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紙製パッケージがエコな3つの理由!紙化のメリットと製品例も
2025/01/10
- CO₂排出量
- サステナブルパッケージ
- デザイン/設計
- パルプ
- プラスチックごみ問題
- 環境対応
- 生分解
近年、環境保全の重要性は高まっており、企業によるSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みも世界中で推進されています。こうした中で注目されているのが「従来のプラスチック製パッケージからエコな紙製パッケージへの転換」です。紙製パッケージとは、再生可能な紙を主原料とした包装容器全般を指します。
そこで今回は、紙製パッケージがエコな理由から、紙製パッケージを選ぶメリット・デメリット、おすすめのエコな紙製パッケージまで紹介します。
また、NISSHAが供給するパルプ成形品について知りたい方はこちらをご覧ください。
紙製パッケージがエコな理由
近年は環境保全への取り組みが求められ、紙製パッケージは環境への負荷が比較的少ないことから注目を集めています。従来のプラスチックから紙パッケージへの転換は国内企業でも進んでおり、この動きは今後も進むと予想されています。
まずは、紙製パッケージがエコとされる3つの理由を分かりやすく説明します。
プラスチック使用量の削減で資源枯渇を抑制できる
紙製パッケージは再生可能な資源で作られる一方で、プラスチック製パッケージは再生不可能な石油由来の資源で作られています。天然ガスや石油が新たに発見されて資源の可採年数が変動する場合もありますが、石油をはじめとする化石燃料がいずれ枯渇する運命であることに変わりはありません。環境問題の解決に向けては、石油の消費量を減らして持続可能な資源の利用を進めることが重要です。
プラスチック生産に使用される原油の割合は全体で見ると比較的低いものの、日常生活では多くのプラスチック製品が利用されています。身の回りにあるプラスチック製品の使用削減と、再生可能な紙製パッケージへの転換は、個々の効果は小さくても積み重ねることで化石燃料の枯渇の抑制に大きく貢献します。
CO2排出量の抑制で地球温暖化防止につながる
紙製パッケージの使用は、CO2(二酸化炭素)排出量の抑制に寄与します。CO2は温室効果ガスの一種であり、地球温暖化の大きな原因と考えられています。プラスチック製品の生産過程では、原料の石油精製や化学処理によって大量のCO2が発生するほか、焼却処分時にもCO2が排出されます。
一方で、再生可能な森林資源を原料とする紙製パッケージは、資源の成長過程でCO2を吸収します。紙製パッケージの生産過程においても一定量のCO2は発生するものの、この吸収効果によってCO2排出の総量を相殺できるとみなされています。
加えて、紙製パッケージはリサイクルでき、土壌での自然分解も可能です。プラスチック製パッケージに比べて地球環境に与える影響を最小限に抑えられ、地球温暖化防止に大きく貢献します。
環境負荷が低く海洋汚染などの心配がない
プラスチック製品は手軽に使え、耐久性にも優れているため、包装や梱包、ケース、カトラリーなど使い捨て製品にまで広く活用されています。しかし、その利便性の反面、使用後に適切に廃棄されなかったごみの自然界への流出が問題となっています。ひとたび自然に流出したプラスチックごみは容易に分解されることはなく、河川から海にたどり着きます。その過程で直径5㎜以下に小片化されたプラスチックごみをマイクロプラスチックと呼びます。
魚類などの海洋生物がマイクロプラスチックを誤食することによる生態系への影響だけでなく、マイクロプラスチックの堆積や漂流が及ぼす海洋環境への影響などが深刻な問題になっています。
一方、たとえ自然界へ流出した場合であっても、その影響を最低限に抑えられるのが紙製品です。紙は自然環境であっても分解期間が短く、生態系などへの環境負荷が小さいため、海洋汚染を引き起こすリスクが低い素材です。
プラスチックの流出が無くならない限り、紙製品を使用することが海洋環境の保全につながり、同時にプラスチック使用量の削減にも大きく貢献すると言えます。
エコ以外にも!紙製パッケージのメリット
企業がパッケージをプラスチックから紙に変えることには、「企業イメージの向上が期待できる」「オリジナルデザインのパッケージを作れる」というメリットもあります。
ここからは、それぞれのメリットについて詳しく説明します。
企業イメージの向上が期待できる
日本政府が2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、2030年の温室効果ガス削減目標(2013年度比46%削減)を策定して以降、テレビやネットニュースでも環境問題を取り上げる機会が増えました。今や、企業による気候変動対策は消費者やステークホルダーにとって身近かつ重要なテーマのひとつです。
プラスチックから紙製パッケージへの転換には初期投資が必要ですが、環境問題への取り組みを積極的に発信すると、消費者やステークホルダーからの信頼を獲得し、企業イメージの向上につなげられます。環境保護に取り組む企業の姿勢が評価された場合、新たな取引先の獲得やビジネスの拡大も期待できます。
オリジナルデザインのパッケージを作れる
パッケージデザインに工夫を凝らすことで、商品イメージをより効果的に表現できるだけでなく、商品の競争優位性も維持しやすくなります。
紙製パッケージを使うデメリット
紙製パッケージは多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。たとえば、プラスチック製パッケージに比べて強度は劣ります。重量物を入れると破れる可能性があり、衝撃に弱く経年劣化もしやすいです。
また、耐水性についても注意が必要です。紙素材によっては湿度が高いと変形する恐れがあるため、使用環境や条件を慎重に検討する必要があります。強度や防水性を高めようとすると製造工程が増え、プラスチックよりもコストがかかる場合もあります。
紙製パッケージに適している製品例
先の項ではプラスチックに比べ強度面の差があると述べましたが、実際は家電、家具のような大きく重量のある商品から雑貨や化粧品など小さく軽量な商品まであらゆる商品に紙パッケージは使われています。
1枚の紙で包むだけでは不十分でも強度を高める構造をもたせることや強度が高まる形状に工夫することでプラスチック製品との差を埋めることができます。
一方、その差を埋めることが難しい点は水などの液体や湿気に対してです。
水分を吸収しやすい紙は水分を吸い、膨らむことで強度が低下してしまう特徴があります。そのような理由から食品や化粧品などと直接触れるパッケージや外部の湿気から内容物を保護しなければならないパッケージには不向きと言えるでしょう。
エコにつながる「パルプシリーズ」
NISSHA株式会社では、脱プラの実現に向けたサステナブル成形品ブランド「ecosense molding」のひとつとして、主原料にパルプを用いた「Pulp Series(パルプシリーズ)」を展開しています。
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- PaperFoam®(ペーパーフォーム)
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主成分に天然素材を用いた発泡成形品です。クッション性に優れており、大切な内容物を衝撃からしっかりと保護します。電子機器や医薬品、化粧品などにおすすめです。
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- Pulp-Injection(パルプインジェクション)
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薄さ・硬さを両立した射出成形品です。プラスチックと同等の成形性を持ち、自由な設計ができます。医薬品の包装におすすめです。
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- Pulp-Thermoforming(パルプサーモフォーミング)
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熱プレスによるなめらかな表面・触り心地が特徴の紙成形品です。設計・デザインの自由度が高く、食器や化粧品、雑貨など、幅広い製品の包装に適しています。
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- Pulp-Molding(パルプモールディング)
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紙ならではの質感を最大限に活かした紙成形品です。再生紙・古紙を使用しており、環境に優しい工法となっています。ミニサイズの化粧品の包装におすすめです。
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- Paper-Pressing(ペーパープレッシング)
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板紙を使用した紙成形品です。ヒンジ・スナップフィットなどの形状再現が可能であるほか、加飾性にも優れています。化粧品や雑貨の包装におすすめです。
エコな紙製パッケージならNISSHAにお任せください
企業がエコな紙製パッケージを活用することには、SDGs達成につながる・企業イメージの向上が期待できる・オリジナルデザインのパッケージを作れるというメリットがあります。
NISSHAが展開するecosense moldingのPulp Series(パルプシリーズ)では、主原料にパルプを用いたエコな紙製パッケージを多数取り扱っております。製品によって特長や想定用途は異なりますので、自社に適した紙製パッケージを選びたい場合はお気軽にお問い合わせください。