石膏から発生する硫化水素の濃度管理 | 持ち運べるガスクロ装置SGC
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石膏から発生する硫化水素の濃度管理 | 持ち運べるガスクロ装置SGC

目次

石膏ボードを埋め立てる際に発生する硫化水素。広大な最終処分場の中からガスの発生源を特定するためには、処分場内の硫化水素濃度の分布の正確な把握が必要です。この硫化水素の濃度測定の現場で、センサーガスクロマトグラフSGCが活躍しています。

石膏ボードから硫化水素が発生するメカニズム

石膏(CaSO4)は、以下の条件がそろうことで硫化水素(H2S)の発生源となります。

  • 有機物の存在(糊、紙、その他の廃棄物)
  • 嫌気環境(空気が少ない状態)
  • 硫酸塩還元菌の存在
  • 水分の存在

石膏ボードは広く使用されている建材です。特定の条件がそろうと石膏ボードから硫化水素が発生することは古くから知られていたので、埋め立て処分する際はボードから紙を剥がすなど、硫化水素の発生を防ぐ対策が行われてきました。しかし1999年に、このような対策を講じても硫化水素が発生する事例が発生し、石膏ボードの埋め立て処分の方法が見直されることになったのです。

石膏ボードの埋め立て処理に関する規制の変遷

廃棄物を埋め立て処理する最終処分場にはおもに次の2種類があります。

  • 安定型:汚水やガスなどをほとんど排出しない安定した廃棄物を埋め立てる処分場
  • 管理型:汚水やガスが発生することを前提に、それを管理・処理する処分場

もともと石膏ボードは安定型最終処分場で受け入れることが認められていました。これは石膏ボードから紙を除去すれば硫化水素は発生しないと認識されていたからです。

しかし先述した1999年の事例の発生により、紙を除去しても埋立地内の他の有機物の影響を受け、硫化水素の発生を完全に抑えることができないことが判明します。そして2006年の環境省通知により安定型処分場での埋め立ては認められなくなり、管理型最終処分場での処分が求められるようになりました。

管理型最終処分場は浸出水の回収処理や、好気性を保つための通気管などの設備が整っている施設です。硫化水素の発生も抑えられるように設計された施設ですが、それでも発生を完全に無くすことは困難です。ですから、処分場内の硫化水素濃度の日常的な管理が必要となってくるのです。

硫化水素の管理にSGCを使っているそらまめ環境グループ

最終処分場での硫化水素の濃度管理にセンサーガスクロマトグラフSGCを使用しているのが北海道岩見沢市のそらまめ環境グループです。
そらまめ環境グループは、廃棄物の中間処理と収集およびリサイクルを業務とする空知環境総合と、管理型最終処分場を運営するそらまめカンパニーの2社からなるグループです。
一般廃棄物と産業廃棄物のどちらの処分にも関わり、破砕や脱水などの中間処理から埋め立て最終処分や焼却処理、そしてリサイクルまで、廃棄物処理に関わる広範囲なプロセスを引き受けられるところが強みです。また、地域の人々に環境保全について楽しみながら理解してもらうためのさまざまなイベントの企画運営も行っておられます。

そらまめカンパニーが運営する管理型最終処分場には通気管が設置されてあり、埋め立て地へ自然に空気が取り込まれる準好気性の環境が整っているので、埋め立て地の中の有機物は分解されていく仕組みになっています。
そらまめカンパニーでは2013年頃から石膏ボードの受け入れを開始しました。しかし3haに及ぶ広大な処分場は、当初設置していた通気管から供給される空気だけでは十分に好気性に保つことが難しかったため、受け入れる石膏ボードの量が増えていくと石膏ボード周辺で硫化水素が発生する条件が整ってしまう状況が発生しました。
その対策として、石膏ボードを埋め立てた場所を特定し、硫化水素の濃度が高い場合は通気管を新たに追加するという措置が取られています。硫化水素の濃度は、敷地境界閾値である0.02ppmを越えないよう定期的に測定管理を実施する必要があります。そのガス濃度の測定にセンサーガスクロマトグラフSGCが活用されているのです。

持ち運べるSGCは広大な処分場内の濃度管理に最適だった

SGCが最終処分場の管理に適していた理由は、まず現地へ持ち運んで測定できること、そして人が付いていなくても連続で測定ができることでした。
硫化水素の通常の管理方法は、ガス検知管を使った簡易測定か、処分場内の空気をサンプリングして試験機関に送り、ガスクロマトグラフィーで分析してもらわなければなりませんでした。検知管の測定値はリアルタイムの濃度で個人差や環境などの誤差が生じやすく目安としての利用になります。また、広大な処分場から採取する複数の検体をガスクロマトグラフィー分析することには費用も時間もかかりました。
SGCはB4サイズの小さなガスクロマトグラフです。温湿度の管理は必要ですが、電源さえあれば測定したい場所へ設置してその場で濃度測定が可能です。そのうえおよそ5分間隔で、測定箇所にずっと人が付いていなくても一定期間の連続測定データを取得することができます(※測定間隔は機種や測定条件により異なります)。ある地点にSGCを放置して濃度測定をした後、今度は場所を移動してさらに別の地点で測定するといったことが可能なのです。このような特長によって、作業者の拘束時間を減らして、検知管よりも正確なデータを低コストで取得することができたのです。

SGCを導入したことで硫化水素の発生を効率的に抑制

SGCを導入したことによって、そらまめカンパニーでは処分場内の各地点における硫化水素の放出濃度の状況をかなり正確に把握できるようになりました。その結果、通気の対策を取るべき場所が特定できるようになり、硫化水素の発生を抑え込めるようになったのです。
現在、そらまめカンパニーでは石膏ボードの埋め立て処分は受け入れず、石膏材料としてマテリアルリサイクルするほか、土壌改質剤や肥料といった農業用資材などとして再生利用を進めています。
そしてこれまでに埋め立てた石膏ボードについては、SGCを活用して最終処分場内を定期的に測定管理することで、硫化水素の発生源を特定して適切な抑制措置を取っているのです。

持ち運び可能なガス分析装置センサーガスクロマトグラフSGC

センサーガスクロマトグラフSGCはB4サイズの分析器とノートパソコンで構成される、シンプルで持ち運びも可能なガス分析装置です。 SGCには次のような特長があります。

  • キャリヤーガスに自然大気を使用するのでさまざまな場所で測定が可能
  • ppb(サブppm)レベルの低濃度なガスを測定
    ※測定対象ガスは機種により異なります。
  • およそ5分間隔での連続測定が可能
    ※測定間隔は機種や測定条件により異なります。

SGCについて詳しくは製品ページをご覧ください。
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