人とものが触れ合う接点を通じて、時代を超えた心地よさを提案するブランド「Nissha SurfaceWorks(以下、SurfaceWorks)」のリリースから2年。NISSHAは現在、世界各地に21拠点*を展開し、グローバルなネットワークを活かしながら、多様な仲間たちとこれからの世の中に求められる心地よいインターフェースとは何かを探求しています。
海外を活動拠点とするCMFデザイナーたちは、ブランドが提供している価値をどのように実感しているのでしょうか。本日は、2025年6月に実施したインタビューの様子をお届けします。
*2025年9月現在

〈座談会メンバー〉(左から順に)
Coco:2022年入社 | 中国出身、日写(深圳)商貿有限公司 上海分公司 所属
Jil:2023年入社 | ドイツ出身、Nissha Europe GmbH 所属
Debra:2008年入社 | アメリカ出身、Nissha USA, Inc. 所属
ー 各拠点のみなさんにとって「SurfaceWorks」はどのようなブランドですか。
Jil:ブランド名「SurfaceWorks」は、自社の技術的な側面だけでなく、私たちのクリエイティビティをよく表しています。このブランドは、クライアントにNISSHAを認識していただくためにとても重要です。製品のサーフェスを専門的に扱うクリエイティブチームとして、私たちのことを世界にもっと知っていただきたいです。

Coco:プレゼンテーションの際はWEBサイトを活用しますが、「SurfaceWorks」がスタイリッシュで心地よい、落ち着きのある価値を提供するブランドであることがクライアントにも伝わっていると実感しています。クライアントとのコミュニケーションは彼らのアイデアが具体化する前から始まるので、当社の多様なソリューションを彼らに提案することで、新たなインスピレーションをご提供できるのではないかと考えます。

Debra: アメリカでは、当社は単にIMD*のサプライヤーとして認識されていたように思います。意匠表現だけでなく、機能性や新たな体験価値、心地よさを提案できることが当社の強みだと、クライアントに改めて伝えていく必要がありました。潜在的なお客さまは、IMDだけではなく、総合的なソリューションを提示してくれるブランドを探しています。
*IMD:In-mold Decoration(成形同時加飾技術)、は、射出成形時にフィルム(転写箔)に印刷された意匠のみを3D形状のプラスチック表面に転写する技術のこと。

ー 北米、欧州、アジアのお客さまからはどのように評価されていますか。
Jil:しばらく取引がなかったフランスの大手自動車メーカーに、新たなサンプルとして「TECH 10」を紹介するために訪問したことがありました。このとき、先方は当社のCMFデザインにとても驚き、「NISSHAからこのような表現豊かな提案をしてもらえたのは期待以上で、今日の打合せに参加して良かった」と率直なフィードバックをくれました。現在、彼らといくつかのプロジェクトが進行中です。この一冊をつくるために、私たちが費やしたリサーチからプロトタイピングまでの成果が説得力につながったと感じられる印象的な経験でした。

Coco:上海でも、サンプルブックに驚いてくださるクライアントは多く、彼らのニーズにマッチしたCMFデザインや品質を高く評価してくれています。一方で、中国市場では品質より価格が優先されるケースがあり、競合他社は低価格での提供を得意とします。私たちデザイナーは、価格で競争するのではなく、世の中が求める心地よさを提供することがより良いものづくりにつながると、クライアントに理解を促していく必要があります。

Debra:クライアントを招待して「NISSHA TREND VISION」や最新のサンプルブックを紹介するカジュアルなミーティングを定期的に開催しています。これらは彼らが求めている多角的なニーズにフィットするようで、質感の良い加飾フィルムを使用した意匠や、「mutech(ミューテック)」の光透過表現など、多様なサーフェスの表現方法について、集まってくださるみなさんとコーヒーを片手に楽しくディスカッションしています。
ー これから「SurfaceWorks」を通してどのようなものづくりをしていきたいですか。
Coco:「SurfaceWorks」は、国境を超えた価値をもたらすブランドだと実感しています。しかし、それぞれの拠点によってライフスタイルや関心、エンドユーザーからの共感を得るためのプロセスは異なります。加えて、これからの未来を生きる若者が潜在的に感じているニーズはもっとダイナミックに変化しているようにも思います。自社製品の強みや拠点ごとの差異を理解し、情報を共有しあいながら、世の中の新しいニーズやコラボレーションの機会を創造していきたいです。

Jil:クライアントからの難易度の高い要求に応えるため、仲間とともにテクノロジーの可能性を最大限に追求し、革新的なアイデアを創造したいです。担当している自動車分野では、近年、スマートでサステナブルな素材選びが求められており、当社の技術を活用した機能的かつ環境に配慮したソリューションに期待が寄せられています。これからも、独創的で意外性のあるデザインを提案していきたいです。
Debra:製品を取り巻く市場はグローバルに変化しており、私たちデザイナーやメーカーが今後どのように進化していくかはとても重要です。「SurfaceWorks」が提供する感性的・機能的な美しさ、開発中のまだ見ぬテクノロジーを通して、新たな体験価値を生み出していきたいですね。そうしたチャレンジの積み重ねが、私たちとクライアントのイノベーティブな共創の扉を開いていくのではないかと思います。

国籍や文化的背景の異なるデザイナーたちとともに「SurfaceWorks」が提供できる価値とは何かを考えたインタビュー。それぞれの拠点で活躍する彼女たちと、グローバルな視点や経験を活かし合い、また、課題を共有しながら、これからの世の中においても世界各地で共感が得られるものづくりを探究していきます。
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