EUのプラスチック規制 | PPWR、ESPRなど最新状況を解説

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欧州のプラスチック規制はどうなっている? 最新状況を解説!

近年、海洋プラスチック問題や地球温暖化などの深刻化を受け、その一因であるプラスチックごみを減らすべく、国際的に脱プラスチックの取り組みが進められています。とりわけ、環境先進国である欧州では、多岐にわたるプラスチック規制が実施されており、欧州と取引のある事業者も規制の対象となる場合があるため、注意が必要です。

そこで今回の記事では、欧州の中でもEU(欧州連合)を中心に、プラスチック規制の全体像や最新の動向といった、欧州へ輸出などを行う際に把握しておくべきポイントを解説します。記事の後半では、欧州のプラスチック規制に対応できる梱包材と、その特徴についてご紹介します。

欧州のプラスチック規制の概要

欧州のプラスチック規制は、「ライフサイクル全体において持続可能な利用を推進する」という政策の実現を主な目的として、整備されています。ここでは、その全体像と主な指令や取り組みについて、確認しておきましょう。

欧州におけるプラスチック規制の全体像

まずは、欧州のプラスチック規制について、主にEUの取り組みの全体像を解説します。なお、現在のEU加盟国は、下記の通りです。

※EU加盟国 (2026年6月5日現在)
アイルランド・イタリア・エストニア・オーストリア・オランダ・キプロス・ギリシャ・クロアチア・スウェーデン・スペイン・スロバキア・スロベニア・チェコ・デンマーク・ドイツ(加盟時西ドイツ)・ハンガリー・フィンランド・フランス・ブルガリア・ベルギー・ポーランド・ポルトガル・マルタ・ラトビア・リトアニア・ルーマニア・ルクセンブルク

EUでは、循環型経済(サーキュラーエコノミー)を実現させるため、世界に先駆けて環境規制を推進しています。EUの取り組みの特徴として、製品のライフサイクル全体を通じた持続可能な利用を促進するため、使い捨てプラスチックの禁止や再利用可能な製品の開発が挙げられます。

2018年1月 に欧州委員会で策定された欧州プラスチック戦略では、すべてのプラスチック容器をリユース・リサイクル可能にすることや、欧州で発生するプラスチックごみの50%以上をリサイクルすることを目標としています。

この戦略を実現すべく、2018年10月24日にEU議会において、EU市場全体で、使い捨てプラスチック製品の使用を2021年から禁止する規制案を可決しました。

海洋プラスチックごみ

EUにおける主な指令や取り組み

EUにおけるプラスチック規制に関連する指令や取り組みの代表例が、次の3つです。

  • PPWR(包装・包装廃棄物法令)
  • 特定のプラスチック製品の環境への影響の低減に関するEU指令
  • ESPR(エコデザイン規則)

どのような規制なのか、それぞれの規制の概要を詳しく説明します。

PPWR(包装・包装廃棄物法令)

PPWR(Packaging and Packaging Waste Regulation)とは、包装廃棄物削減をより強力に推し進めるために、欧州委員会が提案し、EUで採択された後、2025年2月に発効された規則で、2026年8月から段階的に適用されます 。これまで各国の法制度として運用されていた包装規制を、EU全体で統一する目的もあります。

PPWRが義務付ける主な方向性としては、包装廃棄物の削減、包装材のリサイクル、再利用の促進の3つです。例えば、包装廃棄物の削減については、EU加盟国に対して2018年を基準に以下の削減目標が義務付けられており、包装材のリサイクル、再利用の促進についてもそれぞれ目標を定めています。

  • 2030年まで:5%削減
  • 2035年まで:10%削減
  • 2040年まで:15%削減

PPWRは、包装材を「EU向けに輸出販売している」または「現地生産している」日本の事業者も規制対象となります。包装関係の製品をEU市場へ輸出販売する事業者は、各国のEPR(拡大生産者責任)制度に従い、回収・リサイクル費用の負担が求められます。また、回収・選別・再生は各国の廃棄物管理およびEPR制度を通じて実施され、事業者はその費用や責任の一部を負担することとなる可能性があります。

特定のプラスチック製品の環境への影響の低減に関するEU指令

海洋プラスチック問題の原因となる、環境負荷の大きなプラスチック製品について規制する指令です。本指令は、2019年5月に採択され、同年7月に施行されました。

カトラリーなどの使い捨てプラスチック製品や、発泡スチロール製の食品容器・酸化型分解性プラ製品・漁具が、規制対象に該当します。なお、酸化型分解性プラ製品は、紫外線などを浴びると短期間で分解されるプラスチックです。分解が十分にされず、マイクロプラスチックとなり環境中に残存してしまうという懸念があります。

規制内容の一例として、「飲料カップや食品容器といった使い捨てプラスチック製品は、無料で提供しない」などの対策を取る必要があります。また、キャップ付き飲料容器の再生プラスチック含有率指定や、キャップが本体から離れない構造にすることなども、定められています。拡大生産者責任への対応も必要です。

また、下記の使い捨てプラスチック製品10種類の販売が、2021年7月3日から禁止されました。

  • カトラリー(ナイフ・フォーク・スプーン・箸)
  • ストロー
  • マドラー
  • プラスチック製の綿棒軸
  • 風船棒
  • 発泡スチロール製の食品容器
  • 発泡スチロール製の飲料容器
  • 発泡スチロール製の飲料用コップ
  • 酸化型分解性プラ製品
使い捨てカトラリー

ESPR(エコデザイン規則)

ESPR(持続可能な製品のためのエコデザイン規則)は2024年7月に発効しました。この規則の特徴として、消費者向けの製品だけでなく、食品や医薬品といった一部の例外を除き、EU 内で市場に投入または使用されるほぼすべての製品を対象としている点が挙げられ、製品ごとにエコデザイン要件が段階的に適用されます。

エコデザインとは、一般的に、製品のライフサイクル全体において、資源・エネルギーの消費や環境負荷を最低限に抑えるような設計のことを指し、具体的な要件は製品ごとに定められますが、一般的には以下のような観点が重視されます。

  • リユースやリサイクルがしやすい
  • 使用する原材料が最小限である
  • 耐久性が高い
  • 修理しやすい
  • リサイクル原料を多く含んでいる

ESPRの対象範囲は中間材も含むほぼすべての物理的製品です。2025年に策定された計画では、優先的にエコデザイン要件の設定を検討する製品群として次のようなものを挙げました。

  • 中間材:鉄、アルミニウム、化学品など
  • 消費財:繊維(衣類)、家具、タイヤ、洗剤など
  • 電子機器:ICT製品、その他電子機器

食品や医薬品といった一部の例外を除き、今後、委任法により対象製品や要件が段階的に拡大・具体化されていくため、プラスチック製品についてもエコデザインを考慮する必要があります。

エコデザイン規則

プラスチック規制に対応できる梱包材

ここまで、EU(欧州連合)のプラスチック規制の全体像や最新の動向、欧州へ輸出などを行う際に把握しておくべきポイントを解説してきました。日本の輸出事業者は、これからもEUの動向を注視するとともに、プラスチック規制対応を迫られることになると予想されます。ここでは、日本の輸出事業者向けに、欧州のプラスチック規制にも対応できる梱包材、NISSHAの「パルプシリーズ」について紹介しますので、ぜひご活用ください。

NISSHAのパルプシリーズはプラスチック規制に対応できる梱包材

NISSHAのパルプシリーズは、紙(パルプ)を含むバイオベース成形品で、欧州のプラスチック規制にも対応できる梱包材です。国内市場向け製品はもちろんのこと、欧州を含め、海外向けにも最適なサステナブルな環境配慮型パッケージをバリエーション豊富にラインナップしています。

PaperFoam Pulp-Injection

海外ではPaperFoamやPulp-Injectionが人気

パルプシリーズのなかでも、海外から多くの問合せを受けるのがPaperFoam(ペーパーフォーム) Pulp-Injection(パルプインジェクション)です。
どちらも欧州地域において紙(パルプ)としてリサイクルができるので、パッケージのエコデザインという観点でも最適です。

発泡成形を用いるPaperFoamはプラスチックに比べ、軽量でありながら発泡体を活かしたクッション性や保持力に優れています。また、耐荷重も5㎏まであるため、軽量の製品から重量のあるものまで幅広く使用できるのが魅力です。着色やシボ加工にも対応しており、デザイン性が求められる梱包材にも適しています。

ブログ「軽くて柔らかい、PaperFoamだからできる設計〜「モバイルバッテリー用梱包材」編」

では、PaperFoamの工法や、設計の特長について詳しくご紹介しています

1mm前後の薄さでプラスチックに似た硬さをもつPulp-Injectionは、薄さと硬さを両立できる成形品です。射出成形により、プラスチックに近い寸法精度や自由な形状設計が可能で、繊細な取扱いが必要な製品の梱包材などに使われています。

PaperFoamとPulp-Injectionについての詳しい情報は製品ページで紹介しています。是非ご覧ください。 製品ページはこちら

まとめ

欧州のプラスチック規制は、欧州プラスチック戦略の枠組みの中で、複数の取り組みや指令が整備されています。このようなプラスチック規制は、欧州と取引のある輸出事業者が対象となるケースが多いため、整備状況を把握し適切に対応する必要があります。

NISSHAでは、プラスチック規制に対応するさまざまな包材を開発しています。中でも、プラスチックに比べ軽量でありながら緩衝性や保持力に優れたクッション性の高いPaperFoamや、1mm前後の薄さでプラスチック同様の硬度があるPulp-Injectionは、海外展開におすすめです。NISSHAではお客さまの要望に合わせた設計を行います。環境にやさしい梱包資材・パッケージのご相談はこちらからお問い合わせください。

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