フィルムデバイスの基材となる
ベースフィルムの種類と特長

ベースフィルムの役割

フィルムデバイスを形成する基材のことをベースフィルムと呼びます。ベースフィルムには、PET、COP、PC、PIなどの樹脂フィルムが使われます。

厚さが10〜150μmと非常に薄くて軽く、通常の樹脂基板やガラス基板と異なり、柔軟性があって簡単に曲げることができます。素材により、透明性のほか、耐熱性、破断耐性、耐薬品性なども備えており、目的とする機能に合わせて素材が選ばれます。

フィルムデバイスは、フォトリソグラフィエッチングやスクリーン印刷、インクジェット印刷などの加工方法により、ベースフィルム上に電子部品を形成して製造されています。

薄いベースフィルムを使用するフィルムデバイスの製造では、枚葉での製造だけでなくロールtoロールでの製造が可能であり、量産性にも優れています。

薄くて軽く、曲げることが可能で量産性にも優れているフィルムデバイスは、スマートフォンやタッチパネルといった小型、薄型の電子機器や、センサーデバイス、アンテナ部品などに広く用いられています。

ベースフィルムの種類と特長

ベースフィルムに用いられる各素材の特長や用途について解説します。

PET

PET(ポリエチレンテレフタレート)は、ポリエステルの一種であり、ペットボトルや合成繊維の素材などとして、一般でも広く用いられています。

透明性が高いので、中身の見える容器や電化製品のカバーパネルなど、透明材料としても幅広く利用されています。ボトル容器として使用されるPET樹脂の耐熱性は85℃程度ですが、電子デバイスの基材として利用する延伸PETフィルムには200℃前後の耐熱性を持っている製品もあります。また、破断耐性、耐薬品性、耐油性、電気絶縁性などに優れています。生産量が多いため比較的使用コストが低く、汎用のベースフィルムとして、様々な用途で用いられています

PC

PC(ポリカーボネート)は、非常に高い耐衝撃性を持つエンジニアリングプラスチックの1つです。透明性においてもガラスに近い光透過率を持っており、この特長を用いて、破損の危険を避けたい場所での窓ガラスの代替としての利用や、眼鏡、スマートフォンのカメラのレンズ、CD、警察で使用される防弾用シールド、プラスチック製のネジなどに広く利用されています。

軽量で耐熱性、耐候性、電気絶縁性にも優れていますが、耐薬品性は低く、有機溶剤やアルカリ性の強い薬品などで腐食することがあります。

連続的に強い衝撃を受けるような機器や、屋外で長期間使用される装置に用いられる電子デバイスのベースフィルムに適しています。

COP

COP(シクロオレフィンポリマー)は、非常に透明で光学特性に優れた熱可塑性プラスチック素材です。

光の屈折による虹状の反射が発生しないため、光学用樹脂材料として、レンズ、ディスプレイ、光学式分析機器などの用途に用いられています。また、低誘電率、高周波特性などの電気的特性を活かして、コネクタやアンテナなどの電波機器にも利用されています。

PI

PI(ポリイミド)は、非常に高い耐熱性と強度を持つ熱硬化性樹脂素材で、スーパーエンジニアリングプラスチックに分類されます。

耐熱性の高さから通常のはんだ付けを使用することが可能であり、断熱性、電気絶縁性なども優れているため、電気部品に広く用いられています。加工性もよく、絶縁材や断熱材、コーティング剤、自動車部品などにも利用されています。

フィルム状にも加工しやすいので、ベースフィルムとして各種の用途に利用されています。

NISSHAは、PET、COP、PC、PIなど、各種のベースフィルムを使用したデバイスの製造に対応しています。ロールtoロールでの薄膜フィルムデバイスの量産技術など、フィルムデバイスの加工、生産に関する多くの知見と技術を備えています。

フィルムデバイスの受託開発も広く行っていますので、素材選びや加工方法に迷う際には是非お気軽にご相談ください。御社の製品開発にNISSHAのフィルムデバイス加工技術を是非ご活用ください。

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