どのように選ぶ? フィルムデバイスの加工方法 

フィルムデバイス加工技術の基礎

フィルムデバイスの基材となるベースフィルムには、厚さ30〜150μm程度の樹脂素材が用いられます。

樹脂素材はPET、COP、PC、PIなど各種あり、目的とする機能に合わせて使い分けられます。

例えば、PETは、透明材料として幅広く利用され、耐熱性、破断耐性、耐薬品性などに優れており、汎用のベースフィルムとして各方面で使われています。

COP(シクロオレフィンポリマー)は、非常に透明で光学特性に優れ、光の屈折による虹状の反射が発生しないため、ディスプレイ、光学式分析機器などの用途に用いられます。

※フィルムデバイスのベースフィルムについてはこちらの記事でも紹介しています。
フィルムデバイスの基材となるベースフィルムの種類と特長

柔軟性のある樹脂フィルム上に電子部品を形成したフィルムデバイスは、モバイル端末やタッチパネルなどの小型、薄型の電子機器の普及に伴い、需要が急拡大しています。薄く、軽く、曲げられ、量産性にも優れたフィルムデバイスは、今後更に需要が伸びることが予想されます。

フィルムデバイスの加工では、まずベースフィルム上に、回路やセンサー、配線などの電極パターンが、ロールtoロールでパターニングされていきます。

パターニング後は、実装可能なモジュールの形態に加工するため、コーティングやラミネーション、個片へのカッティングなどの工程が施されていきます。

パターニング
エッチングプロセス、スクリーン印刷の違い

フィルムデバイス加工におけるパターニングには、大きく二つの手法があります。エッチングにより行う方法と、スクリーン印刷により行う方法です。以下にそれぞれの特徴を挙げます。

〇エッチング

ロール to ロール方式のフォトエッチングプロセスで電極、配線、機能性部品、絶縁膜などをパターニングしていく方法です。

まず、スパッタ製膜により、目的の金属による薄膜をベースフィルム上へ形成します。

その後、フォトレジストコート、フォトマスクを用いての露光、現像、エッチング、レジスト除去の工程を経てパターンを完成させます。量産性に優れ、非常に微細な加工が行えます。

NISSHAのフォトエッチングプロセスによるパターニング加工では、Line/Space =10/10µmでの高精度配線加工が可能です。両面加工にも対応しています。

マスクサイズは、最大500×1,000mmまで対応しているため、大量生産のための多数個取り、大型モジュールの生産など幅広いニーズに対応できます。

ITO、 Cu、 Niなどの各種金属、それら金属の合金、絶縁膜などのパターニングが行えるので、透明電極、ヒーター、アンテナなど、各種デバイスパターンの形成が可能です。

※エッチング加工についてはこちらの記事でも紹介しています。
フィルムデバイス生産で活躍するフォトエッチング加工の基礎知識

〇スクリーン印刷

Agペースト、カーボンペースト、有機導電材料などを用いて、スクリーン印刷により配線や絶縁膜などをパターニングする方法です。

フォトマスクが必要ないため、低コストでの生産が可能です。ロール to ロール方式にすることで、量産性も確保できます。

NISSHAのスクリーン印刷によるパターニング加工では、Line/Space =50/50µmの加工精度でパターニングが行え、最大500mm×500mmのスクリーンサイズに対応しています。

ラミネーション、カット、貼合
フィルムデバイスを実装可能にする技術

各種の素子や回路がパターニングされたベースフィルムは、更に様々な工程を経て最終製品に実装可能なモジュールに加工されていきます。

〇貼合加工、ラミネーション加工

複数のフィルムデバイスや機能性フィルムを貼り合わせます。

例えば、配線を絶縁保護するための絶縁膜や、反射や映り込みを抑える偏光膜などを貼り合わせることにより、耐久性、絶縁性、光学特性などを付加します。

透明配線パターンの絶縁保護のために透明絶縁膜を貼り合わせる際には、透明性や低屈折性などの光学特性を損なわないよう、透明粘着材が用いられます。

NISSHAでは、ロールフィルム同士を貼り合わせるロールtoロール貼合、枚葉フィルム同士を貼り合わせる、シート toシート貼合に対応しています。

〇カット加工

ロールフィルム上に形成されたデバイスを個片へ切り分ける加工です。

NISSHAでは、位置精度±150umの高寸法精度でのダイカット加工が可能です。

COPのような割れやすく扱いにくいフィルム基材の打抜きや、ハーフカットも対応可能です。

利用範囲を広げるNISSHAのフィルムデバイスの加工技術

フィルムデバイスは、既に様々な場所で使用されています。透明導電パターンを用いたフィルムデバイスは、可視光を通す特製を活かし、窓に設ける透明アンテナ、車のフロントガラスの透明ヒーターなどに活用が進められています。

他にも、タッチパネルやディスプレイ、太陽電池用電極など、よく目にするものから特殊なものまで、様々な場所で使われています。

Cr、Ni、各種合金など、特殊金属を用いたフィルムデバイスも、ひずみセンサー、温度センサー、生体用電極などに用いられ、タッチパネル、感圧センサー、医療機器などとして活用されています。

NISSHAは、フィルムデバイスの加工、生産に関する多くの知見と技術を備えています。

素材選びや加工方法に迷う際には是非お気軽にご相談ください。御社の製品開発にNISSHAのフィルムデバイス加工技術がお役に立ちます。

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