塗装代替技術としてのフィルムインサート成形
自動車外装部品の受託製造
塗装代替技術が求められる理由
一般的に、自動車外装部品は塗装工法によって加飾されます。
しかし、塗装にはつぎのような課題があり、これらの課題を解決する代替工法が求められています。
・環境負荷と消費電力の問題
塗装工法では塗装と乾燥の工程が繰り返されます。また、塗装加工には比較的広いブースが必要です。そのため、塗装後の廃液処理や排気の問題、乾燥により放出する熱量や消費電力量が大きいといった環境負荷への影響が懸念されています。
・デザインのバリエーションが少ない
塗装は車体全体を単色で色付けするのが一般的です。幾何学模様や文字などを入れる特殊なデザインを付与する場合には、後加工が必要になります。
・電子部品の組み込みがしたい
ADASなどの普及により、外装パネルにさまざまなセンサーを組み込む開発が始まっています。その開発の中で、塗装はセンサーの性能に影響与える一因子となっています。メタリック塗料の使用や、塗装膜厚のバラツキは、電波透過性のようなセンサー性能を左右すると言われています。
フィルムインサート成形の可能性
NISSHAは、塗装工法の課題を解決する代替技術として、フィルムインサート成形による自動車外装パネルの加工技術を開発しています。
フィルムインサート成形による加飾工法には、つぎのような特長があります。
特長1
工程短縮と乾燥工程の削減による環境負荷の低減
特長2
デザイン性の向上
特長3
外装パネルに機能部品を組み込んだワンストップ加工が可能
乾燥工程不要
デザイン性
機能性
フィルムインサート成形の特長 1工程短縮と乾燥工程の削減による
環境負荷の低減
塗装の工程
フィルムインサート成形の工程
フィルムインサート成形は、プラスチックパーツを射出成形する際の熱圧を利用して、加飾フィルムと成形品を一体化する加工方法です。
射出成形の段階で加飾まで完結するので、塗装用ブースのような大きなスペースを必要とせず、廃液処理の心配もありません。また、乾燥や塗り重ねの工程も削減できるため、環境負荷の大幅な削減が期待できます。
NISSHAはフィルム印刷からインサート成形まで
一貫した製造プロセスを保有しています
印刷
NISSHAは、加飾フィルムの印刷から対応が可能です。
多色刷りグラビア印刷機を使用し、単色だけでなく、様々なインクを刷り重ね、多用なパターンを表現します。
フィルム プレフォーム
印刷されたフィルムは、圧空成形によりプレフォームします。
バンパーガードやセンターオーナメントのような深い形状にも対応できるよう、加飾フィルムには延伸性に優れたオレフィン系もしくはアクリル系のフィルムを使用します。
トリミング
プレフォーム後のフィルムは成形品のサイズに合わせて、余計な部分をトムソンもしくはレーザー加工機を使ってトリミングします。
インサート成形
トリミングしたフィルムを金型に挿入し、インサート成形を行います。
このとき、外装部品向けによく使用されるオレフィン系樹脂とフィルムが射出による熱圧によって一体化します。
NISSHAは国内でのフィルム印刷から、海外でのインサート成形まで一貫した量産プロセスを保有しています。それによって、グローバルにインサート成形品としての供給が可能です。
お客さまの要望に応じて、ご指定の成形工場へのフィルム単体での供給にも対応いたします。
フィルムインサート成形の特長 2多様なデザインに対応
フィルムインサート成形は、塗装では表現できない様々なデザインを実現します。
単色表現にとどまらず、メタリックやカーボン調、幾何学的なデザイン、さらには、成形品の裏面側にLED光源を組み込んだ光透過型の意匠表現を実現することも可能です。
NISSHAは社内にCMFデザインチームを抱え、お客さまの要望を聞きながら、クオリティの高いデザインを提案します。
まずは、お客さまの「やりたい」ことをお聞かせください。
カーボン柄
金属調(Hairline)
金属調(VM)
抽象柄(Natural)
光透過(デッドフロント)
幾何学柄
フィルムインサート成形の特長 3加飾だけではない
機能部品の組み込みにも対応
NISSHAは加飾パーツの製造にとどまらず、プラスチック成形品に電子部品を組み込む技術も開発しています。
電子部品を貼合するだけでなく、ヒーターやLEDなどの電子部品インサート成形にも挑戦しています。
ADAS用センサーの電波透過。融雪。個人認証や新しいエントリー機能の開発などに貢献する技術です。
大型パーツにも対応する
フィルムインサート成形
バンパーガード、ドアトリム、ピラーなど
外装の大型成型品へのフィルムインサート成形にも対応します。
まずは、お客さまのご要望をお聞かせください。
塗装代替の技術をお探しのお客さまは
ぜひ、NISSHAのフィルムインサート成形を
ご検討ください
NISSHAは、フィルムインサート成形による自動車部品の受託製造に対応します。
フィルムインサート成形は、「環境負荷を削減できる」「デザイン性に優れた」「機能部品の組み込みまで対応が可能」な、ワンストップ加工技術です。
塗装に替わる新しい加飾技術を検討されているお客さまは、フィルムインサート成形を是非ご検討ください。
フィルムインサート成形に関するお問い合わせはこちらから