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軽くて柔らかい、Pulp-Foamingだからできる設計〜「モバイルバッテリー用梱包材」編

Pulp-Foaming パルプフォーミング

Pulp-Foamingはパルプ・デンプン・水などの天然素材を主原料とした発泡成形工法です。 成形品の中に気泡を発生させることで、低密度で柔らかい成形品を作ることができます。

成形品は緩衝性と造形性に優れているため、製品の形状にフィットした成形が可能です。特に、高い保護性や保持性を求められる電子機器、医薬品、化粧品、産業機器などの梱包資材として欧米で数多く採用されています。

また、主原料が天然素材であるため、環境汚染の抑制や二酸化炭素の排出量を削減できるサステナブルな素材でもあります。

それでは、Pulp-Foaming成形品はどのように作られるのでしょうか?

Pulp-Foamingでは 専用の成形機と金型を使います。まず主原料であるパルプ、デンプン、水を混ぜ合わせて金型の中に流し込み、熱をかけて発泡させます。同時に金型内で水分を飛ばして乾燥させることで成形品が完成します。

Pulp-Foamingの工法について、より詳細を知りたい方はこちらのリンクからご覧ください。

https://connect.nissha.com/ecosense/molding/pulp/pulp-foaming/

次の章からは、Pulp-Foamingにおける 設計の特長について、当社がデザイン・設計をした「モバイルバッテリー用の梱包材」を例に、詳しくご紹介していきます。

自由な形状設計

パルプ、デンプンを主原料としながらプラスチックのように複雑な形状再現ができます。設計の工夫によってできる特長は以下のとおりです。

高い嵌合精度

精度の高い嵌合を再現できるため、トレー(身)とリッド(蓋)を嵌め合わせることができます。素材の特徴と寸法の安定性を活かし、隙間なくぴったりと嵌め合わせることができます。

ロック機構

トレーの切り欠き構造とリッドのアンダーカットによる爪構造を噛み合わせてロック機構を作ることができます。爪構造と切り欠きがしっかりと固定され、輸送中の揺れなどによって外れることなく運ぶことができます。


素材の柔らかさと復元力

素材が柔らかく復元力があるため、トレーとリッドを嵌め合わせる際に、どちらか一方を変形させることで容易に爪構造と切り欠きを噛み合わせることができます。また、トレーとリッドを取り外す際も、トレーの凹んだ部分に指を引っかけてトレーを変形させることでリッドを固定していたロックを容易に外すことができます。

スタッキング

スタック時にリッドの天面外周にトレーの底面に合わせた凹み形状を設置することで安定したスタッキングができます。積み重ねた際にずれが少なく、省スペース化と安定した輸送に繋がります。

高い保持性を発揮する構造

精度の高い形状再現と素材の柔らかさにより、高い保持性を発揮し、輸送時の衝撃を軽減できます。保持性を高めるための構造を紹介します。

鋭角なテーパー

テーパーの小さい凸形状を作ることで、製品との隙間を開けずに固定することが可能です。また、製品のサイズに合わせてタイトな形状にすることで、素材の柔らかさを活かして製品を圧入し、横から押さえ込んでしっかり保持することができます。


自由なリブ形状

自由な形状再現性によって固定したい製品の形や大きさに合わせてリブの幅・高さや数、配置を調整することができます。リッドの内側には製品とプレートを押さえるためのリブ形状を6つ配置したことで隙間なく接するため、リッドを閉じたときに製品を固定し、輸送中に内部で製品が動いたり、ずれたりすることがなくなります。

自由な凸形状

プレートを支えるためにリブに比べて強度のある凸形状をつけ、プレートがトレーの中で動かないように固定できます。製品同士の干渉を防ぎ、保護性能を発揮します。

その他の特長

これまで紹介した設計面での特長以外にもPulp-Foamingを使うことでできることを紹介します。

刻印・シボ加工

製品の平面部に社名、ブランドロゴなどの刻印や様々なパターンのシボ加工を入れることができます。


低い表面抵抗

通常のプラスチック製梱包資材と比べて、表面抵抗値が低く静電気が発生しづらいため、精密機械や産業機器など静電気への配慮が必要な製品の梱包資材にも適しています。

軽量で柔らかく、造形性の高いPulp-Foamingでは、従来のプラスチック製梱包資材と同じように複雑な形状の再現が可能です。

この形状再現性の高さを生かして、身と蓋を嵌め合わせた構造や、着色やシボ加工による自由なテクスチャー表現なども実現できます。デザイン面での可能性に着目したパッケージコンセプトPF[monaka]も提案しています。

Pulp-Foamingについてのご相談は、NISSHAサステナブルチームまでお問い合わせください。