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サステナブルパッケージとは No.2 ー企業の具体的な取り組み
2021/04/09
- サステナブルパッケージ
- リサイクル
- 環境対応
- 生分解
国内外企業で導入が進む「サステナブルパッケージ」
近年、国内外の企業で行われている「サステナブルパッケージ」活用の具体例をいくつかをご紹介します。
再生可能な資源の活用
コカ・コーラ社
コカ・コーラ社は2021年2月に一部地域で紙製のボトルの使用を試験的に開始すると発表しました。このボトルは本体外側が紙、内側と蓋がプラスチックでできており、100%リサイクル可能だといいます。このボトルを植物ベースの飲料「AdeZ」の容器として、2021年夏から市場に投入する予定といいます。
パナソニック
パナソニックとアサヒビールは、ナノ〜マイクロに微細化されたパルプ成分を含有する新開発の樹脂「高濃度セルロースファイバー成形材料」を原材料とした「森のタンブラー」のテスト販売を2019年から開始しています。間伐材などの木材から精製したパルプを主原料としているため、廃棄する際にも紙製品として分類することができ、プラスチックごみ削減を期待できるとしています。
アップル
アップルでは2017年以来、製品に使われる紙とパッケージに含まれる木材繊維の100%を、リサイクルされた資源または責任ある方法で管理された資源から調達し、パッケージに含まれるプラスチックを4年間で58%削減しました。iPhone 7のパッケージをプラスチックトレイからパルプモールドに切り替えていて、将来的には全ての製品とパッケージを100%リサイクルされた素材と再生可能な素材を使って製造することを目指しています。
リサイクルの活用例・易リサイクル設計
花王
花王は2020年には単一素材(モノマテリアル)でできた詰め替え用フィルム容器や、剥離が容易なタックラベル、再生プラスチックを活用したボトル容器などの製品開発と共に、使用済み包装容器の回収を含めた資源循環型システムの構築を発表しました。
日本ロレアル
日本ロレアルは全店舗に空き容器を回収するリサイクルボックスを設置して使用済みの化粧品容器を回収し、回収した空き容器は埋め立てや焼却されることなく、リサイクル素材として再利用するという独自のリサイクルシステムを導入しました。2021年秋から「キールズ」、「メイベリン ニューヨーク」などの一部シリーズで回収を開始し、初年度で10万個の回収を目指すとしています。
Fairphone
オランダのスマートフォンメーカーのFairphoneはサステナブルでエシカルなスマートフォンを販売しています。リサイクル材料、非紛争鉱物の使用や、長期使用を想定し容易に修理可能な設計、使用後のリサイクルが容易な設計としてモジュール化したスマートフォンの販売をしています。モジュール化することで壊れた部品のみ修理・交換、バッテリーが容易に交換でき長く使用が可能となり、使用後も簡単に分解できるためリサイクルが容易となります。
生分解・堆肥化
資生堂
資生堂はカネカと共同開発したカネカ生分解性ポリマーPHBHを化粧品容器に採用した、リップカラーパレット「アクアジェル リップパレット」を2020年秋に発売しました。PHBHはカネカが独自開発した100%植物由来のポリマーで、海中や土中など幅広い環境下での生分解性が期待される素材です。
Leader Foods Oy
フィンランドのサプリメントブランドのLeader Foodsは、サプリメントの材料のみに配慮するだけでなく容器にも環境に優しい材料を採用しています。ウッドチップと植物由来のみの再生可能な材料で構成され、かつ生分解が可能でマイクロプラスチックが発生しない容器です。
スターバックス
スターバックスでは易リサイクルかつ堆肥化しやすいカップを2022年までに開発する計画しています。2020年には植物由来の生分解性プラスチック「BioPBS」でライニングしたペーパーカップをバンクーバー・シアトル・サンフランシスコ・ニューヨーク・ロンドンの店舗の一部で試験使用しました。「BioPBS」は三菱ケミカルが開発した製品で、自然界の微生物によって水とCO2に分解されるため自然環境への負担が少なく、また既存の樹脂加工設備で加工できるのが特徴です。
このように、各企業がそれぞれに抱える課題に対して最適な「サステナブルパッケージ」を研究・開発して、活用しています。 商品やパッケージのものづくりに携わるNISSHAでは、持続可能な社会の実現のため脱石油由来プラスチックや環境負荷を低減するため天然素材のみを材料とする成形品などの開発を進めてきました。 NISSHAのサステナブル資材(パルプ成形品、バイオコンポジット成形品)についてはこちらで詳しく説明しています。