展示会ブランディングの方法|ブランドの世界観を視覚的に演出する、Fabright®サイン
1.展示会で「ブランド」を伝える難しさとは?
展示会でブランドを伝えるのが難しいのは、「短時間で判断される」「視覚情報が混在している」「競合と並列で比較される」という特殊な環境に理由があります。
1つ目は、接触時間の短さです。来場者は1ブースあたり平均7秒以内で「見るかどうか」を決めると言われています。その中でブランドの印象を残すには、即時伝達が必要になります。
2つ目は、視覚的ノイズの多さです。多くの展示会場では、隣のブースや上部の照明、歩行者の動線などに視線が分散します。つまり、普通に装飾しても目に入らない設計になっているのです。
3つ目は、比較される構造そのものです。展示会では、来場者は複数の企業や製品を“同じ軸”で無意識に比較します。そのため、「何をどう違う印象で見せるか」がブランド構築の鍵になります。
こうした環境下で印象を残すには、視線誘導とブランド訴求を一体化させた設計が必要です。NISSHAのFabright®サインのように「ブランドの世界観」を視覚的に表現できる意匠は、差別化の一手になります。
2.ブランディング成功のカギは「印象設計」
展示会ブランディングで成果を出すには、「印象設計」をあらかじめ計画しておくことが重要です。単にブースを“かっこよく見せる”だけでは、ブランドの本質は伝わりません。
第一に必要なのは、ブランドの価値を言語化し、視覚化していく変換プロセスです。たとえば、「革新性」を伝えたいのか、「信頼性」なのかによって、色使いやフォント、空間のトーンはまったく変わります。
次に重要なのは、「誰に、どんな印象を持たせたいのか」を明確にすることです。ターゲットが決まれば、使う言葉、見せるストーリー、装飾も変わってきます。
最後に、印象が“体験”として統一されていることが成功の条件です。ブース外観と説明資料、接客対応がバラバラでは印象は曖昧になります。視覚・言語・感情が一致することで、ブランドの世界観が成立します。
こうした「印象をどう設計するか」という視点を取り入れると、展示会が単なる出展の場から、“ブランドを五感で伝える空間”へと変わります。Fabright®サインのように、視覚的に世界観を演出できる意匠は、この印象設計において効果的に働きます。
3.目を奪う「アイキャッチ」の重要性
─ 視線誘導・感情喚起・記憶定着の3視点から考える ─
展示会において「アイキャッチ」は単なる装飾ではなく、ブランドとの“最初の接点”をつくる重要な装置です。来場者の視線と心を一瞬でつかむ設計が、商談や記憶のきっかけになります。
まず第一に重要なのが、視線誘導の設計です。人の目線は“動き”や“光の変化”に自然と引き寄せられます。つまり、素材や造形によって光を反射・透過させるだけでも、他のブースと違う視覚体験を演出できます。
二つ目は、感情喚起の役割です。「かっこいい」「美しい」「近未来的」など、感情が動いたとき、人はその体験を“ブランドそのもの”と結びつけて記憶します。印象設計においても、アイキャッチは感性に訴える直接的な手段です。
三つ目は、記憶定着への影響です。展示会は大量の情報に触れる環境なので、普通の見た目では記憶に残りません。逆に言えば、ひと目で「印象に残るビジュアル」さえ設計できれば、他のブースとの比較で優位に立てます。
3つの視点を満たすNISSHAのFabright®サインは、ブランドイメージの印象づけに直結するアイキャッチとして、来場者の視線と心を一瞬でつかみ、ブランドとの “最初の接点”を創出します。
4.Fabright®サインとは?展示会における活用の具体例
─ 高級感・テクノロジー感・サステナビリティを伝える設計 ─
展示会では、「ブランドらしさ」を空間として表現することが求められます。そのためには、単に装飾を施すのではなく、素材・構造・視覚体験を通じて“意味を持たせる演出”が必要になります。
たとえば、製造業のブースで「信頼性×革新性」を伝えたい場合には、Fabright®サインをブース中央に設置し、照明と組み合わせて「空間の中心で静かに輝く面構成」を設計するケースがあります。素材自体が無垢で、余計な情報を持たないため、他の装飾よりも強く「ブランドの姿勢」を示すことができます。
さらに、サステナビリティや環境配慮を前面に出したい場合には、再利用可能な展示構造や軽量素材の選定も評価されます。布素材のFabright®は軽量で運搬・設置が容易なため、持続可能性の観点でも効果があります。
このように、ブランドの価値観や伝えたい世界観によって、素材選びと設計手法は変わります。「何を感じさせたいか」から逆算して、素材そのものを演出装置として活かすことが、印象に残る展示会ブランディングの鍵となります。
Fabright®サインは印刷が綺麗
Fabrightサインは、内照式のファブリックサインとして、空間を鮮やかに演出できる製品です。昇華転写プリントによる高精細な表現と高度なカラーマネジメントで、色ムラのない鮮明な仕上がりを実現します。フレームが目立たない構造のため全面を意匠として活かすことができ、布素材なので軽量で折りたたんで持ち運ぶことも可能です。店舗スタッフでも簡単に差し替えられるため、運用のしやすさも大きな魅力です
Fabright®サインは付け替えが簡単
Fabrightサインは、裏面に縫い付けられたシリコーン製バーをフレームの溝に押し込むだけで、簡単に付け替えることができます。
専門的な作業を必要とせず、店舗スタッフでも短時間で対応できるため、朝・昼・晩とターゲットに合わせて表現を切り替えることが可能です。時間帯に応じて空間の印象を自在に変えられる柔軟性が、大きな魅力となっています。
5.Fabright®サインを活用したブランド表現の実例
「『歌劇』創刊100th Anniversaryのウェルカムボード
2018年8月4日(土)~8月11日(土・祝)に、東京・丸の内の商業施設「KITTE」(キッテ)において開催された「『歌劇』創刊100th Anniversary in KITTE」のウェルカムボードおよび「歌劇」表紙ロードの展示物において「Fabright®」を使用したLEDパネルが採用されました。
このイベントは、大正時代から続く宝塚歌劇の機関誌「歌劇」が2018年8月に創刊100周年を迎えることを記念し、東京・丸の内の商業施設「KITTE」の開業5周年イベント「KITTEの夏イベント 2018」のひとつとして開催されました。
当社は、「歌劇」創刊号から2017年12月号までの1107号分の表紙を使ったパネル「『歌劇』表紙ロード」や、トップスターの大型写真パネル、ウェルカムボードなどの製作を担当しました。
京都中央信用金庫 本店の店内装飾
京都中央信用金庫様は、2020年に80周年を迎えられる、京都を基盤とした信用金庫です。「つねにお客さまの側にいて肩を並べ、声を掛け合いながら、同じ夢や目標に向かって歩む良きパートナーでありたい」という思いを込めて、「ON YOUR SIDE」をコーポレート・スローガンに掲げていらっしゃいます。
京都中央信用金庫様の本店では、四条通に面した南側のガラス面を使って、季節ごとのメッセージや商品情報などをパネルにして発信しています。この店頭装飾の一部に、当社のFabright®サインをご採用いただきました。
Fabright®で製作したパネルは視認性が良く、特に夜間はコルトンパネルと比べて明るいため、効果的なメッセージの発信に役立っています。
また、このパネルは季節ごと(正月・春・夏・秋・冬)にメッセージを変える必要があるため、交換コストが低減されることもご導入決定の要因となりました。
6.展示会ブランディングを成功させるには?
─ 「企画 × デザイン ×存在感 」で世界観を設計する ─
展示会でブランディングを成功させるには、「世界観」を明確に設計し、それを空間全体で一貫して伝えることが重要です。そのためには、企画、デザイン、存在感という3つの要素を意図的に組み合わせて設計する必要があります。
まず、企画の段階では「誰に何をどう伝えたいか」を明文化し、ブランドの価値を明確にしておくことが前提です。この軸が曖昧だと、どれだけ装飾を凝らしても印象には残りません。
次に、デザインでは構造・色・レイアウト・導線を通じて、ブランドの価値を視覚的に表現します。その中で「存在感」は来場者との最初の接点となり、遠くからでも気づかれる力を持ち、視線誘導や記憶定着に大きく影響します。 そして最後に、素材が存在感の質を決定づけます。布素材のFabright®は余計な情報を持たない無垢な質感で、光を反射せずに受け止めるため、空間の中に自然に浮かび上がるような印象を与えます。光の拡散性にも優れており、均一で柔らかな発光が鮮明さと目に優しい表現を両立します。展示会においては「目立つこと」が来場者を引きつける第一歩であり、その効果を最大限に高める素材といえます。
展示会は「製品を並べる場所」ではなく、「ブランドを体験してもらう場所」へと進化しています。世界観を伝える空間をどうデザインし、どう印象づけるか。その鍵は、企画 × デザイン × 素材の三位一体で構築された印象設計にあります。
注文方法について
設置場所やサイズ等、お客さまのお作りになりたいものについて打ち合わせをさせていただきます。
大まかな方向性の決定とお見積提示の後、校正(色味の確認など)を経て、量産となります。
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