R290

冷媒 - 特長とセンサーの紹介

R290の特長

冷媒番号(ASHRAE番号)
R290
区分
A3=強燃性、無毒
組成(化学式)
C3H8(プロパン) / 自然冷媒
燃焼下限界濃度(LFL)
0.038 kg/m3
オゾン破壊係数
0
地球温暖化係数
(GWP)
<3

R290冷媒の化学的特性

R290冷媒は、化学名プロパン(C3H8)として知られる炭化水素系冷媒です。無色無臭の気体で、自然由来の物質であることが特徴です。
冷媒としての性質は、低沸点(-42.1℃)と高い潜熱を持つことが挙げられます。これにより、少量の冷媒で効率的な熱交換が可能となり、コンパクトな冷凍システムの設計に貢献します。
一方で、R290は高い可燃性を有しており、安全性の観点から取り扱いに注意が必要です。国際規格ISO 817:2014の安全性分類では、最も可燃性の高いA3クラスに分類されています。 このため、R290冷媒を使用する機器には、漏洩検知システムや防爆設計など、安全対策が不可欠です。特に、設置場所や使用環境に応じた適切なリスク管理が求められます。

環境負荷とGWP値

R290冷媒は、環境への影響が極めて小さいことで注目されています。地球温暖化係数(GWP)が3と非常に低く、オゾン層破壊係数(ODP)も0です。

従来の冷媒と比較すると、R410AのGWPが2088、R32が675であることから、R290の環境性能の高さが際立ちます。この低GWP値は、気候変動対策や環境規制への対応において大きな利点となります。

また、R290は自然冷媒であるため、大気中で分解されても有害な物質を生成しません。これにより、製品のライフサイクル全体を通じた環境負荷の低減に貢献します。

エネルギー効率と省エネ性能

R290冷媒は、高いエネルギー効率と優れた省エネ性能を持つことが特徴です。
具体的には、R290を使用した冷凍システムでは、従来のシステムと比べて15~35%の省エネ率が達成できるとされています。この高い効率は、運転コストの削減と環境負荷の低減につながります。

R290の可燃性

R290(プロパン)は環境にやさしい一方で、高い可燃性を持つ冷媒として知られています。引火点が-104℃と非常に低く、空気中で容易に可燃混合気を形成する特性があります。
このため、R290冷媒を使用する機器の設計や取り扱いには、特別な注意が必要です。漏洩時の爆発リスクを最小限に抑えるため、専用のガスセンサー設置が求められます。

使用上の注意点

R290冷媒を安全に使用するためには、以下の点に特に注意を払う必要があります。

R290冷媒使用上の注意点
漏洩検知高感度のガス検知器を設置し、微量の漏れも即座に検知できるようにする。
換気対策使用場所の換気を十分に行い、可燃性ガスが滞留しないようにする。
火気管理R290冷媒を使用する区域では、火気の使用を厳禁とし、静電気にも注意を払う。
充填量制限機器の設置場所や使用環境に応じて、適切な充填量を厳守する。

これらの注意点を遵守することで、R290冷媒の安全な使用が可能となります。また、定期的な点検やメンテナンスを行い、システムの健全性を維持することも重要です。

まとめ

R290冷媒は、環境性能と冷凍効率に優れた次世代冷媒として注目されています。GWPが3と極めて低く、オゾン層破壊係数もゼロであるため、環境負荷を大幅に低減できます。また、15~35%の高い省エネ率を実現し、エネルギー効率の向上にも貢献します。しかし、A3クラスに分類される程の高可燃性が最大の課題です。安全な使用には、適切なガス検知センサーの導入と厳格な管理が不可欠です。

R290漏洩検知用センサーの紹介

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特長

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