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バイオマスマークとは?概要や認定商品の例をご紹介
2025/02/28
- バイオコンポジット
- パルプ
- 梱包/緩衝材 バイオマス
- 環境対応
- 脱プラ
バイオマスマークとは
バイオマスマークは一般社団法人有機資源協会が運営する認証制度です。
「バイオマス」とは生物由来の資源のことで、再生可能な資源として注目されています。バイオマスマークは製品の中でバイオマスが一定の割合以上使われている場合に付与することが認められます。
バイオマスマークの認定要件
バイオマスマーク認定の主要な申請要件は「バイオマス度」です。
バイオマス度は申請商品に含まれるバイオマスの割合を示す数値で、バイオマスマークを取得するためにはバイオマス度が乾燥重量あたり10%以上である必要があります(※)。バイオマス度が高ければ高いほど石油由来の原料を減らしていることになります。
※生き物や動植物の粗製品(毛皮や骨、種子、木材、花など)や食品、医薬品は除きます。
バイオマス度の測定方法
バイオマス度は製品に含まれる炭素(C14)の量で測定されます。
C14は生物由来の原料がどの程度含まれるかを示す指標となる原子です。なぜなら炭素(C14)は大気中の二酸化炭素には含まれいているのですが、石油のような化石資源には含まれていないからです。
植物は成長のための光合成により大気中の二酸化炭素を取り込みます。その結果、植物由来の炭素原子の中にはC14が存在することになります。このことから、製品に炭素(C14)がどれだけ含まれているかを測定することで、その製品のバイオマス度を測ることができるということです。
また、炭素(C14)の測定には加速器質量分析装置(AMS)という装置が使われます。
バイオマスマークの活用例
バイオマスマークで認定された製品は多岐にわたります。
認定された製品が最も多い分野はレジ袋や食品の個包装袋などの物流・包装関連製品です。
その次に多いのがそれらのパッケージに使用されているインキやフィルム素材といった原材料分野で、バイオマスマークを取得したインキはバイオマスインキとも呼ばれます。
そしてセロハンテープなどの事務用品や日用品でもバイオマスマーク認定商品が流通しています。
このようなバイオマスマーク認定商品は、環境問題に関心を寄せる消費者に対し、企業として持続可能な製品開発に取り組んでいることをアピールする手段として活用することができます。
消費者が環境や社会に配慮した製品を求める傾向は高まってきています。2023年8月、博報堂は「生活者のサステナブル購買行動調査2024」を実施しました。この調査では、消費者が買い物の際に社会・環境に与える影響をどの程度意識しているかを10点満点で評価しています。その結果、社会・環境への影響を意識した購買行動は徐々に拡大しており、そのような行動実践度は10点満点中5.28点と過去最高値(※)を記録しました。
企業がバイオマスマークを取得することは、こうした消費者のニーズに応える重要な手段となります。
※買い物の際に社会・環境に与える影響をどの程度意識しているかを10点満点で聞いた社会購買実践度の調査
バイオマスマークを取得している当社製品の紹介
複数の製品ラインアップを扱う当社では、PaperFoam®、Pulp-Injection、Sulapac®の3製品がバイオマスマークを取得しています。
PaperFoam®(ペーパーフォーム)
パルプとでんぷんを主原料とするPaperFoam®は、バイオマスマーク85%を取得しています。(※着色なし)
材料を発泡させて作る軽量で柔らかな特性を活かし、化粧品や電子機器、産業機器、医薬品、食品・飲料をはじめとする緩衝性を求めるパッケージに幅広く採用されています。
PaperFoam®(ペーパーフォーム)
軽さと柔らかさを兼ね備えたパルプ発泡成形品
- 天然素材を主成分とした発泡成形品
- 衝撃から製品を保護する高いクッション性
- 複雑な形状の製品や複数の部品をしっかり固定
Pulp-Injection(パルプインジェクション)
Pulp-Injectionではバイオマスマーク90%を取得しています。PaperFoam®と異なり、薄さと硬さを特長とするPulp-Injectionはパルプとでんぷんからできたペレットを射出成形することで成形品をつくります。プラスチック成形品のように身と蓋としても使えるほどの成形精度とリブ・フランジなどの細かい形状再現が特長です。これらの特長を設計に取り入れることで、繊細な取扱いが求められる医薬品用梱包材などにも対応しています。
Pulp-Injection(パルプインジェクション)
薄さと硬さを両立する射出成形品
- プラスチックと同等の形状再現性
- 薄肉かつ高強度
- 寸法と厚みの安定性
Sulapac®(スラパック)
自然由来の樹脂に木粉を混ぜた成形品のSulapac®はバイオマスマーク95%を取得しています。(※Universalグレード・ナチュラル色)
Sulapac®は、北欧で森林の管理認証を受けたウッドチップ・廃材と植物由来のバインダーで構成されています。ウッドチップから得られる木の風合いやユニークな外観がナチュラル感を訴求するブランドに評価され、ジャー容器などで採用されています。
Sulapac®(スラパック)
美しさと機能性を両立した成形品
- 100%バイオマス由来の成形品(ウッドチップと植物由来の生分解性樹脂)
- 自然を想起させる美しい外観と機能性
- 射出成形による様々な容器、製品を提供
当社製品の特長
2025年11月28日現在、バイオマスマーク認定商品は約2,000件ありますが、バイオマス度10%の商品が全体の3割ほどを占めています。バイオマス度の値が高くなるほどその割合は低くなり、バイオマス度85%以上では全体の8%程度と少数です。そのことから当社製品が取得しているバイオマス度85%~95%という値は認定商品のなかでもバイオマス度が高い商品ということが言えます。
また、当社製品は最終製品としてでなくそれぞれ特定の工法から作られる製品全般(成形品)に対して認定を受けているため、どのような形状にカスタマイズされた成形品であってもバイオマスマークを表示することが可能です。
まとめ:バイオマスマーク認定商品で消費者への訴求を
バイオマスマークは日本国内の幅広い商品に表示されているため、消費者の目に触れる機会の多いマークです。
バイオマスマークを取得することは企業の環境対応を効果的に訴求すると同時に、エコフレンドリーな製品を選ぶ消費者のニーズに応えることになります。
NISSHAはトレーなどの包装資材として使用することができるPaperFoam®、Pulp-Injection、Sulapac®の3つの工法で認定を受けています。いずれの工法も85%以上の高いバイオマス度を有しているため、お客さまが企画するエコフレンドリーな製品の実現に貢献できる技術です。パッケージの脱プラやバイオマス原料の成形品をご検討の際には、ぜひお気軽にお問合せください。
環境ラベル等データベース|環境省大臣官房環境経済課
https://www.env.go.jp/policy/hozen/green/ecolabel/
バイオマスマーク|一般社団法人日本有機資源協会
https://www.jora.jp/biomassmark/
"博報堂「生活者のサステナブル購買行動調査2024」レポート" センタードット|博報堂
https://www.hakuhodo.co.jp/news/newsrelease/111706/