NISSHAのフィルムデバイス加工技術で実現
高いフィルム加工精度

フィルム基材の上にセンサーなどの電子部品を形成したフィルムデバイスは、現在多くの製品に採用されています。例えば、代表的なフィルムデバイスとしてはゲーム機やスマートフォンなどに搭載されている静電容量式タッチパネルが挙げられます。ほかにも、自動車業界や医療機器業界など、フィルムデバイスは広く利用されています。

最終製品を狙い通りの形状にしたり、小型化したりするために、フィルムデバイスには高い加工精度が求められます。一枚ずつ、時間をかけて加工すれば高精度を実現できるかもしれませんが、コストが高くなってしまい量産では使えません。

NISSHAでは、フィルムデバイスの大量生産において高い加工精度を実現しています。この記事では、NISSHAが持つ高精度のフィルム加工技術と、その実現に向けた取り組みについて紹介します。

フィルム加工時の公差設計項目

はじめに、フィルムを加工する際に考慮すべき公差項目を紹介します。

 

Line/Space

Line/Space(L/S)は、フィルム上に回路やセンサーをパターニングする際に考慮すべき公差です。Lineはパターンの幅、Spaceはフィルム上にパターニングするパターンの隙間を表しています。L/Sは、フィルムデバイスのベースとなるフィルムに対して、エッチングプロセスやスクリーン印刷の解像度が、どの程度あるのかを表現しています。
L/Sの精度が低い場合、パターンの幅や隙間を大きく取る必要があり、狙いの機能を実現するために必要な回路全体が大きくなってしまうため、結果的に製品が大きくなってしまいます。

 

貼合精度

フィルムデバイスを製作する場合、複数のフィルム素子や機能性フィルムを貼り合わせる必要があります。また、フィルム素子へのFPCの圧着、カバーガラスやプラスチック成形品とフィルム基材の貼り合わせなど、フィルム同士の貼り合わせ加工以外にもさまざまな貼り合わせ加工が必要です。それぞれの材料を貼り合わせる際に生じるずれの程度が貼合精度です。
貼合精度は製品の寸法精度に影響します。貼合精度が高くなれば、製品寸法の許容差を小さく設計できます。製品サイズを小さくするうえで、貼合精度は重要なファクターです。

打ち抜き精度

ロール状のベースフィルムにパターニングを実施する場合、製品として使用するためには、ロールから1枚ずつ打ち抜く必要があります。打ち抜きの際に考慮すべき精度が打ち抜き精度です。
打ち抜き精度が悪い場合、誤差分を考慮した設計にする必要があるため、製品が大きくなります。また、1枚の大きなフィルムから打ち抜ける枚数が少なくなるため、製品コストの増加に繋がります。

フィルム加工精度向上に向けた取り組み

フィルムデバイスの小型化や自由な形状の実現には、フィルムの加工精度向上が必要です。NISSHAでは、フィルム加工精度向上に向けたさまざまな取り組みを行っています。

フォトエッチングプロセス

フォトエッチングプロセスは、ロールtoロール方式で、電極や配線、絶縁膜などをベースフィルムにパターニングしていく方法です。透明電極やヒーター、アンテナなどの各種デバイスパターンを形成可能です。

ITO,Cu,CuNi,Niなど、各種金属や合金を製膜材料としたフォトエッチングプロセスでは、最小でL/S = 10/10μmの加工精度を実現しています。

NISSHAでは、精度の高い加工技術に加えて、ベースフィルムへの両面加工や500×1000mm程度の大面積フォトマスクにも対応可能です。大量生産のために必要不可欠な多数個どりや大型モジュールの生産など、さまざまなニーズに応えられます。

 

スクリーン印刷レジストによるエッチングプロセス

スクリーン印刷レジストによるエッチングプロセスでは、スクリーン印刷でレジスト材をフィルムに印刷し、フォトマスクを形成します。ITOを成膜材料、PETをベースフィルムとした場合、L/S=50/50μmの加工精度を実現しています。
フォトマスクが必要ないため、フォトエッチングと比較して低コストでの生産が可能です。

 

スクリーン印刷によるパターニング

スクリーン印刷によるパターニングとは、Agペースト、カーボンペースト、有機導電材料などを用いて、スクリーン印刷によりフィルムに配線や絶縁膜をパターニングする方法です。L/S=50/50μmの加工精度を実現しています。

 

レーザーエッチング

レーザーエッチングは、レーザーを用いて表面から既定の深さまで、素材を除去する加工法です。加工精度はL/S=30/40μmを実現しています。

 

貼合加工

NISSHAでは、ロールtoロール、シートtoシートそれぞれの貼合加工に対応しており、精度は±200μmです。

 

筐体/機能性パーツとの貼合

フィルム同士の貼合だけでなく、偏光板やLCDモジュール、フィルム素子を実装する筐体との貼合に対応しています。ガラスやプラスチックシート材などの平らな板との貼合だけでなく、カバーパーツや大型プラスチック成型品など、曲面形状を持つパーツとの貼合も可能です。

 

外形カット加工

ダイカットやレーザーカットなど、個片への打ち抜き加工に対応しており、その打ち抜き位置精度は±150μmを実現しています。COPなどの割れやすいフィルム基材は打ち抜きが難しいですが、NISSHAでは実績があり、ハーフカットにも対応可能です。

 

NISSHAのOEM

NISSHAでは、これまで紹介したようなフィルムデバイス加工技術を用いてさまざまな製品に対応し、生産受託をしています。

フィルムデバイスの受託開発

 

これまでフィルムデバイスの受託開発では、数多くの製品開発に取り組んできました。

フィルム両面の金属膜を高精度にパターニングする技術や、特殊金属膜をパターニングする技術は、さまざまな電子部品やセンサーの開発に活用頂けます。

これらのフォトエッチング技術を活用して、例えば、透明なフィルム基材の上に形成するアンテナ、ヒーター、タッチパネルなどの電子部品、ひずみセンサーや温度センサーなどのセンサーの開発に取り組んできました。

また、ロールto ロールプロセスもNISSHAの強みであり、量産時には大量生産が可能です。

今後は生化学センサーや流体チップ用電極などの医療、ヘルスケア用途での製品開発にも取り組んでいきたいと考えています。

パターニング加工技術については、こちらのページでくわしくご覧いただけます。

 

NISSHAのフィルムデバイス加工技術

NISSHAが保有するフィルムデバイス加工に関する高い技術は、さまざまな製品に活用できます。OEM受託を通して数多くの製品開発に携わることで、フィルムデバイスの加工や生産に関する多くの知見と技術を身に着けてきました。

フィルムの加工精度や加工方法に困っている場合には、NISSHAが培ってきたフィルムデバイス加工技術がお役に立てると考えています。
まずは一度、お気軽にご相談ください。

 

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