静電容量方式タッチパネルの受託製造
過酷な環境下での使用、大型ディスプレイへの対応、曲面など多様な形状への対応など、電子機器の多様化にともない、静電容量方式タッチパネルにもさまざまな機能が求められています。
静電容量方式タッチパネルは、指とセンサーの間で発生するわずか数pFという微弱な静電容量の変化を信号として使用します。信号がとても小さいために、水滴や手袋のような干渉物による外部からのノイズは誤動作や機能不良を引き起こす原因となります。
NISSHAは、つぎの3つのポイントを改善することによって、このようなノイズ環境下でも正確に操作できる静電容量方式タッチパネルを開発しました。
NISSHA独自のフィルム両面同時パターニング技術により、X,Y電極位置の公差が小さい、より精密なセンサー配列を実現しました。その結果、センサー個体間のばらつきが小さくなり、コントローラーICをよりシビアにチューニングできるようになりました。
電極材料のITOを低抵抗化することで、ノイズの影響を軽減しました。
ITO電極の抵抗を低くすることで、指でパネルをタッチした際の電流信号の変化が大きくなります。信号値が大きくなるために、ノイズの影響を受けにくくなるのです。
静電容量方式タッチパネルの特性は、コントローラーICによって決められる要素が多くあります。NISSHAではお客さまの用途に応じて最適なICを選定するノウハウを蓄積しています。
医療現場やデジタルサイネージなどの用途で、パネルに触ることなく入力する操作技術「ホバー入力」のニーズが高まっています。
静電容量方式タッチパネルは、指がパネルに触れたことを検出するのではなく、指とセンサーの間の静電容量変化を検出しています。したがって、パネルに触れるよりも高い位置にある指先を検出することで、非接触での入力が可能になります。
NISSHAは、低抵抗な導電パターンの採用とコントローラーICの最適化により、ホバー入力に対応した静電容量方式タッチパネルを開発しています。
非接触対応(指先-センサー間距離):50mm程度
このような場面で活用できます
衛生管理が厳しい現場
医療現場、食品を扱う工場、商店など
不特定多数の人が扱う公共設備
デジタルサイネージ
自動券売機、ATMなど
指紋汚染を嫌う製品
テレビ、モバイル機器など
静電容量方式のタッチパネルは、指先とセンサーの間の静電容量の変化を入力信号として検出しています。そのため、油や水のような導電性の液体でパネルの表面が濡れていると、その液体によって発生する静電容量が大きなノイズとなり、指からの入力信号が検出できなくなる問題がありました。
水滴による誤入力防止機能 :10cc の水滴までは水滴が持つ静電容量による誤入力/誤反応を防止しています。
水滴付着時の操作 : 10ccの水滴がパネル表面に付着している状態でも、それ以外のエリアでは問題なく操作が可能です。
また、少量の水滴であれば水滴越しの入力も可能です。
水滴に強いタッチパネルは、野外やレジャーでのご利用だけではなく、産業用としても安心して活用いただけます。
使用例
屋外での使用:雨天時、降雪地など多湿、結露する場所での使用
産業用:冷蔵倉庫、温室、屋外の作業現場
レジャー:海や川、雪山での使用、自転車、バイク、スキー、スノーボードなどの、屋外スポーツでの使用
厚さ2mmまでのゴム手袋を装着して入力が可能です。布製手袋でも厚さ1.5mmまで操作可能であることを確認しています。また工場等で使用されるニトリル性の手袋でも操作可能です。
手袋をはめたまま操作できるタッチパネルは、産業用としてだけではなく、医療用や寒冷地でも安心して操作ができます。
使用例
医療現場での使用:ゴム手袋を装着した状態での医療機器の操作
工場などの産業用:製造現場などでの機器の操作、冷蔵倉庫などでの情報端末の操作
寒冷地の屋外使用:手袋をした状態での情報端末の操作
イラスト作成の現場などで使用されているタブレット端末ではスタイラスペンが使用されます。スタイラスペンのペン先とタブレット端末のパネルとの接触面積は非常に小さいため、静電容量方式タッチパネルでは入力信号が小さくなってしまい、ノイズの影響を受けやすくなるという課題が有りました。
NISSHAの静電容量方式タッチパネルではセンサー電極の低抵抗化とICの最適化により、ペン先の微弱な信号を増大してノイズの影響を受けにくくしています。
また、フォトエッチングによって形成する線幅10μmのセンサーパターンは、従来の静電容量方式タッチパネルよりも高密度なセンサー配列を実現しました。ユーザーがパネル上で描く繊細なデザインも忠実に描画することができます。
ペンはアクティブスタイラス、パッシブスタイラスに対応可能です。
このような用途で活用できます
イラスト、漫画、アニメなどの描画用タブレット、電子黒板
入力信号が小さくなるカバーパネル越しの操作は静電容量方式タッチパネルの課題でした。 プラスチック成型品のカバーパネルは1~2mm程度の厚みがあります。そのために操作する指とセンサー間の距離が大きくなってしまうことから、静電容量の変化は小さくなります。
NISSHAではこの課題を、低抵抗ITO薄膜の細密パターニング技術やコントローラーICの最適化によって克服してきました。
NISSHAではガラスパネルに貼合したタッチパネルモジュールだけでなく、プラスチック成形品のディスプレイ窓部にタッチパネルを貼合した筐体モジュールの提供にも対応しています。
このような用途で活用できます
車載ディスプレイ(CID)、電化製品の操作パネル
従来の静電容量方式タッチパネルのセンサー電極には抵抗値150Ω程度の高抵抗なITOが使われていました。抵抗値の高いITOでは、タッチパネルの面積が大きくなると応答速度が遅くなるという課題が有ります。
NISSHAはこれらの課題を解決する新しい導電材料の開発に取り組み、静電容量方式タッチパネルの用途を広げています。
ディスプレイの大型化に伴い、タッチパネルもそれに対応するニーズが高まっています。しかし、センサーパターンにITOを使用した静電容量方式タッチパネルでは、ITOの抵抗値が高いために応答速度が遅いという課題があり、大面積化は困難でした。
また、パターニング加工に使用するマスクサイズも大面積に対応するものが有りませんでした。
そのため、大面積のタッチパネルにはCuメッシュ電極が使用されていますが、Cuメッシュは光線透過率や、メッシュセンサーが視認できてしまうという問題がありました。
NISSHAはタッチパネルの大面積化という課題を、低抵抗かつ透過性に優れた導電材料の開発と、多丁間の連結によるパターニング技術の確立という2つの取り組みで解決しました。
導電材料
低抵抗のITO:シート抵抗 150Ω/□→70Ω/□
多丁間の連結によるパターニング
500mm*1000mmのシートサイズまで加工可能
この技術を活用して、32インチまでの静電容量方式タッチパネルの開発に成功しています。
このような用途で活用できます
大型ディスプレイ
電子黒板
デジタルサイネージ
NISSHAでは、お客さまのご要望に応じたカスタム製品の生産を承っております。
お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
お客さまからいただいた仕様に応じて、材料選定から生産までお引き受けすることができます。
フィルムセンサーの製造から、カバーパネル貼合モジュールまで、ご要望に応じた製品形態で納品させていただきます。
・ショールーム見学
・開発、試作、量産委託のご相談
その他、フィルムデバイスに関するご質問、ご相談はお気軽にご連絡ください。