入力装置の今とこれからをまとめてみる
人が機械との間で情報伝達を行うユーザーインターフェースには、マウスやキーボードなど様々な種類があります。
この記事ではユーザーインターフェースについて解説するとともに、一般的なユーザーインターフェースの特徴や、これから求められる新しいユーザーインターフェースについて紹介します。
新たなユーザーインターフェースにより、これまでは実現不可能だった操作ができるようになり、未体験の新しい世界を容易に見ることができるようになるかもしれません。
Contents
ユーザーインターフェースはマンマシンインターフェース、またはヒューマンインタフェースともいわれ、人間と機械とが情報を伝達するための入出力装置です。
入力装置にはキーボードやマウスなどがあり、出力装置にはモニターやスピーカーといったデバイスが挙げられます。
人間が操作するデバイスであるマンマシンインターフェースには、安全性や使いやすさが求められます。
ここからは入力用ユーザーインターフェースについて、その種類と特長を整理します。まずはおさらいをする意味で、現在一般的に使われている操作用インターフェースについてまとめてみます。
マウスはコンピューターのユーザーインターフェースとして広く用いられています。入力として左/右クリックのスイッチ入力、マウスの移動による方向入力、そして中央に配置されたホイール(回転動作)入力があります。登場した初期は有線・トラックボール式だったマウスも、今や無線・光学式が当たり前になりました。
また、webブラウザの画面切り替えに使用できるサイドボタンなど、新しい機能が次々と紹介されています。
カーソル移動操作をするためにはマウス自身を移動させる必要があるため最低でも15㎝四方程度の操作スペースが必要ですが、その操作スペースさえ確保できれば、大型のディスプレイに表示されたアプリケーションでも容易に操作できます。
タッチパネルは画面に直接触れることで操作するユーザーインターフェースです。
入力方法は、画面上の1点をタッチする「タップ」がスイッチの役割、画面タッチ後に上下左右へ動かす「スライド(スワイプ)」が方向入力になります。
アプリケーションによっては、2本の指で広げたり狭めたりする「ピンチ」動作で画面の拡大や縮小も可能です。ディスプレイに組み込まれているタッチパネルは、マウスのようにデバイス自身を動かすことはありません。
画面に直接触れて操作するのでとても直感的なユーザーインターフェースと言えます。スマートフォンやATMのように人の体のサイズに収まるデバイスではとても便利な入力装置ですが、競技場のオーロラビジョンのような大画面を操るには体力が必要なインターフェースです。
航空機の操縦桿のような形状をしたジョイスティックはゲームには欠かせないコントローラーです。
マウスやタッチパネルが画面上の操作箇所の指示やスクロールのような「ユーザーが作業する領域の指定」に使われるのに対して、ジョイスティックは主に画面上のキャラクターの動きを操作するために使用されています。
ジョイスティックを前後左右に傾けることで方向の入力が可能です。ジョイスティックの周辺にスイッチが設けられているタイプであれば、スイッチ入力も可能になります。
マウスやタッチパネルの方向入力は、前後左右の平面空間を操作するユーザーインターフェースです。
最新のゲーム機やスマートフォンアプリでは、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)が増えてきました。
ARはスマートフォンやタブレットで現実世界を映したとき、あたかもゲームのキャラクターが存在しているように表示する手法です。
VRはヘッドマウントディスプレイを装着し、コンピュータグラフィクスで表現された3D空間を現実世界のように楽しむことができます。
このように映像の世界と現実世界を結びつける技術はxRと総称されています。xRの世界では、よりリアルな操作感覚が求められるようになりました。
例えば、壁を押したり、棒を掴んだりといった日常にある操作です。しかし、マウスやタッチパネルでは平面上に存在するキャラクターを移動させることは出来ても、物を掴んだり離したりといった操作はできません。
映像の世界を現実世界に近づけるためには、人間が日常的に行う動作を実現するユーザーインターフェースが必要になります。
ここからは、xRのコンテンツで活用される最新のユーザーインターフェースを紹介します。
モーションセンサーは人の手足や体の動きを検出するセンシングデバイスです。
モーションセンサーにはカメラで人間の骨格を検出するものや、身体に装着したセンサーで動きを検出するものなどいくつかの方式があります
身体の動きに連動してキャラクターが動くため、キャラクターの動きをリアルに再現することが可能です
人の手にはめて使用するグローブ型センサーは指関節の細かな動きを検知するセンサーで、バーチャルの世界で物を掴んだり離したりといった操作を可能にします。
また、産業用のインターフェースとしても応用が期待されていて、グローブ型センサーを使って遠隔地にあるロボットハンドを操作するといったことも可能になります。
加速度センサーはその名前のとおり加速度の変化を検知するセンサーです。
コントローラーの動きや向き、何かにぶつけた衝撃などを計測できます。
一方、ジャイロセンサ―は回転を検出でき、物体をひねるような動きを検知できます。
加速度センサーとジャイロセンサ―を組み合わせることにより、棒状のコントローラーを自由に振り回して操作する、魔法のステッキのようなインターフェースが実現します。
指を動かすときに発生する微弱な電場の変化(筋電位)や、血液の酸素飽和度のような人の生体情報を測定するウェアラブルデバイスがあります。
デバイスの形態としては腕時計タイプのものが多く開発されています。
運動時のサポートやスポーツゲームなどへの応用が考えられていて、生体情報をもとに疲労度や緊張の度合いなど、ユーザーの心身の状態をアウトプットするアプリケーションへの応用が考えられています。
これらの新しいユーザーインターフェースは開発段階のものも有れば、すでに実用化されているものも有ります。
xRの技術がエンターテイメントだけでなく産業分野でも活用され始め、さまざまなニーズに対応するユーザーインターフェースの開発が求められています
NISSHAでは、より直感的なユーザーインターフェースの開発に活用できる新しい摩擦・せん断力センサーを開発しました。
NISSHAの摩擦・せん断力センサーは指で触れた点にかけられる押す力(荷重)と、指を横へ滑らそうとする水平面応力(摩擦・せん断力)を検出することが可能です。ベース基材にフィルムを使っているので厚さが1mm以下と非常に薄く、多点同時検出にも対応しています。
この特長は、従来の入力装置には無い新しい操作体験を実現します。
たとえばジョイスティックの姿を小さな板状のデバイスに変えてしまい、指一本のごくわずかな前後左右の動きでキャラクターの操作やボリュームコントロールができるインターフェースを実現したり、多点を同時に検出する特長を活かせば棒状のコントローラーを握りしめたりねじったりする動きを入力信号に変えることができます。
NISSHAの摩擦・せん断力センサーは、フィルム加工技術を得意とするNISSHAならではの新しいデバイスです。
くわしくはwebサイトで紹介しているので、是非ご覧ください。
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