデザイナーは、新しい商品企画に関わる時にはいつも「ユーザーに心地よさを提供するためには何をどのようにデザインすべきか?」を考えます。
例えば自動車に乗っていて、ディスプレイが常に表示された空間の中にいる時、目に入ってくる情報量の多さにストレスを感じたことはないでしょうか。この課題をどのようにすれば解決できるのかという問いを立て、NISSHAの技術でできることを考え掘り下げていくと、ひとつの解にたどり着きます。
それは、情報はユーザーが必要とする時にだけ内装材の最適な位置に表示され、それ以外の時には存在を消す、という事です。そうすることでノイズの少ない心地よい空間をユーザーに提供できるのではないか。私たちが考える心地よさへの追求は、このように色・柄・質感(CMF)を超えて、体験をどう創造するかという思考から始まります。

スタイリッシュかつ、シームレスであることの価値

Design & CMFグループが独自に実施しているトレンド分析においても、すっきりと洗練されたプロダクトデザインに価値を感じる人が多い傾向があることが分かりました。
洗練されたスタイリッシュなデザインの最大の特徴は余計な視覚ノイズが取り除かれていること。例えばパーツそれぞれの継ぎ目や凹凸が少なく、周囲の造形と溶け込むようにシームレスに繋がった外観をしていることです。同様にユーザーインターフェースは物理ボタンからタッチパネルへと姿を変え、ディスプレイは存在を感じさせないよう、造形の一部としてさりげなく配置される形へと移り変わっていると考えられます。

視覚ノイズを減らすことで生まれる「美しく心地よい体験」は、特に人々の生活空間と結びつきの深いモビリティ内装やIoT家電分野で強く求められています。ユーザーの心地よさを追求してきたNISSHAには、情報を必要な時にだけ表示させ、タッチ機能を搭載した樹脂成形パーツを提供できる技術があります。CMFデザイナーが提案する加飾や質感とともに、LEDやLCDの情報を透過表示させる表現を加えた光透過意匠(Hidden Effect)※は、ユーザーが持つ快適性への欲求を満たす画期的な製品としてさまざまなプロダクトに採用されてきました。

採用事例:モビリティ内装、浄水器、洗濯機、空気清浄機、エアコンなど
※欧州、アジアではHidden Effect(ヒドゥンエフェクト)、北米ではHidden Til Lit(ヒドゥンティルリット)やDead Front(デッドフロント)と呼ばれる

光透過意匠は大型の製品に広がる

NISSHAが本格的に光透過意匠をデザインするようになったのは2000年代初期、NOKIA社から受注した携帯電話のディスプレイカバーパーツを量産し始めたことがきっかけでした。画面表示がオフのときにはディスプレイと枠の境界を無くすことでディスプレイの存在感を無くし、表示がオンになると必要な情報を綺麗に表示できることが求められました。当時、”Hidden Til Lit”と呼ばれた小さな透過パーツは、やがて加飾と機能を付与した樹脂パーツへと進化していくことになります。

携帯電話端末に求められていた”Hidden”(表示を隠す)効果は、時代が進むにつれて冷蔵庫や、洗濯機といった家電製品のコントロールパネルなどでも見られるようになりました。手元で操作する小型のものからより大きな製品にも採用されるようになり、現在ではHidden効果を安全性や快適性を作り出す要素としてモビリティ内装デザインへ取り入れる展開も見られます。Hidden効果を採用するプロダクトは小型のものから大型製品へ、個人レベルの極小空間→屋内空間→移動する車内空間(モビリティ空間)へと広がっていきました。

最新のデザイントレンドとして、Hidden効果を車内空間の演出として使いたいという要望が増えてきていることも忘れてはいけません。上品で柔らかい光の表現をモビリティ内の間接照明として生かしたいというデザイナーの声が、欧州を起点に日本国内まで広く聞かれるようになりました。EV車が普及し、自動運転技術が進歩する中で車内空間で得られる体験をより印象的なものに変えていくためにHidden効果を使ったイルミネーションとしての意匠が求められるのでしょう。

NISSHAはユーザーが持つ心地よさへの変わらぬニーズを捉え、進化し続けるテクノロジーとニーズを調和させるデザインをこれからも提案していきます。

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