- 果物や花が放出する
- 微量ガスを検出
- 8分で測定
- オプションで連続測定が可能
- 低予算で
- 導入できる分析装置
- 操作が簡単
- ガス採取~測定まで
野菜や果物、花から放出される低濃度ガスを測定
センサーガスクロマトグラフSGEA-P3は、エチレン、アセトアルデヒド、エタノールをppbレベルの低濃度で測定するガス分析装置です。濃縮前処理を必要とせず、少量のサンプルでその場ですぐに測定することができます。コンパクトで取り扱いも簡単なため、農業・園芸分野において、これまで測定が困難だった低濃度ガスの分析を可能にします。
測定原理
超高感度の半導体式ガスセンサーを検出器に使用し、エチレン、アセトアルデヒド、エタノールをppbレベルの低濃度から計測することが可能です。ガス注入操作だけで自動的に測定を開始し、注入後8分で測定を完了します。測定結果は標準装備のソフトにより、パソコン画面に表示されます。エチレン、アセトアルデヒドは10 ppb以下の微量な放出から検出することができるので、エチレン放出量の少ない野菜類や花などの研究にもご活用いただけます。
※測定対象ガスと測定濃度範囲は機種により異なります。
ppbレベルのエチレンガスなどをおよそ8分の短時間で測定
ガス種別の測定範囲
型式 | SGEA-P3-C1 | SGEA-P3-C2 | SGEA-P3-A |
---|---|---|---|
測定対象ガス | エチレン5 ppb~10 ppm | エチレン50 ppb~10 ppm | アセトアルデヒド100 ppb~10 ppm |
アセトアルデヒド100 ppb~10 ppm | エタノール200 ppb~100 ppm | ||
表示分解能 | 0.1 ppb |
※メタノール、エタノールはカスタマイズ対応
特長
濃縮前処理不要、連続測定によりガス濃度の経時変化を分析
測定時間又は測定回数を設定することで、自動連続測定も可能です。
密閉容器中に果物などの試験サンプルを保存し、測定時間8分+測定準備時間(1~2分、状況による)で容器内の空気をサンプリングして、エチレンなどの濃度を測定します。1回の測定で必要なサンプルガスの量はわずか5cc。だから、濃縮処理をすることなく採取したサンプルをそのまま使用してppbレベルの測定が可能です。野菜や果物、花の劣化に伴うエチレン、アセトアルデヒド、エタノールの放出の様子をリアルタイムに観察することができます。
ガスボンベ不要の小型ポータブル設計で置き場所に困らない
自然大気をキャリヤーガスとして使用しますので、高圧ボンベが不要です。オリジナルの小型カラムなど独自の技術で小型(B4サイズ)、軽量化(7.4kg)を実現しました。持ち運びも容易で、設置場所を選びません。研究室内だけでなく、ビニルハウスなどの実際の圃場や、冷蔵倉庫・コンテナなどの保蔵現場の環境測定にもご活用いただけます。
操作方法
操作は簡単・シンプル
単回試験
- 試験サンプルを袋などの容器に密閉保存
- シリンジを差し込み、容器内部の空気を採取
- 採取した空気を、試料ガス注入口からカラムに注入
- 試料注入がトリガーとなり、クロマトグラムを取得開始
連続測定試験
- 試験サンプルを密閉容器に保存
- 試料採取用のチューブを容器につなぐ
- 測定をスタートすると、容器内の空気サンプルを自動採取開始
- 採取サンプルを周期的にカラムへ送り、クロマトグラムを取得
分析事例
このような研究でご活用いただけます
柿、モモ、リンゴなど果実の熟成に伴う
エチレンの放出量分析
- リンゴから放出されるエチレンと
アセトアルデヒドの10時間連続測定 - リンゴ重量 184g
容器容積 9.8L
密閉容器中のエチレン、アセトアルデヒドの濃度を15分間隔で10時間、連続測定。
ppmレベルのエチレンガスの放出と同時に、エチレンのおよそ2.5%程度の微量なアセトアルデヒドも放出されていることが分かる。
バナナやアボガドなどの
エチレンによる追熟の研究
- バナナが放出するエチレンの20時間連続測定
- バナナ重量 216g
容器容積 9.8L
密閉容器中のエチレン濃度を30分間隔で20時間、連続測定。バナナが放出するエチレン濃度は経過時間に比例して増加。20時間でおよそ200 ppb(0.2 ppm)のエチレン放出を確認。SGEA-P3は、測定開始2.5時間後までの10 ppb以下のエチレン濃度も検出している。