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エコな梱包資材はSDGs達成に重要|環境にやさしい資材の選び方
2025/01/09
- CO₂排出量
- サステナブルパッケージ
- バイオコンポジット
- パルプ
- リサイクル
- 梱包/緩衝材
- 環境対応
- 生分解
環境問題が頻繁に取り沙汰されるようになって以降、企業が行うSDGsへの取り組みの一つとして、「エコな梱包資材」の注目度がますます高まっています。
梱包された製品を保護する役割のための梱包資材は、ステークホルダーが直接手に取ることや目にする機会がある資材です。企業にとってエコな梱包資材を採用することは環境への配慮だけでなく、環境問題に取り組む姿勢を広く伝える機会にもつながると言えます。
今回は、エコな梱包資材が注目される背景から、梱包資材選びのポイント、さらに地球環境にやさしい梱包資材の代表例まで徹底解説します。
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エコな梱包が注目されている背景
環境問題が深刻化するなか、企業が販売・運搬する製品の梱包において、「環境負荷をより低減できる資材」への移行が求められています。実際に日本国内でも大手企業を中心にエコな梱包資材の採用が進んでおり、この動きは今後も広がりを見せるでしょう。
エコ梱包が多くの企業に注目される理由としては、カーボンニュートラルやSDGsの達成のほか、ESG経営への貢献が関係しています。ここからは、それぞれの具体的な理由を紹介します。
カーボンニュートラルの実現が求められている
カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることで、温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにすることを指します。企業ではカーボンニュートラルの実現に向け、自社の温室効果ガス排出量の算定にはじまり、エネルギー使用量の削減・再生可能エネルギーの利用・生産効率の改善などを通じて排出量の削減に取り組んでいます。
そして、企業活動から得られる効果だけでは削減量が限定的であることから、梱包資材のような製品を作るうえで必要な材料などにも対象は広がり始めています。
梱包資材の場合、これまでは多くが利便性の高いプラスチックを使ったものでしたが、使用量を削減することにより、プラスチック製造過程における二酸化炭素の排出や焼却廃棄時に発生する二酸化炭素の削減が見込まれます。
そして代わりとなるのが再生紙を活用したエコな梱包資材です。
再生紙を使用することで、従来のプラスチック梱包に比べて製造・廃棄に伴う環境負荷を低減させられることから、カーボンニュートラル実現の一助となります。
SDGsの実現につながる
SDGsとは、国連(国際連合:UN)が提唱する「環境保護・社会的公正・経済成長の調和を目的とした国際目標」です。17の目標と169のターゲットで構成されており、日本語では「持続可能な開発目標」とも呼ばれています。
前項でとりあげたカーボンニュートラル実現に向けた企業の取り組みは深刻化する気候変動問題への対策として目標13に深く関わると同時に、エネルギー転換による環境負荷の低減という点においては目標7の取り組みにも繋がります。
それだけでなく、再生紙を用いたエコな梱包資材の採用は天然資源の効率的な活用、プラスチックごみによる海洋生態系への悪影響、持続可能な森林の管理などの観点から目標12・14・15が示す課題の解決に貢献する取り組みと言えます。
社会課題の解決に取り組むことで企業が得られるメリットは他にもあります。
一つは企業イメージの向上です。「エシカル消費」に代表されるように消費者のSDGsへの関心や認知の高まりにより、社会や環境に配慮された製品やサービスかを見極める購買行動が広がりつつあり、企業の信用度に繋がります。その流れは企業でも同様です。欧米との取引が多い企業を中心に環境負荷の低さが取引先や購買品を選定する際の基準になりつつあります。この変化に対応できていない企業は今後、淘汰されてしまう可能性もあるため、企業の持続可能性という観点で大きな意味を持ちます。
ESG経営をPRできる
ESGとは、「環境(Environment)」「社会(Social)」「ガバナンス(Governance)」の3つの単語の頭文字を組み合わせて作られた言葉で、目先の利益や評価だけでなく、環境や社会への配慮、健全な管理体制の構築などを念頭に持続可能な発展を目指す経営をESG経営と呼びます。
エコな梱包資材を採用することも気候変動や生物多様性などが課題に含まれる「E(環境)」に関係する取り組みのひとつです。「S(社会)、 G(ガバナンス)」を含めた持続可能性を確保した上での企業の長期的成長を示すことによって、企業イメージやESG投資家からの評価向上・経営リスクの軽減などのメリットが期待できます。
梱包資材をエコにするポイント
環境にやさしい梱包資材を選ぶ際は、リサイクルや再利用のしやすい紙などのエコ素材への着目はもちろん、材料が混合されていない資材選択や過剰包装削減も重要です。
ここからは、エコな梱包資材を選ぶ際におさえておきたいポイントを4つ紹介します。
リサイクルできる素材
エコな梱包資材を選ぶ上でリサイクルの可否は重要なポイントです。リサイクルが可能であれば、新たな資源を採取することなく資源を有効活用できるほか、原材料を製造・加工する際にかかるエネルギーや温室効果ガスの排出量を低減することに繋がります。
また、石油由来のPET(ポリエチレンテレフタート)・PE(ポリエチレン)や鉱物由来のアルミニウム・鉄・銅のような枯渇資源ほど、資源の有効活用は重要です。紙のように消費速度に合わせた再生・管理が可能な資源に比べて再生が遅いため、新たな資源を使い続けると枯渇してしまうためです。
単一素材から作られた資材
リサイクル性の観点から、単一素材(モノマテリアル)から作られた梱包資材への注目が高まっています。複数の材料から作られる資材は廃棄時の分別が容易でない限り、リサイクルが難しいと言われています。例として紙とプラスチックを混合させて作られた材料で作られた梱包資材の場合、プラスチック使用量を削減した製品というメリットはあるものの、廃棄時に紙とプラスチックに分けることができないため、可燃ごみとして取り扱うことになります。
従来包装形態の見直し
日本では、梱包された中身の保護やユーザーの扱いやすさだけでなく、見た目の美しさやその商品の価値やイメージを高め、より魅力的に映ることが包装資材に求められ、そして評価されてきました。しかし、華美で丁寧な包装には多くの資材を必要とするため、環境負荷を高める過剰包装になりかねません。脱プラなど、環境対応の必要性が高まるなか、企業はこれまでの慣れ親しんだ包装形態を見直さなくてはならない状況になってきています。
過剰包装が認められれば、機能面やイメージを損なわずにどこまで簡易な包装にできるかが資材の使用量に直結します。
実際に、必要以上に厚いダンボールを使用し梱包されていた商品から、梱包物は古紙100%の紙製封筒に収め、外箱のみダンボールを使用し減容化している例があります。
逆に形状自由性を必要とするため、長くプラスチックが使われてきた包装資材に対しては段ボールを切り貼りすることで形状を再現し、脱プラを達成する例などもあります。
再利用できる資材
持続可能な社会の構築において、再利用(リユース)できる梱包資材の選定は非常に重要です。再利用とは、一度使用した資材をそのままの形で何度も活用することを指します。
再利用できる梱包資材の代表例としては、防水性に優れたプラスチックコンテナや耐久性に優れた布製の袋(エコバッグ)などが挙げられます。また、耐久面や衛生面の観点から「まだ使用できる」と判断できる状態のダンボールや緩衝材(紙製緩衝材・発泡緩衝材)も、再利用可能な梱包資材・包装資材に含まれます。
再利用できる梱包資材であれば、リサイクルとは違って新たに資材を加工・製造する必要がありません。そのため、資源の使用を抑えられるほか、廃棄物の削減にも寄与します。
地球環境にやさしい梱包資材の例
脱プラの実現に向けたサステナブル成形品を取り扱うNISSHA株式会社では、地球環境にやさしいエコ梱包材を豊富に提供しています。
最後に、NISSHAが取り扱っているエコな梱包資材を2つ紹介します。
パルプ成形品
パルプ成形品とは紙の原料となる木材パルプを用いて作る成形品です。紙器や段ボールなどでは再現することができない曲面や細かな造形を得意としており、プラスチック製トレーに代わる環境対応トレーとして使われています。プラスチックのように形状自由度が高いため、家電製品・医薬品・精密機器・日用品のように幅広い製品に対応することができます。
植物由来生分解性プラスチック
植物由来プラスチックとは、トウモロコシやサトウキビといった「再生可能な植物資源」を原料として製造されたプラスチックのこととも呼ばれており、従来の石油由来プラスチックに代わる環境に優しい選択肢として注目されています。
植物由来プラスチックは、再生可能な資源を使用して製造するため石油の枯渇問題を緩和する助けとなるほか、原料の植物が成長過程で二酸化炭素を吸収し、温室効果ガス排出の抑制にもつながります。
また、一部の植物由来プラスチックは、自然環境中で分解される特性である「生分解性」を有しています。生分解性プラスチックであれば、使用後の廃棄物処理も容易です。
植物由来プラスチックは、環境への負荷を軽減しつつ、利便性や機能性を両立させるための重要な素材として、今後ますます需要が高まると見込まれています。
エコな梱包資材ならNISSHAにお任せください
企業がエコな梱包資材を採用することによって、カーボンニュートラルやSDGsの実現、ESG経営のアピールに大きくつながります。
NISSHAが展開する脱プラの実現に向けたサステナブル成形品ブランド「ecosense molding」では、リサイクル可能な紙素材の梱包材・包装材を豊富に取り扱っております。
環境にやさしい梱包資材をお探しの方は、ぜひ「パルプシリーズ」と「バイオコンポジットシリーズ」についてチェックいただければ幸いです。