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サステナブルデザインとは?環境負荷を減らす最新トレンドと商品事例
2025/02/19
- サステナブルパッケージ
- デザイン/設計
- パルプ
- プラスチックごみ問題
- リサイクル
- 環境対応
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資源の枯渇や地球温暖化などの環境問題が深刻化する中で注目を集めているのが「サステナブルデザイン」です。大量生産・大量消費に端を発する環境悪化や資源不足を回避し、次世代へ豊かな地球環境をつないでいく考え方として、さまざまな分野でサステナブルデザインが取り入れられています。
この記事では、サステナブルデザインの重要性や商品・サービス例、サステナブルデザインを取り入れるにあたって役立つ認証制度を解説します。
サステナブルデザインに貢献するNISSHAのパッケージ製品はこちらで紹介しています。
サステナブルデザインとは
サステナブルデザインとは、社会・経済活動全般において、地球環境への負荷をできるだけ抑えつつ、持続可能な社会生活の維持を目指す考え方です。単に、意匠や造形をSDGsの観点から設計するだけにとどまらず、資源の利用や廃棄物の処理などの面から地球環境に配慮し、持続可能な社会を追求する活動全般を指します。
サステナブルデザインへの取り組みが求められるのは、企業だけではありません。国や地域などの自治体や、そこに住む個々人などを含む社会全体が対象です。資源のリサイクル・再利用などに着目し、生産から消費にかかわるすべてのプロセスで持続可能な社会の構築を目指します。
従来のデザインの課題とサステナブルデザインの重要性
近年サステナブルデザインが注目されているのは、これまでの社会活動に問題があったためです。
ここでは、どのような点が問題だったのか、またそれに伴ってサステナブルデザインが重要視される理由について解説します。
大量生産・大量消費前提のデザインに限界が来ている
産業革命以降、世界でさまざまな物が流通し、大量生産・大量販売が行われるようになりました。日本においては、高度経済成長期を経て物を大量消費する時代が始まり、結果的に現代に至るまで大量廃棄する構造ができあがっています。
しかし、世界的に営まれている大量生産から大量消費・廃棄につながる流れは、将来的な資源不足の懸念や環境破壊などの悪影響を生み出しました。従来のデザインにもとづいた社会活動を続けた場合、さらなる環境悪化と著しい資源不足を招く可能性が否定できません。そこで、限りある資源の中で地球環境を守りつつ社会活動を持続するための方法として、サステナブルデザインが重要視されるようになりました。
環境問題が深刻化している
大量生産・大量廃棄の経済活動により環境問題が深刻化している点も、サステナブルデザインが重要視されている理由です。
環境問題の代表例としては、地球温暖化が挙げられます。地球温暖化が進むと、気候変動によって異常気象が発生しやすくなります。くわえて、気候変動により、生物種の生存に適さない環境が発生し、大量絶滅を招く可能性もあります。
ほかにも、水質汚染や土壌汚染なども無視できない問題です。環境問題の解決には従来の社会活動の見直しが欠かせないため、サステナブルデザインが重要視されています。
サステナブルデザインを取り入れた商品・サービス例
サステナブルデザインが注目される中、実際にさまざまな商品やサービスで持続可能な性質を持つデザインが広まっています。
ここでは、サステナブルデザインが取り入れられている4つの商品・サービスを紹介します。
日用雑貨
日用雑貨では、さまざまなアイテムにサステナブルデザインが取り入れられています。
例えば、キッチン用品であれば、再生木材を原料とするセルロースでできたスポンジが挙げられます。以前はゴミに分類されていた廃材を再生木材として利用して作られているため、廃棄物の減少や森林伐採の抑制につながる製品です。
ほかにも、端切れなどの本来は廃棄する素材で作られたブランケットや、消費電力が少ない電灯なども、サステナブルデザインの例です。
また、日用雑貨や家電製品などのパッケージも、近年はサステナブルデザインが取り入れられています。例えば、バイオマスプラスチックや紙由来の素材を使った梱包資材により、マイクロプラスチックによる環境汚染リスクを減らし、リサイクルしやすくなったパッケージが挙げられます。
ブログ「サステナブルパッケージとは?素材や採用メリット・製品例を解説」
化粧品
化粧品には主に、製品に使われている成分と容器の面でサステナブルデザインが取り入れられています。
例えば、自然由来の成分を用いた製品がそのひとつです。植物からとれる成分を使った製品は環境中で分解されやすい特徴があります。そのため、天然素材100%の製品は、合成成分を多く含む製品よりも環境にやさしいとされています。
微生物によって分解される、生分解性物質を使った素材を化粧品用の容器に用いるのも、サステナブルデザインを意識した取り組みです。例として、植物由来のバイオマスプラスチックを使った容器は、微生物の働きで最終的に自然に還るため、マイクロプラスチックによる環境汚染リスクを減らせます。
食品
食品は栽培と消費の面で、サステナブルデザインが取り入れられている分野です。栽培の面では、食材を生産する際に農薬を使わないオーガニック農法が注目されています。化学薬品を含む農薬の使用を避けて、地球環境にかかる負担を抑える栽培方法です。
消費の面では、漁獲量を管理する取り組みが行われています。人口増加の影響によって消費量が増えている水産資源を守るための取り組みです。大豆を原料とするツナ缶といった、水産資源の代わりになる代替肉の開発も進められています。
建築
建築分野では、建物を建てる際に使う建材を、なるべく再利用する取り組みが行われています。廃材扱いしていた端材を、家具の製造に使ったり補修材料にしたりする取り組みです。運搬で発生する二酸化炭素の排出量を抑えるために地元の建材を中心に使う建築方法も、サステナブルデザインの1つです。
よりサステナビリティが高い建物を作るため、国は環境性能が高いZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及を進めています。ZEHとは、断熱性・省エネルギー性に優れ、かつ再生可能エネルギーで自家発電が可能な、作り出すエネルギーと消費するエネルギーの収支が正味ゼロになる建物のことです。ZEHの実現には、サステナブルデザインが欠かせません。
サステナブルデザインを選ぶために使える認証制度
サステナブルデザインを取り入れる際は、SDGsに関連する認証を取得するのがおすすめです。第三者による審査により、製品やサービスが社会や環境に配慮していると認証されるため、客観的に見て自社がSDGsの要件を満たしているとPRできます。審査によって一定の基準をクリアすると、持続可能性を重視した製品・サービスとして認められ、サステナブルラベルと呼ばれる認証マークが付与されます。
認証マークの1つが「FSC認証」です。FSC認証は主に森林への配慮と、加工から流通に至るまでの製品開発に関わる労働者の権利を守りながら生産された製品であるかどうかなどが審査されます。
(出典:FSC「森を守るFSCマークとは」)
続いて、環境への負担を考慮した製品・サービスの証である「エコマーク」も、取得を目指したい認証マークです。エコマークは地球温暖化や大気汚染のほか生物多様性の保全などに着目し、環境全般の負担軽減や改善に役立つと認められた場合に付与されます。
(出典:エコマーク事務局「エコマークについて」)
バイオマスを原料としたプラスチックやパルプ成形品などを素材に取り入れる際には、「バイオマスマーク」と呼ばれる認証マークの取得がおすすめです。植物由来の再生可能な資源を使っている製品に付与されます。バイオマスマークは、レジ袋や衣料品などの身近にある多くの製品に付与されているマークです。
(出典:一般社団法人日本有機資源協会「バイオマスマーク」)
また、資材を調達する際も、これらの認証を取得した製品を選ぶのが大切です。例えば、プラスチックを使ったパッケージから、バイオマスマークを取得したパッケージに切り替えれば、自社が環境に配慮していると証明できます。
サステナブルなパッケージならNISSHAにお任せください
サステナブルデザインは、大量生産・大量消費に端を発する環境悪化や資源不足を回避し、次世代へ豊かな地球環境をつないでいくための道筋となります。日用雑貨、化粧品、食品、建築など、多様な分野で持続可能な技術や素材の活用が進められています。
自社製品にサステナブルデザインを取り入れるにあたっては、SDGsに関する各種認証を取得した上で製造されたパッケージを選ぶのがおすすめです。
NISSHAでは、バイオマスマークを取得した製品として、紙材やバイオマス原料を使った成形品ブランド ecosense molding を展開しています。
「パルプシリーズ」は主原料にパルプを用いた成形品で、紙でありながらプラスチック製包材の代わりとなるような特徴があります。
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「バイオコンポジットシリーズ」は、再生可能資源であるウッドチップと植物由来のバインダーを主原料とした最大100%バイオマス由来の材料で構成された素材です。木材を想起させる風合いで、自然環境下では樹木と同じサイクルで生分解し資源循環に貢献します。
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