R474B

冷媒 - 特長とセンサーの紹介

R474Bの特長

冷媒番号(ASHRAE番号)
R474B
区分
A2L=微燃性、低毒性
組成(化学式)
R1132E (C2H2F2) : R1234yf (C3H2F4) = 31.5 : 68.5 / 混合冷媒
オゾン破壊係数
0
地球温暖化係数
(GWP)
0

R474B冷媒とは?

R474Bは、HFO(ハイドロフルオロオレフィン)に分類されるR1132EとR1234yfから作られた混合冷媒です。HFC(ハイドロフルオロカーボン)系冷媒とは異なり、地球温暖化への影響を示す指標であるGWP(地球温暖化係数)が「0」であるのが大きな特長で、この数値から、環境にとって非常に優しい冷媒であることがわかります。
R474Bを構成するR1132EとR1234yfはいずれも単独でも地球温暖化係数(GWP)が低く、環境への負荷が少ないことが特長です。R474Bはこの2成分を用いることで、GWP0の特性を実現しています。また、R474Bは特定不活性ガスの条件を満たしており、安全性の高い冷媒だと考えられます。
さらに、FC2類、FC3類、FC4類の各種容器に対応可能な仕様であるため、現場での取り扱いや運搬にも柔軟に対応できる冷媒です。

R474B冷媒のメリットとは

地球環境への配慮と高い実用性を兼ね備えた次世代冷媒であるR474Bは、環境性能の高さに加え、既存設備との互換性や法規制の面など、多くの利点を持ちます。これにより、単に環境に優しいだけでなく、導入や運用においても高い利便性とコストパフォーマンスを実現できる点が注目されているのです。

以下では、R474B冷媒が持つ具体的なメリットについて、詳しく解説していきます。

環境負荷が低い

R474B冷媒は、オゾン破壊係数(ODP)「0」に加え、地球温暖化への影響を示す地球温暖化係数(GWP)も「0」という、非常に優れた環境性能を持つ次世代冷媒です。これにより、環境に与える悪影響を最小限に抑えることが可能となり、温暖化対策の観点からも極めて有望な選択肢と考えられます。

既存設備との互換性が高い

R474Bは既存の冷却設備との高い互換性を有しています。加えて、リプレース(既設配管の利用)が容易であるため、据付工事の際の時間短縮や費用の削減といったメリットも期待できます。さらに、HFC冷媒(R410A対応機器やR32対応機器など)と比較して、より低い動作圧力で稼働する設計となっているため、冷却システム全体にかかる負荷を軽減することが可能です。

法対応の手間やコストが低い

R474Bは、「グリーン冷媒」として分類されており、フロン排出抑制法の規制対象外となる冷媒です。そのため、冷媒の漏えい量報告や、点検整備記録簿の作成・保管といった法的手続きが不要となります。

R474B冷媒の採用が検討されている分野

R474B冷媒は、優れた環境性能と設備互換性から、食品流通業界を中心に導入が検討されています。特に環境規制が厳しくなる中で、設備の見直しが求められるコンビニ店舗などでは、実用的な選択肢だと考えられるでしょう。

R474B冷媒の取り扱いに関する世界の法律・規制

モントリオール議定書
モントリオール議定書は、地球環境保護の取り組みの一環として、オゾン層を破壊する物質の使用を段階的に削減・廃止していくことを目的とした国際条約です。R474Bは地球温暖化係数(GWP)が「0」であり、モントリオール議定書のキガリ改正での規制対象外となっています。
EU Fガス規則
EUでは、フッ素化ガス(Fガス)に対する規制を強化しており、その中心にあるのが「Fガス規制」です。R474Bは、GWPが「0」であることから、EUのFガス規制における多くの制限や段階的削減の対象外となる可能性があります。ただし、R474Bが明示的にリストされているかどうか、およびその使用に関する具体的な規定については、各国の規制当局や関連機関の最新情報を確認することが重要です。
EPA SNAP
米国環境保護庁(EPA)は、「SNAPプログラム」を通じて、オゾン層破壊物質に代わる物質を用途ごとに評価し、「許容可能代替物質」としてリストアップしています。 この評価は、人体の健康や地球環境への影響など、多角的に分析した上で行われており、その評価項目には、物質の毒性、可燃性、大気環境への影響、作業者・消費者の健康リスク、さらには生態系への悪影響の有無などが含まれています。
R474BはGWPが「0」とされていますが、EPA SNAPにおいて、具体的な承認状況は現時点では明確ではありません。

まとめ

474B冷媒は、地球温暖化係数(GWP)が「0」という、環境にとって非常に優しい次世代冷媒です。安全性が高く、既存設備との互換性も優れているのが特長です。また、エネルギー効率も高く、冷媒漏れの法規制対応が不要で、管理コストの削減や工事費用の抑制にもつながるなど、多数の利点を兼ね備えています。現在は食品流通業界を中心に実運用に向けた動きも見られます。
環境への負荷を大幅に低減しつつ、実用性と安全性も兼ね備えたR474B冷媒は、持続可能な社会の実現に向けた冷媒として、今後さらなる活躍が期待できるでしょう。

R474B漏洩検知用センサーの紹介

NISSHAエフアイエスでは、R474Bなどの冷媒の漏洩検知用センサーを製造しています。空調機器、冷蔵、冷凍設備への組み込み用として多くの採用実績が有ります。

特長

高速応答
冷媒の漏洩を10秒以内に検知
組み込みが簡単
小型・軽量なモジュールは出力信号の取り出しも簡単で装置への組み込みが容易
高信頼性
長寿命で耐環境特性に優れた各種モジュールをラインナップ