「医療機器を開発したが製造する場所がない」「製造のスケールアップをしたい」「医療機器に使えそうな素材はあるが設計する技術がない」「開発や製造に必要なリソースが不足している」こんなことでお困りではありませんか。 本コラムでは、これらの課題を解決するOEM・ODMについて説明します。
医療機器市場とOEM・ODM
高齢化社会やテクノロジーの進化に伴い、医療機器市場はさらなる成長が期待されています。既存の医療機器メーカーが新たな製品の市場投入に積極的に取り組む一方、需要の高まりは異業種から新規参入するチャンスにもなっています。
ただし、医療機器の開発・製造には高度な技術力や品質管理体制、法令遵守が求められます。
開発や製造のリソースへの投資、製造販売業や製造業の許認可取得、ISO13485などの品質管理に関する認証取得などがハードルとなりますが、OEM・ODMを利用することで自社で持っていない技術や設備を補完し、製品の品質や信頼性を確保することができます。
医療機器のOEMとは
「OEM」はOriginal Equipment Manufactureringの略で、受託企業が依頼を受けて委託企業のブランドで製品を製造することを意味します。OEMにおいては、委託企業が製品の詳細設計から製作や組み立て図面まで提供し、受託企業は製造のみを行います。
委託企業にとっては開発に専念できる、自社で製造設備を持つ必要がない、在庫リスクを抑えられるといったメリットがあります。
医療機器のODMとは
「ODM」はOriginal Design Manufactureringの略で、委託企業のブランドで製品を開発・製造することを意味します。ODMにおいては、製品の設計・開発から製造まですべてを受託企業が行います。メリットとして、委託企業は企画立案や販売活動のみに専念できるという点が挙げられます。
製造における委託企業にとってのメリットはOEMと同様です。また、開発においては受託企業が持つ設備やノウハウを活用することで、コストを抑え、開発期間を短縮しながら、製品を市場投入できるのが利点です。
CMO・CDMOの役割
OEM・ODMの受託企業はCMOやCDMOと呼ばれます。
「CMO」はContract Manufacturing Organizationの略で、日本語では製造受託機関とされ、OEMを行います。一方「CDMO」はContract Development and Manufacturing Organizationの略で、日本語では開発製造受託機関とされ、ODMを行います。
NISSHAグループは自社ブランドの医療機器製品の製造も行っており、その経験と実績を基にCMO・CDMOの役割を担っています。
NISSHAの医療機器OEMの特長
NISSHAグループは国内外にクラス10,000のクリーンルームを有する製造拠点を複数所有し、高度管理医療機器(クラスⅢ・クラスⅣ)の製造も可能です。製造拠点は京都工場の他に、アメリカ、イギリス、フランス、ドミニカ共和国、マレーシア、中国など11カ所で、いずれもISO13485:2016を有しており、海外拠点用の製造体制の提供はもちろん、日本国内向けの製造体制から海外展開を視野に入れたグローバルな製造体制を提供できます。
また、製造においては6つのコア技術「印刷」「コーティング」「ラミネーション」「成形」「パターンニング」「金属加工」をベースに、多種多様な材料への豊富な知見をかけあわせて、高性能・高品質な製品を実現します。
NISSHAの医療機器ODMの特長
NISSHAグループはさまざまな企業の医療機器の開発サポートを行う中で、特に製品の⼩型化・低侵襲化・⾼機能化・低コスト化を実現する技術を蓄積してきました。
また、ODMでは技術力だけでなく、コストや工期を抑制しながら製品を具体化することが重要です。当社は開発試作、製造設計、製造を京都工場でワンストップで行い、薬事承認などの手続きを考慮しながら、量産までの効率的なスケジュールをご提案しています。