- 目的に合わせた投与方法
- 経口投与型と粘膜吸収型
- およそ100µmの薄膜状
- 携帯性の良い剤形
- 高齢者、小児など
- 嚥下困難者向けに
- 普通錠、カプセルなど既存の剤形を服用しやすく
- 新しい剤形の選択肢
口腔内崩壊フィルム剤
(OTF)とは
口腔内崩壊フィルム剤(OTF:Oral Thin Film)は厚さ約100µmのフィルム状の薬剤です。
投与経路としては経口投与型と粘膜吸収型の2種類があり、目的に合わせて使い分けることができます。
経口投与型:OD錠のように口腔内で崩壊する服用方法
粘膜吸収型:舌下、頬粘膜を通して粘膜吸収する服用方法
口腔内崩壊フィルム剤
(OTF)の特長
口腔内投与後、10~20秒ですばやく溶解するので、口に入れるだけで水無しで服用できます。
薄いフィルム状で携帯しやすく、常温保存が可能です。
- 高齢者向け医薬品
- 小児向け医薬品
- 外出時の携帯医薬品
- 災害現場向けの医薬品
柔軟で割れにくく、厚さ約100μmシート状なので、用途に合わせて形状やサイズをカスタマイズすることができます。
また、レーザーマーキングによる印字も可能なので、錠剤と比較しても広いスペースが確保でき、印字の幅が広がります。
口腔内崩壊フィルム剤(OTF)と
OD錠の違い
口腔内崩壊フィルム剤(OTF)と同じように服用しやすい剤形には
口腔内崩壊錠(OD錠:Orally Disintegrating Tablet)が有ります。
OTFは服用性、携帯性などの面で、OD錠とは異なる特徴を持っています。
口腔内崩壊時間
- OD錠
- 10~30秒
- OTF
- 10~20秒
形状
- OD錠
- 普通錠より大きめになりやすい
- OTF
- 厚さがおよそ0.1mmの薄いシート状
強度柔軟性
- OD錠
- 普通錠に比べて強度がやや劣る
- OTF
- 柔軟性に富み適度な強度があるので、割れにくく欠けにくい
服用性
- OD錠
- 1錠あたりの質量が100~200mg
賦形剤が多いため、粉っぽさと残渣が生じ、
寝たままの服用に適さない - OTF
- 体勢に関わらず服用が可能
- OD錠
- 外圧等による欠けや割れなどを防ぐ必要ある
- OTF
- かさばらず、どこにでも持ち運べる
包材面積が広いため、用法・用量などの記載が可能
参考文献:「技術情報協会, ジェネリック医薬品、バイオ後続品の開発と販売・マーケティング戦略」
OTFは徹底した品質管理のもとNISSHAゾンネボード製薬(NISSHAグループ会社)で製造しています。
同社は、医薬品をはじめとする各種業許可とGMP省令を遵守した製造工場を保有しています。