自由な設計が可能

NISSHA IMEの3次元回路形成技術と構造設計におけるメリット

NISSHA IMEは電極フィルムをインサート成形により筐体パーツと一体化することで、3D形状や曲面に電極や回路、センサーを形成できる、MID(Molded Interconnect Device)技術の1つです。

この技術により、従来の粘着シートでの貼り合わせや、LDSのようなメッキによる電極形成では難しかった構造を実現でき、製品の小型化や製造工程の簡略化に貢献します。

お客さまのご要望に合わせて、電極フィルムをインサートする層や電極の取り出し方法などを設計し、お客さまに最適な構造をご提案いたします。

曲面や凹凸のある3次元形状への電極形成

NISSHAのフィルムへの電極形成技術と樹脂のインサート成形技術により、樹脂成型部品の曲面や凹凸のある3次元形状に電極を形成できます。
また、粘着剤レス構造によりパーツの薄型化や複雑な構造への対応、組立工程の削減、品質の向上などのメリットがあります。

電極フィルムの例
  • タッチセンサー
  • タッチスイッチ
  • アンテナ
  • ヒーター
  • その他機能電極フィルム
  • 粘着剤が不要
  • 薄型化
  • 工程数・部材数の削減
  • メンブレンスイッチ等の防水性向上

NISSHA IMEの製造工程イメージ

①樹脂成形部品表面に電極を埋め込む場合(電極の接続方法:ピン)

樹脂成形部品表面に電極を埋め込み

②樹脂成形部品の裏面に電極を埋め込む場合(電極の接続方法:FPCコネクタ)

樹脂成形部品の裏面に電極を埋め込み

具体例 3D曲面へのアンテナ実装における他工法との比較

  • 製品外装パーツとアンテナの一体化よる小型化
  • 塗装では実現できない多彩な意匠表現が可能
  • 製品表面近くにアンテナを配置でき、感度が向上
  • 基板との電気的接続が簡単(ピン or FPC)
  • 製品外装パーツとは別にアンテナパーツが必要で組み立てが面倒
  • 外装パーツによりアンテナ特性が低下
  • 基板との電気的接続がばねピンかはんだ付けに限られる
  • アンテナパーツに使用できる樹脂材料コストが高い
  • 粘着剤の剥がれなどの問題が起きやすい
  • 凹面など加圧ができない形状には対応できない
  • 貼り合わせ歩留まりが悪い ことによるコスト増
  • ばねピンやFPC形状で掛かる残存応力に弱い

設計の最適化

電極を形成するレイヤーや基板との接続方法を組み合わせて
お客さまの製品構造に最適な構造をご提案いたします。

基板との接続方法のバリエーション

ピン FPCコネクタ

ピン

樹脂成形部品に接続ピンを立てます。
基板側の電極パットにピンを当てて接続します。

FPCコネクタ

樹脂成形部品の端面から
FPCコネクタを伸ばします。
基板側のZIFコネクタに接続します。

FPCコネクタ

樹脂成形部品の裏面から
FPCコネクタを伸ばします。
基板側のZIFコネクタに接続します。

電極を形成するレイヤーのバリエーション

①表面の意匠フィルムの下に電極を埋め込み

基板との接続方法 : ピン

基板との接続方法 : FPCコネクタ

  • 製品外装パーツの外側に電極を形成でき、例えばアンテナの場合は、感度を最大化できます
  • フィルム表面に加飾(印刷)層、裏面に電極を形成し樹脂にインサート成形
  • 基板との接続方法は、ピンとFPCコネクタから選択できます

②裏面に電極を埋め込み

基板との接続方法 : FPCコネクタ

基板との接続方法 : 基板上のばねピン

  • 表面の高い意匠性を実現しつつ、電極を外装樹脂パーツに一体化できます
  • 意匠(印刷)層、電極をそれぞれ別のフィルムに形成し、樹脂の表裏に同時にインサート成形
  • 基板との接続方法は、FPCコネクタと基板上のばねピンから選択できます

③表面の意匠フィルムの下に電極を埋め込み、さらに裏面にも電極を埋め込み

基板との接続方法 : ピンとFPCコネクタ

  • 外装樹脂パーツの表面と裏面それぞれに電極を形成できます。例えば、表面にアンテナ、裏面にタッチスイッチを形成することができます。
  • フィルム表面に加飾(印刷)層、裏面に電極を形成し、別のフィルムに電極を形成し、樹脂の表裏に同時にインサート成形
  • それぞれピンとFPCコネクタで基板と接続します

サンプルをご覧いただけます

実際にご覧いただけるサンプルをご用意しております。
複数の構造パターンのサンプルがございます。
お気軽にお問い合わせください。

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製品の小型化・薄型化・軽量化

NISSHA IMEではカバーパーツに電極フィルムやLEDなどの機能部品を一体成形できるため、
粘着層やセンサー用基板をなくすことができます。
これにより、製品構造の簡素化、部品点数の削減、組立工程の削減、
信頼性の向上などのメリットがあります。

適用イメージ 家電の表示パネル

PCB基板上のLEDを外装樹脂成形部品と一体化することで、内部機構部品点数を削減し、PCB基板を小型化できます。

適用前

適用後


凹面形状などへのFPCの貼り合わせの課題を解決

NISSHA IMEと、従来のローラー貼合方式の比較

FPCのようなフィルム状のセンサーや電極を樹脂部品に固定する場合、弾性樹脂のような粘着剤や両面テープのような粘着シートを使ってローラー貼合方式で貼り合わせをする必要があります。

ローラー貼合方式では、ローラーで十分な圧力をかける必要があり、ローラーと干渉するようながリブなどがある場合や、圧力が均一に掛からない曲面形状には対応できません。

NISSAH IMEはフィルム状のセンサーや電極をインサート成形により一体化しますので、このような複雑なパーツ形状にも適用可能です。

ローラー貼合方式 IME
曲面対応 2次曲面まで 3次曲面対応
(MAX:R500xR700)
裏面リブ・ボス制約 あり
(貼合ローラーの稼動域による制約)
なし
(自由に配置可)

開発事例

UIパネルへの電極・センサーインサート

UIパネルへの電極・センサーインサート

マテリアルインサート

マテリアルインサート

エラストマーボタン

エラストマーボタン

レーダーカバー

レーダーカバー

共同開発について

NISSHAでは社内にCMF designerが在籍しているため、お客さまの開発初期段階からNISSHAの技術や生産コスト、量産性などを深く理解した上で、ご要望によりお客さまの製品コンセプトに合わせたデザインをご提案することが可能です。

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