R744

冷媒 - 特長とセンサーの紹介

R744の特長

冷媒番号(ASHRAE番号)
R744
区分
A1=不燃性、低毒性
組成(化学式)
CO2 / 自然冷媒
オゾン破壊係数
0
地球温暖化係数
(GWP)
1

R744冷媒とは?

R744とは二酸化炭素(CO2)を冷媒として用いる場合の呼称で、主にHFC(ハイドロフルオロカーボン)を中心とするフロン系冷媒に代わる選択肢として活用が進みつつあります。R744のオゾン層破壊係数(ODP)は0で、また地球温暖化係数(GWP)はCO2との相対値で算出されることから1となります。このように環境負荷が低いことが特長です。
CO2は19世紀には主要な冷媒として使用されていましたが、フロン系冷媒が普及したことによりほとんど使われなくなりました。しかし1980年代以降、フロン系冷媒のオゾン層破壊や地球温暖化効果の対策が求められるようになったことで、環境特性に優れたCO2は再び脚光を浴びることとなり、国際的な冷媒番号(ASHRAE番号)体系の中でR744と位置付けられました。そして現在、給湯器や冷凍・冷蔵設備用の冷媒として活用されています。

 R744R134aR404a
オゾン破壊係数
(ODP)
000
地球温暖化係数
(GWP)
114303920

R744のメリット

環境負荷が低い

フロン系冷媒であるHFCの地球温暖化係数(GWP)はR134aが1430、R410aは2090、比較的GWPの低いR32でも675です。このようにHFCは総じてGWPが高いことが課題です。これに対してR744のGWPは1で、またオゾン層破壊係数(ODP)も0です。この環境負荷の低さが、HFC冷媒に代わる選択肢としての評価を高めています。

不燃、低毒性

自然界にもともと存在する自然冷媒にはR744のほかにR290(プロパン)やR717(アンモニア)などがあります。しかし、これらは可燃性や毒性の面で、取扱に注意を要することが課題です。
一方でR744はA1冷媒に区分されており、不燃性かつ毒性が低いことがメリットです。

高温側で高効率

HFCなどの一般的な冷媒は気体から液体へ変化する際に周囲環境に放熱します。しかし、R744は臨界温度(これ以上の温度では液化できない温度)が低いため、気体→液体というプロセスを利用することが困難です。R744の臨界温度は31℃です。つまり夏場には外気温が臨界温度を越えることもあるため、凝縮による液化が成立しにくくなります。そこでR744ではトランスクリティカル運転という方法を使って放熱をします。
トランスクリティカル運転は超臨界状態(気体でも液体でもない状態)で放熱を行なう運転方法です。気体→液体の凝縮プロセスを利用するHFC冷媒では40~60℃が高効率運転の現実的な範囲であり、それ以上の温度では効率が低下します。一方でR744はトランスクリティカル運転により90℃付近の温水を供給することが可能になります。この特長から、R744は給湯器のような高温を必要とする設備用の冷媒として適しているのです。

入手しやすく、低コスト

R744はCO2であり、大気から回収して利用することができます。そのため、フロン系の冷媒よりも製造にかかるコストを低く抑えられます。

R744のデメリット

高圧での運転が必要

R744は8~12Mpaという非常に高い圧力で運転する必要があります。そのために配管などにも耐圧仕様のものを用意しなければなりません。そのため設備の初期導入コストが高くなる傾向があります。

空調(冷房)用途では効率が良くない

先に説明したとおり、R744の臨界温度は31℃であるため、真夏の外気温の下などでは熱を捨てにくくなり、冷房の効率が下がります。そのため、空調用途にはあまり適していません。

漏洩の検知

R744が高濃度に充満すると酸欠状態になる危険性があります。
漏洩はセンサーにより検知する必要があります。

R744の用途

R744はヒートポンプ給湯器用の冷媒として普及しています。また、商業用の冷蔵、冷凍設備用にも使われています。一方で冷房設備には不向きです。

今後の展望

R744はフロン削減と地球温暖化抑制を支える主要な選択肢として、今後も開発が進められる冷媒です。特に高圧特性に起因する耐圧設計の改良は重要な課題です。今後は給湯、冷蔵のほかにも、空調設備のように「冷却と加熱」の両方を必要とする用途への展開も期待されています。

R744漏洩検知用センサーの紹介

NISSHAエフアイエスでは、R744などの冷媒の漏洩検知用センサーを製造しています。空調機器、冷蔵、冷凍設備への組み込み用として多くの採用実績が有ります。

特長

高速応答
冷媒の漏洩を10秒以内に検知
組み込みが簡単
小型・軽量なモジュールは出力信号の取り出しも簡単で装置への組み込みが容易
高信頼性
長寿命で耐環境特性に優れた各種モジュールをラインナップ