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呼気は、代謝傾向の把握や健康管理の分野で古くから研究されてきました。呼気には数百種類以上のガス成分が含まれているとの報告もあります。そのようなガスのひとつがアセトンです。
一般的に、呼気に含まれるガスの分析にはガスクロマトグラフィーが使われます。しかしガスクロは概して設備が大規模で、さらには試料の調整が必要であるなど手間もかかります。そこでNISSHAエフアイエスでは簡便にアセトンを測定できる研究用のポータブルなガス分析装置を提供しています。それがセンサーガスクロマトグラフSGCです。この記事ではセンサーガスクロマトグラフSGCによる呼気中アセトン測定の事例を紹介します。
呼気アセトンを簡便に測定できるセンサーガスクロマトグラフSGC
まず初めにSGCの特長について簡単に説明します。

SGCは、キャリヤーガスに自然大気を使用し、検出器に高感度半導体式ガスセンサーを用いた簡単な構成です。試料ガスの成分をカラムで分離し、ガスセンサーの反応をクロマトチャートで表示します。SGCはつぎのような特長から、呼気アセトンの測定に適しています。
- 20ppbからの低濃度アセトンを検出可能。つまり、採取した呼気を濃縮処理することなく、そのまま試料として使用できる。
- 幅260mm×奥行435mmのコンパクトな本体とノートPCで構成されており、環境雰囲気に気を付ければ設置場所を容易に変えられる。また、電源とノートPCがあれば迅速に試験を開始できる。
- およそ8分程度 で1回の測定が終了し、繰り返し測定が可能。短時間で多数の試料測定ができる。
このように低濃度のアセトンを簡便に測定できるセンサーガスクロマトグラフSGCは呼気分析の実験に適しています。
絶食による呼気中アセトン濃度の変化を測定
ここからはセンサーガスクロマトグラフSGCを使って実際にアセトン濃度を測定した事例を紹介します。
呼気中のアセトンは体内の脂質が代謝されることによって増加します。そこで、一定期間食事を摂らないことで脂質の代謝を促した場合の呼気アセトン濃度の変化を測定してみました。
下のグラフは、ある日の昼食を摂った後から約48時間絶食した女性の呼気に含まれるアセトン濃度の変化をSGCで測定したデータです。同時に測定しているアセト酢酸量とは尿中に含まれるケトン体の一種で、実験の正確性を判断するための比較対象として測定しました。
- 被験者:女性 1人
- アセトン濃度測定:センサーガスクロマトグラフSGC(SGEA)
※アセト酢酸量は、別の器具で測定

グラフを見ると、呼気アセトンの濃度は絶食の時間経過に合わせて上昇し、食事を摂取すると急激に低下していることが分かります。また、一般的に呼気アセトン濃度は0.5ppm程度といわれているのに対して、この実験での48時間絶食後のアセトン濃度は8ppm以上に達しています。比較対象のアセト酢酸量も同じ挙動を示していることから、絶食時間と体内のケトン体量には関連性があることが読み取れます。
このような結果から、SGCによって体内のアセトン量が正しく測定できていることが分かります。
センサーガスクロマトグラフSGCの使い方
SGCでのアセトン測定の手順はいたってシンプルです。

- まず採取バッグで呼気を採取する。そして採取バッグからシリンジへ試料ガスを移す。注入する試料ガスは5cc 。
- つぎにシリンジをSGCの注入口に挿し込んで試料ガスを注入 。試料の注入が開始すると、自動的に測定が開始。
- 試料の呼気(混合ガス)がカラムを通過することでガス中の成分が分離され、ガスセンサーで検出される。
- 検出結果は専用ソフトによってクロマトチャートとして表示され、そのチャートからアセトン濃度が自動的に計算される。
試料ガスの注入からチャートを取得するまでにかかる時間は8分程度。その後キャリヤーガスを流してカラム内を洗浄すれば次の実験を開始できます 。
簡便な呼気アセトン測定を実現するセンサーガスクロマトグラフSGC
センサーガスクロマトグラフSGCは呼気アセトンを正確かつ簡便に測定します。センサーガスクロマトグラフSGCを使った呼気アセトンの測定に関心を持っていただけたら、NISSHAエフアイエスまでぜひご連絡ください。



