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フロン排出抑制法では、簡易点検と定期点検の二つの点検が義務化されています。このうち簡易点検については、改正フロン排出抑制法の基準に適合する異常検知システムを導入することによって代替することができます。
この記事ではフロン排出抑制法が定める簡易点検と定期点検の概要と、簡易点検を代替する異常検知システムについて紹介します。
フロン排出抑制法とは
フロン排出抑制法は、地球温暖化やオゾン層破壊を防ぐために、フロン類の大気への排出を減らすことを目的に施行された法律です。
正式名称は「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」といいます。
2015年に施行され、2020年に最新の改定がありました。2020年の改定では廃棄時の違法な放出を防止する規制の強化などが盛り込まれました。
フロン排出抑制法の対象となるのは、フロンを冷媒として利用している「業務用」の空調、冷凍冷蔵機器です。
フロン排出抑制法で義務付けられた簡易点検と定期点検
フロン排出抑制法では、以下に説明する簡易点検と定期点検の実施が義務付けられています。点検の結果は記録して保管が必要です。
フロン排出抑制法で定められた簡易点検
- 頻度 :
- 3か月に1回実施
- 点検者 :
- 資格は不要で、設備管理者自身が点検できます。
- 点検方法 :
- 目視による異常確認
- 点検内容 :
- ・冷凍サイクル部の外観の確認(油にじみ、腐食、損傷など)
- ・異音の発生
- ・冷却能力の不足
- 異常が見られた場合は専門業者に点検を依頼します。
- 点検結果の記録 :
- 点検結果は記録して、保存が必要です。
フロン排出抑制法で定められた定期点検
- 頻度 :
- 1年ないし3年に1回(設備の種類により規定されています)
- 点検者 :
- 資格を有する専門の業者に点検を依頼します。
- 点検内容 :
- ・専用機器による漏洩の検知
- ・冷媒回路や圧力、温度の点検
- ・点検結果の記録:簡易点検と同様に、結果は記録して保存します。
また定期点検では、冷媒の回収と充填が行われ、「(充填量)―(回収量)」から冷媒の漏洩量が算出されます。その漏洩量がCO2換算で1,000トンを超えた場合は国に報告しなければなりません。
簡易点検では抑えられないフロンの排出がある
フロン排出の約42%は機器の使用時に発生している
日本国内におけるフロン(HFCS)の排出量の総量は2024年時点で約2,070万トンであり、このうち機器の使用時に排出される量は、排出量全体の約42%でおよそ1,100万トンに上ります。
環境省ではフロン排出総量を2030年に893万トンまで削減する目標を立てており、この目標を実現するためには機器使用時におけるフロンの排出を抑える必要があります。
簡易点検で異常に気付いた時にはすでにフロンの漏洩が進んでいる
機器使用時のフロン排出は、冷媒が徐々に漏洩するスローリークとして発生します。スローリークの原因は冷媒配管のサビやズレなどで、特に老朽化した機器で頻発する現象です。
そして、このスローリークによる漏洩は簡易点検では気づきにくいという課題が有ります。
一般的な冷蔵冷凍設備は、冷媒が減ってくるとモーターの稼働負荷を高めて庫内を冷やそうとする仕組みになっています。つまり冷媒が減少しても庫内は低温に維持されるため、日常的な庫内温度のチェックや簡易点検での冷却確認では冷媒の減少を発見しづらいのです。そして庫内温度が下がらなくなったことが確認できたときには、すでに機器に充填された冷媒の半分くらいが漏洩していることになるのです。
このように、目視点検や庫内温度チェックといった簡易点検だけではフロンの漏洩を早期に発見できないという課題があります。この課題を解決するために普及が進められているのがフロン漏洩異常検知システムです。
簡易点検を代替するフロン漏洩異常検知システム
フロン漏洩異常検知システムの概要
異常検知システムはさまざまなデータから冷蔵冷凍設備の異常の兆候を検知するシステムです。異常検知にはつぎのようなデータを使用します。
- 設備の消費電力、電流値
- 設定温度と庫内温度の差
- フロン冷媒の温度と外気温
- フロン冷媒の圧力
- フロンのサブクール効率(室外機で気体を凝縮して液化した後、さらに液温を低下させる効率)
- 液状フロン内の気泡の発生
こういった設備のデータを取得することで、運転状況の異常や冷媒の漏洩を検知します。
漏洩異常検知システムを導入するメリット
改正フロン排出抑制法の基準に適合する異常検知システムの場合、システムの導入によって「簡易点検」を代替することができます。
また、異常検知システムを導入することは電力消費を抑えるという点でもメリットがあります。フロンの漏洩による冷却効率の低下は電力消費の増加につながります。漏洩を早期に検知することで、省電力を実現することができるのです。
より的確なフロン漏洩検知を実現する冷媒センサー
ここまで、フロン排出抑制法で義務とされている冷蔵冷凍機器の点検と、それを代替することができる異常検知システムについて紹介してきました。現在の異常検知システムは電力などのビッグデータから漏洩を推察してアラームを鳴らすものが主流で、フロンの漏洩を直接検出するシステムはあまり紹介されていません。直接的にフロンの漏洩を検知することができれば、より正確な異常検知が実現できると考えられます。
NISSHAエフアイエスでは、冷媒の漏洩を検出する冷媒センサーを製造販売しています。
冷蔵冷凍設備に冷媒センサーを組み込むことで、冷媒の漏洩をいち早く検知することが可能になります。
たとえば、冷蔵ショーケースの場合、本体の底部に冷媒センサーを組み込みます。R32などのフロンの多くは空気より比重が大きいため、漏洩すると床面付近に滞留します。こうしたフロンの滞留を1,000ppm程度の濃度から冷媒センサーが検知します。
より正確なフロン漏洩検知を実現するため、冷媒センサーの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
冷媒センサーについては製品ページで詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。



