カラーマネジメント技術
印刷の品質を大きく左右するカラーマネジメント技術
印刷の「色」は製品に仕上がる工程の中で、実物や画像データ、校正刷など視覚対象が異なるため、色の見え方は同じではありません。
入力からモニター表示、プルーフ、印刷まで一貫した色基準を持つことで、正しい「色」を管理することができます。それぞれのディバイス間での色の違いを翻訳するプロファイルを活用することで、ディバイスごとの色の違いを補正し、デジタルプルーフや本紙校正刷、本番の印刷の色の差異を最小化します。
また、カラーマネジメントは日々のディバイスのキャリブレーション(調整)を必要とし、そのような地道な作業も「色」へのこだわりを支えています。
プリンティングディレクターの役割
カラーマネジメントは、一貫した色基準を客観的な数値に置き換え、正しい「色」を管理する手法ですが、一方で、お客さまのイメージする漠然とした色の印象やターゲットになる実物や色見本の色については、まず数値に置き換える必要があります。
その役割を担うのが、「色」のスペシャリストであるプリンティングディレクターです。
プリンティングディレクターは、色や印刷に関する豊富な知識を駆使し、お客さまとコミュニケーションを図りながら言葉で表現される抽象的な色へのリクエストを汲み取り、製版オペレーターが作業するための数値に落とし込みます。長年の経験と卓越した感性を頼りに、色の翻訳家として、お客さまの高い要望に応えます。
プロの目で見た細かな調整で目指す色を再現
色の調整は、印刷品質の要求度が高い場合、ある部分の色味や濃度を1~2%増減させるといった極小の範囲で行われることもあります。そうした要求に応えるべく、繊細な画像レタッチ技術やそれを再現させる印刷オペレーターの技術がカラーマネジメントを支えています。
また、印刷用紙の色目の差異や表面加工に使用されるビニルの僅かな色味を考慮したプロファイルを用意するなど、目指す色を再現するためにとことんこだわります。
オフセット印刷と同じ色調をデジタル印刷で再現
オフセット印刷とデジタル印刷は印刷方式やインク特性の違いから、本来は色を合わせるのが非常に難しい作業になりますが、当社のカラーマネジメント技術により、オフセット印刷の色調をデジタル印刷で遜色なく再現することができます。
これにより、例えば、初版はオフセット印刷で発行した出版物を、再版では小ロットのためデジタル印刷で発行するといった活用が可能になります。