NISSHAエフアイエスの技術
低濃度域の検出に優れたガスセンサー
- 半導体式ガスセンサー とは?
- 半導体式ガスセンサーは、金属酸化物半導体を加熱した際に起きる酸化還元反応を利用してガスを検出します。
ガスに対する感度は非常に高く、ppmレベルの低濃度域のガス測定に利用でき、他の方式のガスセンサーと比較して小型、長寿命、低コストなので、さまざまな設備、装置への組み込みにおいて設計自由度の高いセンサーです。
SBタイプとSPタイプは、使用している感ガス体の構造が異なります。
SBタイプ
SB (Semiconductor Bead)タイプは、酸化第ニスズ(SnO2)を主体とする感ガス材料を微小なビード状に成形して作られ、ヒーターコイル とリード線はこの素子の中に埋設されています。この構造により、消費電力の大幅な削減、高速な応答速度を実現しています。
SPタイプ
SP (Semiconductor Plate)タイプの感ガス体は、金電極が印刷されたアルミナ基板上に形成され、加熱用ヒーターとして酸化ルテニウムまたは白金の厚膜が基板の裏側に印刷されています。多様な感ガス材料や膜厚のコントロールにより、センサー特性の改良と幅広い製品群を提供しています。
酸化第二スズ(SnO2)金属酸化物半導体材料の電気伝導度は、周囲のガス濃度に応じて変化します。
清浄大気中では、 空気中の酸素が SnO2 結晶表面に負荷電吸着する事によって結晶表面の電子が奪われ、抵抗値は高いレベルに保たれます。周囲にガスが存在すると、ガスとセンサー表面の酸素との間で酸化還元反応が起きます。
センサーの抵抗は、この酸化還元反応の過程で生じる電子の移動と結晶表面の電位障壁の変化によって、一酸化炭素・メタン・水素などの還元性ガスの濃度上昇に伴って減少し、酸化窒素などの酸化性ガスの濃度上昇に対して増加します。

高耐久、高速応答の接触燃焼式ガスセンサー
- 接触燃焼式ガスセンサーとは?
- 接触燃焼式ガスセンサーは、ガスを燃焼させた際の温度上昇による白金の抵抗値の変化からガスを検知します。 半導体式ガスセンサーと比較すると、温湿度の影響を受けにくく、10,000ppm以上の高濃度域のガス検知に適しています。 NISSHAエフアイエスでは独自のセンサー構造を採用し、ガス選択性が高く、高精度な接触燃焼式センサーの開発を実現しました。このセンサーは、燃料電池車向けの水素ディテクターに採用されています。
NISSHAエフアイエス独自の接触燃焼式ガスセンサー
一般的な接触燃焼式ガスセンサーは、水素と反応する触媒を混合した無機材料(担体)でヒーターを包み込む構造をしています。

このような従来の接触燃焼式ガスセンサーは起動・応答速度とシロキサンによる被毒耐性に課題がありました。
NISSHAエフアイエスの接触燃焼式ガスセンサーは、コイル状白金線表面に触媒の3次元構造を形成しています。

これにより、大きな表面積を有しながら、体積は最小限に抑えた感ガス層を形成することができ、速い起動・応答性と、シロキサン被毒の耐久性を両立した接触燃焼式ガスセンサーを実現しました。
接触燃焼式センサー採用 水素ディテクター