R454C

冷媒 - 特長とセンサーの紹介

R454Cの特長

冷媒番号(ASHRAE番号)
R454C
区分
A2L=微燃性、低毒性
組成(化学式)
R32 (CH2F2) : R1234yf (C3H2F4) = 21.5 : 78.5 / 混合冷媒
燃焼下限界濃度(LFL)
0.293 kg/m3
オゾン破壊係数
0
地球温暖化係数
(GWP)
148

R454C冷媒とは

R454Cは、HFC(ハイドロフルオロカーボン)に分類されるR32と、HFO(ハイドロフルオロオレフィン)に分類されるR1234yfから作られた混合冷媒で、R404AやR22の温室効果を抑える代替冷媒として開発されました。GWP(地球温暖化係数)を比較すると、R404AのGWPは3,920、R22のGWPは1,810であるのに対し、R454CのGWPは148とかなり低い値に抑えられています。

R454CとR404Aとの違い

R404Aの温室効果を抑える目的で開発されたR454Cですが、R404Aと比較すると、その他にも以下のような違いが見られます。

 R454CR404A
GWP(地球温暖化係数)1483,922
エネルギー効率高い低い
燃焼性微燃性不燃性

GWP(地球温暖化係数)

先に紹介したとおり、R454CとR404Aの大きな違いはGWP(地球温暖化係数)です。GWPは温室効果ガスが地球温暖化に与える影響を示した数値で、二酸化炭素を1としたときの値で算出されます。R454CのGWPは、R404Aのおよそ1/26にまで抑えられています。しかし、そのR454CのGWPも148と二酸化炭素の148倍も温室効果が有るため、さらなる低GWPの冷媒が求められています。

エネルギー効率

エネルギー効率を示す指標にCOP(性能係数)があります。COPは高いほどエネルギー効率が良くなります。R404AのCOPは一般的な他の冷媒よりも低いとされています。それに対してR454CはR404Aよりも高いCOPを示します。これは、R454Cがより低い圧力で動作するため、コンプレッサーの負荷が軽減されることによります。

燃焼性

燃焼性においてもR454CとR404Aには違いがあります。R404AはA1に区分される不燃性冷媒です。それに対してR454Cには微燃性があり、A2Lに区分されています。そのため、R454Cの使用においては漏洩の防止と検知の対策が必要です。

R404Aとの互換性

R454Cは、多くの既存のR404AおよびR22システムに対して比較的容易に適応できる冷媒です。一部のシステム改修や調整は必要ですが、大規模な変更を伴わない場合が多いです。

日本におけるR454C冷媒の取り扱いに関する法律・規制

高圧ガス保安法
高圧ガス保安法とは、高圧ガスの貯蔵や移動などを規制する法律です。R454Cはこの法律の対象となっています。保管時は法律で指定された密閉容器に封入しなければなりません。また、輸送や廃棄についてもルールがあるため、それらを遵守することが重要です。
フロン排出抑制法
フロン排出抑制法は、正式には「フロン類の使用合理化及び管理の適正化に関する法律」といいます。地球環境に大きく影響を与えるフロンの取り扱い方について規制した法律で、R454Cもこの法律が適用されます。廃棄する際には空気中にそのまま放出せず、法律に従ってきちんと回収・廃棄することが大切です。

R454Cの今後の展開

R454Cは、環境への影響を低減し、エネルギー効率を向上させるための有力な選択肢として、今後ますます普及していくことが見込まれています。規制の強化や市場の需要、技術の進展により、R454Cを含む低GWP冷媒の利用が拡大することが期待されます。ただし、システムの設計や安全対策を適切に行うことが重要です。

R454C漏洩検知用センサーの紹介

NISSHAエフアイエスでは、R454Cなどの冷媒の漏洩検知用センサーを製造しています。空調機器、冷蔵、冷凍設備への組み込み用として多くの採用実績が有ります。

特長

高速応答
冷媒の漏洩を10秒以内に検知
組み込みが簡単
小型・軽量なモジュールは出力信号の取り出しも簡単で装置への組み込みが容易
高信頼性
長寿命で耐環境特性に優れた各種モジュールをラインナップ