ガスセンサーの基礎 ―<br>検知できるガスとセンサーの種類を紹介
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ガスセンサーの基礎 ―
検知できるガスとセンサーの種類を紹介

この記事ではガスセンサーの基礎知識を紹介しています。 前半は「そもそもガスセンサーで何ができる?どんな気体を検知できる?」という疑問に答えます。 後半では、ガスセンサーの種類や検知できる濃度領域を紹介します。 興味のある所からお読みください。

目次

ガスセンサーが検知するおもな気体

名称化学式色・臭い代表的な特徴
水素H2無色・無臭燃料として活用
アンモニアNH3無色・刺激臭燃料として活用
メタンCH4無色・無臭天然ガスの主成分
一酸化炭素CO無色・無臭燃料の不完全燃焼で発生
二酸化炭素CO2無色・無臭地球温暖化に影響
二酸化硫黄SO2無色・刺激臭酸性雨の原因
一酸化窒素NO無色・無臭光化学スモッグの成因
二酸化窒素NO2赤褐色・刺激臭大気汚染防止法特定物質
エチレンC2H4無色・芳香臭植物ホルモン
硫化水素H2S無色・腐乱臭口臭成分
アセトアルデヒドCH3CHO無色・刺激臭アルコールの代謝物
アセトンCH3COCH3無色・刺激臭体脂肪の分解により発生

ガスセンサーはその名のとおりガス(気体)を検知するセンサーです。
ガスセンサーは、

  • 有害ガスの管理や引火性ガスによる火災の予防
  • 居住環境を快適に保つための悪臭や二酸化炭素量の管理
  • 温室効果ガスなどの環境測定
  • 生物から放出されるガスの検出

など、様々な分野で活躍しています。

産業活動で排出されるガス、動物や植物が放出するガス、自然大気中に含まれるガスなど、私たちの身の回りにはさまざまなガスが存在しています。上の表で示したガスは、ガスセンサーの検知対象のほんの一例です。

ガスセンサーでできること

臭わないガスを検知する

無臭のガスを検知できることは、ガスセンサーのメリットのひとつです。
人は臭わないガスの濃度が高まっても知覚することができません。無臭ガスの中には人体に影響を及ぼしたり、引火する危険を伴うものなど、濃度の監視が必要なものがあります。 以下は検知対象となる無臭ガスの一例です。

 ガスを検知すべき理由
二酸化炭素人体への影響
高濃度で人が窒息
一酸化炭素人体への影響
高濃度で人が窒息
一酸化窒素有害物質
光化学スモッグの原因になる
水素引火性がある
メタン引火性がある

人が嗅ぎ取れない低濃度のガスを検知する

ガスセンサーの用途のひとつは、人が知覚できない低い濃度のガスを検知することです。
下の表で示したように、臭いのあるガスは人体に悪い影響を与えるものが少なくありません。こういった有害なガスは、人がその臭いに気づくよりも早く検知したいものです。
ただ二酸化硫黄や二酸化窒素など、いくつかのガスではガスセンサーよりも人の嗅覚の方が低濃度で知覚できるのが現状です。ガスセンサー開発の現場では、そのようなガスを人の嗅覚よりも敏感に検出できるようにすることを目指しています。

 人が臭いを知覚する最低濃度
(検知閾値)
アンモニア1.5ppm
二酸化硫黄0.87ppm
二酸化窒素0.12ppm
硫化水素0.00041ppm
アセトアルデヒド0.0015ppm

有毒ガスを検知する

有毒ガスの検出はガスセンサーの大きな役割のひとつです。有毒ガスを人が嗅覚で嗅ぎ取ることは危険を伴います。そこでガスセンサーの出番となります。 アンモニア、一酸化炭素、硫化水素など。ガスセンサーは有毒ガスの存在を検知し、人を守ります。

引火性のガスを検知する

メタンや水素といった引火性ガスの漏れを早期に発見することは火災事故を防ぐために重要です。ガス漏れを監視するためにガスセンサーは大切な役割を果たしています。

人が居ないところでガスを「嗅ぎ取る」

ガスセンサーを使えば、人が居ない場所の空気環境を監視することも可能です。たとえば酸素が極端に少なくて人が入れない環境の測定、オートメンション(無人)の工場の中で引火性ガスの漏れを検知すること、温室内の空気環境を24時間監視することなど、人が居ない(入れない)場所の監視にセンサーは欠かせません。

「嗅ぐこと」と「センサーで検知すること」の違い

ここまで、ガスセンサーのおもな役割を紹介してきました。ガスセンサーの基礎知識の整理として、人の嗅覚とガスセンサーによる検知のメリット、デメリットを以下にまとめておきます。人の嗅覚では嗅ぎ取れないものを検出したり、臭いを嗅ぐことが危険なガスを検知したり。ガスセンサーは人の嗅覚をサポートする役割を果たしています。

 人の嗅覚ガスセンサー
無臭ガスの検知× 検知できない〇 検知できる
有毒ガスの検知× 嗅ぐのは危険〇 検知できる
長時間の監視× 嗅覚が鈍る〇 24時間365日稼働可能
安定性× 体調などに左右される〇 感度が安定している
においの識別〇 匂いの違いが分かる× ガスの識別はできない

ガスセンサーの種類

ここからはガスセンサーの種類を紹介していきます。

半導体式

酸化スズ(SnO2)などの半導体を感ガス材料とするセンサーです。

半導体式

一般的な半導体式ガスセンサーは、感ガス材料をヒーターで加熱する構造をしています。
ヒーターで加熱した感ガス材料の表面にガス分子が吸着すると、感ガス材料の電気抵抗値が変化します。この抵抗値の変化からガスを検知します。 感ガス材料の半導体や触媒を工夫することで、目的に応じたガスを検知します。

接触燃焼式

触媒を配合した無機材料(担体)を白金製コイルに被せた構造をしたセンサーです。

接触燃焼式

加熱した触媒と可燃性ガスが燃焼反応を起こすと、その反応による温度上昇で白金コイルの抵抗が変化します。この抵抗の変化からガスを検知する方式です。接触燃焼式センサーは検知素子と補償素子という2つの素子を対で使います。水素(H2)センサーとしての事例が代表的です。

電気化学式(燃料電池式)

検知電極と対向電極の間に電解質溶液を満たした電池のような構造のセンサーです。

電気化学式(燃料電池式)

ガスが検知電極に接すると酸化反応が起こり、水素イオンと電子が発生します。電子は外部回路を流れて対向電極へと向かうので、この時の電流値を読み取ることでガスを検知します。
電気化学式センサーは、おもに一酸化炭素(CO)用として使われています。

赤外線吸収式

赤外線がガスに吸収される特性を利用し、光源から照射された赤外線の減少からガスを検出する方式です。

赤外線吸収式

セル(導光部)の片端に赤外線光源、対向する端部に受光素子があります。セル内にガスを通過させ、ガスを通したセルとガスを通していない参照セルの赤外線の量を比較して、ガスを検知します。CO2センサーなどに活用されています。

固体電解質式

電気化学式センサーが電解質に溶液を利用するのに対して、セラミックスなどの固体電解質を利用するのが固体電解質式センサーです。

固体電解質式

検知電極/電解質/対向電極という構成は電気化学式と同じです。液体の電解質を使わないので液漏れや乾燥による劣化が起こらず、性能が安定することがメリットです。

ガスセンサーの検知濃度域

固体電解質式

ガスセンサーの検知濃度範囲は、センサーの種類によって異なります。ガスセンサーの種類は、測定したいガスの種類や濃度域によって適切な方式を選定する必要が有ります。

NISSHAエフアイエスはガスセンサーの専門メーカー

NISSHAエフアイエスは半導体式ガスセンサーを中心に、さまざまなガスに対応するセンサーを提供しています。製品のラインアップはホームページに掲載しているので、ご覧ください。

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[製品トピックス]

冷媒センサー

フロンなどの冷媒の漏洩を検知するセンサーです。

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水素ディテクター

水素燃料電池などで水素の漏洩を検知するセンサーです。

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