パッケージに関わる環境ラベルの一覧

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パッケージに関わる環境ラベルの一覧

パッケージにおける環境ラベルの重要性が高まっています。近年は、消費者が環境に配慮した製品を選ぶ傾向が強まっており、ラベルによって環境性能を明確に示すことが求められます。ここでは、環境ラベルの定義や種類、それぞれの役割を整理したうえで、関連する代表的なラベルを一覧で紹介します。

環境ラベルとは

環境ラベルは、製品やサービスが環境に配慮して作られていることを示すマークであり、消費者が環境に優しい商品を選択する際の目安となります。
環境ラベルは主にISO(国際標準化機構)による規格に基づき運用され、商品やサービスのライフサイクル全体を通じた環境配慮を示す重要な情報源です。近年は国内だけでなく、国際的な認証プログラムや森林認証、バイオマス認証など多様な選択肢が存在し、企業によるラベル導入が促進されています。

環境ラベルの種類

環境ラベルはISO 14020シリーズにおいて「エコラベル」、「自己宣言環境主張」、「環境製品宣言」の3つのタイプに分類されており、それぞれ付与の基準や表示方法が異なります。
ここでは、それぞれのラベルタイプの特長についてまとめていきます。

エコラベル(旧タイプⅠ)
エコラベルは、公的または公正な第三者機関による審査を経て付与される環境ラベルです。ISO14024に準拠し、第三者機関が、資源の採取から廃棄までの全ライフサイクルにおける環境影響を考慮して、複数の基準に基づいて商品・サービスを審査します。
日本ではエコマークや国際的なGEN(Global Ecolabelling Network)の枠組みに加盟している認証制度が該当します。事業者にとっては取得に手間やコストがかかる反面、その審査基準をクリアすることで高いブランド価値を獲得できます。
自己宣言環境主張(旧タイプⅡ)
自己宣言環境主張は、事業者が自らの考え方や独自基準に基づいて作成する環境ラベルです。ISO14021により、その制定基準が規格化されています。 事業者の社内で定めたリサイクルマークやエコチャレンジ表示などが該当し、第三者による認証は不要なのでアピールしたい環境配慮ポイントを自由に強調できます。 柔軟に情報発信できる一方で第三者認証ほどの客観性を伴わない可能性があります。
また、事業者は設定した環境主張を証明するデータや評価方法を開示できるよう準備が必要です。
環境製品宣言(旧タイプⅢ)
環境製品宣言は、ライフサイクルアセスメント(LCA)による定量的データを第三者認証機関によって検証を受けたうえで提示する環境ラベルです。
製品やサービスの環境負荷を数値で比較しやすい点が大きな特徴です。カーボンフットプリントや環境省のエコリーフなどが代表例で、エネルギー消費量やCO2排出量などが定量的に開示されます。
環境製品宣言は、ISO14025に基づいた手法により検証、公開されます。また、数値に対して合格、不合格の判定はされません。

パッケージに関連する環境ラベルの一覧

たくさんの種類がある環境ラベルのうち、パッケージと特に関わりの深いものをピックアップして紹介します。パッケージには紙製のものとプラスチック製のものが有り、それぞれに分けて環境ラベルを紹介していきます。

紙製品に付与されるラベル

FSC®認証制度(森林認証制度)
FSC®認証制度(森林認証制度)

ラベルの使用は日本森林管理協議会(FSCジャパン)の承認を受けております。

FSC認証制度は、国際的な非営利組織であるForest Stewardship Councilが運用する森林管理および認証の仕組みです。
FSC認証は森林管理のFM認証(Forest Management)と加工・流通段階のCoC認証(Chain of Custody)で構成されています。使用する木材が適切に管理された森林から伐採されたことの確認や、リサイクル原材料が使われている場合には社会・環境的リスクの低い原材料かどうかを調べるなどから始まり、加工・流通の各工程においても厳正な審査を行うことで、サプライチェーン全体でのコンプライアンスやリスクを管理するものです。
FSC認証ラベルが付与された紙製パッケージを通じて消費者は、森林破壊や違法伐採を排除し責任を持って管理された森林由来の原料であることを確認することができます。

PEFC森林認証プログラム
PEFC森林認証プログラム

ラベルの使用はSGEC/PEFCジャパンの承認を受けております。

PEFC(Programme for the Endorsement of Forest Certification)は、世界各国で個別に設立されている森林認証制度を、国際的に共通するものとして承認することを目的とした国際的NGOです。
FSC認証と同様にFM認証とCoC認証で構成されており、資源の採取から加工、流通に至るまでのすべてのプロセスが審査されます。FSCが世界統一規格であるのに対し、PEFCは各国の認証制度を活用しているところが両者の異なる点です。

再生紙使用マーク
再生紙使用マーク

ラベルの使用は3R・資源循環推進フォーラムの承認を受けております。

再生紙使用マークは、製品の紙原料に配合されている古紙パルプの比率を示すマークです。「R」の後ろにつづく数字が古紙パルプの配合率で、「R70」の場合は古紙パルプ配合率70%、「R100」なら配合率100%であることを示しています。
古紙のリサイクルを推進し、森林資源の保全や廃棄物の削減に貢献するための仕組みで、紙パッケージのサステナビリティを消費者にもわかりやすく伝えます。再生紙使用マークを使用するための申請や届出は不要ですが、3R・資源循環推進フォーラムの定める表示方法に従って使用する必要があります。

グリーンマーク
グリーンマーク

ラベルの使用は公益財団法人古紙再生促進センターの承認を受けております。

グリーンマークは、古紙の回収、利用の促進を図るため、公益財団法人古紙再生促進センターが制定したマークです。
古紙を一定割合以上使用している製品に付与することが許されますが、その割合は製品によって異なります。原則としては古紙使用率が40%であることが条件となっていますが、トイレットペーパーとチリ紙では100%、コピー紙と新聞用紙は50%以上と定められています。
ステーショナリーや事務用品など幅広い分野の紙製品でこのマークを見かけることができます。

プラスチック製品に付与されるラベル

バイオマスマーク
バイオマスマーク

ラベルの使用は一般社団法人日本有機資源協会の承認を受けております。

バイオマスマークは一般社団法人日本有機資源協会が認定するマークです。
「バイオマス」とは生物由来の資源のことで、バイオマスマークは製品の中でバイオマスが一定の割合以上使われている場合に付与することが認められます。
製品の中で使用されるバイオマスの割合を「バイオマス度」として示し、バイオマスマークを取得するためにはバイオマス度が10%以上である必要があります。
バイオマスマークは、石油資源の使用を抑える観点からパッケージ材でも取得が進められている環境ラベルです。
NISSHAのサステナブル成形品ブランド“ecosense molding”でも、バイオマスマークを取得した製品がラインアップされています。興味のある方はこの記事の最後の章をご覧ください。

バイオマスプラ(BP)マーク
バイオマスプラ(BP)マーク

ラベルの使用は一般社団法人日本バイオプラスチック協会の承認を受けております。

バイオマスプラ(BP)マークは、バイオマスプラスチック度を25%以上含む製品に付与される認証ラベルで、一般社団法人日本バイオプラスチック協会によって運営されています。バイオマスプラスチックとは、生物由来の「バイオマス」を原料としたプラスチックのことです。
また、バイオマスプラ(BP)マークはバイオマスプラスチックが使用されていることを示すことが目的で、生分解性の有無を示すものではありません。バイオマスプラに分類される樹脂には、ポリ乳酸のように生分解性を示す樹脂だけでなく、バイオポリエチレンのように生分解性を示さない樹脂も含まれます。 食品包装やレジ袋など、多くの用途でバイオマスプラの利用が進み、BPマークを取得する企業も増えています。

生分解性プラマーク
生分解性プラマーク

ラベルの使用は一般社団法人日本バイオプラスチック協会の承認を受けております。

生分解性プラスチックとは、特定条件下で微生物の働きによって分解され、最終的に水と二酸化炭素になるプラスチックのことで、一般社団法人日本バイオプラスチック協会によって運営されています。生分解性プラマークは、ISOの試験基準と環境適合性の審査基準を満たした製品に付与される環境ラベルです。
一般のプラスチックと比べて廃棄後の環境負荷を低減することが期待できるため、食品用包材やごみ袋、農業用資材などで生分解性プラマークの取得が進められています。ただし、分解に必要な温度や湿度などの条件が限られる場合もあり、適切な環境下での処理が前提となる点に注意が必要です。

海洋生分解性プラマーク
海洋生分解性プラマーク

ラベルの使用は一般社団法人日本バイオプラスチック協会の承認を受けております。

海洋生分解性プラマークは、海洋環境中でも十分に生分解し、かつ安全性が確認された製品に付与される環境ラベルで、一般社団法人日本バイオプラスチック協会が運営しています。
海洋は土中と比較すると微生物の密度が低く、微生物の種類も土中とは異なるため、コンポスト下などで生分解するプラスチックでも海洋では分解が進まないケースがあります。そのため、上述した生分解性プラマークの認証とは異なる規格として海洋分解性プラマークが制定されています。
海洋プラスチックごみ問題が深刻化するなか、漁網や海洋製品の包装などへの導入が検討されています。

紙、プラスチックいずれの製品にも付与されるラベル

エコマーク
エコマーク

ラベルの使用は公益財団法人日本環境協会の承認を受けております。

エコマークは公益財団法人日本環境協会が管理・運用する公的な環境ラベルで、国内では最も知られた認証のひとつです。
エコマークはライフサイクル全体で環境負荷が少ないと認められた製品・サービスに付与されます。その審査では資源循環や地球温暖化、生物多様性の保全など多角的な基準に基づく評価が行われます。
エコマークの対象となるのはパッケージや製品だけでなく、飲食店やホテルのサービスなどにも適用することができます。

リサイクルに関するラベル

紙製容器包装マーク
紙製容器包装マーク

紙製容器包装マークは、紙でできた容器や包装を正確に識別し、リサイクル工程に回しやすくするための表示です。資源有効利用促進法に基づき、企業は該当する包装材料にマークをつけることが義務付けられています。消費者はこのマークを手がかりに、紙を分別し資源としてリサイクルしやすくなります。

プラスチック製容器包装マーク
プラスチック製容器包装マーク

プラスチック製容器包装マークは、プラ容器、包装フィルムなど多岐にわたるプラスチックの素材区分を消費者に示すためのものです。資源有効利用促進法に基づき、リサイクルの対象となるプラスチック製の容器や包装には表示が義務付けられています。
事業者はこのマークを通じて、プラスチック資源の循環利用と廃棄物削減を目指す社会的責任を果たすことが期待されています。

バイオマスマークを取得しているNISSHAのecosense molding

NISSHAが展開するサステナブル成形品ブランドecosense moldingでは、バイオマスマークを取得したパッケージソリューションを提供しています。
バイオマス度85%以上という高い比率で植物由来材料を活用している当社のパッケージ用成形品は、化石資源の使用を抑えつつ高いデザイン性と機能性を兼ね備えています。 ここからはecosense moldingのラインアップの中から、バイオマスマークを取得している成形品を紹介していきます。

PaperFoam

PaperFoamはバイオマス度85%の認定を受けた成形品です。主原料にはパルプとでんぷんが使用されています。
成形品内部に気泡が多く含まれているので、柔らかく緩衝性に優れた包材を形成できます。また、発泡成形品は内部に空隙がたくさん有ることから、比重が小さく、軽いことも特長です。
衝撃に弱い電化製品やワレモノなどの緩衝材に適しています。

Paperfoam®

PaperFoam®(ペーパーフォーム)

軽さと柔らかさを兼ね備えたパルプ発泡成形品

  • 天然素材を主成分とした発泡成形品
  • 衝撃から製品を保護する高いクッション性
  • 複雑な形状の製品や複数の部品をしっかり固定
Paperfoam®について詳しくはこちら 資料ダウンロードはこちら
バイオマスマーク

Pulp-Injection

Pulp-InjectionはPaperFoamと同じくパルプとでんぷんを主原料とした成形品で、バイオマス度は90%です。
1mm前後の薄い肉厚ながら固く強度のある成形品です。プラスチックと同じようにリブやフランジなどの複雑な形状を成形することも可能です。
パルプを主原料としながら擦れによる紙粉の発生を抑える性質があることから、医薬品のように粉塵による汚染が許されない製品のパッケージとして利用されています。

Pulp-Injection

Pulp-Injection(パルプインジェクション)

薄さと硬さを両立する射出成形品

  • プラスチックと同等の形状再現性
  • 薄肉かつ高強度
  • 寸法と厚みの安定性
Pulp-Injectionについて詳しくはこちら 資料ダウンロードはこちら
バイオマスマーク

Sulapac®

Sulapac®は木質由来バイオマスとバインダーを組み合わせた生分解性素材で、95%という非常に高いバイオマス度を実現しています。
ウッドチップを配合していることで、木の風合いを表現する外観を形成することができるユニークな成形品です。また、マイクロプラスチックを発生させることなく堆肥化や自然環境での生分解が可能です。
オーガニックな食品やサプリメントなどの容器として多く採用されています。

Sulapac®

Sulapac®(スラパック)

美しさと機能性を両立した成形品

  • 100%バイオマス由来の成形品(ウッドチップと植物由来の生分解性樹脂)
  • 自然を想起させる美しい外観と機能性
  • 射出成形による様々な容器、製品を提供
Sulapac®について詳しくはこちら 資料ダウンロードはこちら
バイオマスマーク

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