医療機器の製造や開発、販売などに関わっていると必ず耳にする”ISO13485″。
ISO13485とは「医療機器ー品質マネジメントシステム-規制目的のための要求事項」といった名称で、医療機器の品質を保証するために必要な仕組みを規定している国際規格です。
本コラムではISO13485とは何か、具体的な内容を説明します。
"ISO"とは
そもそも"ISO"とは一体どのようなものでしょうか?
ISOは「International Organization for Standardization(国際標準化機構)」の略称で、世界で共通に使うためのISO規格の制定を行うスイスの非政府機関のことです。
ISOで制定された規格をISO規格といい、世界中で同等の品質・レベルの製品を提供できるようにするために制定された、国際的な取引をスムーズにするための基準です。
国際的な基準であり、制定や改訂は日本を含む世界167ヵ国(2022年現在)の参加国の投票によって決まります。
ISO規格には大きく分けて2種類の規格があります。製品そのものを対象とする規格と、組織の品質活動や環境活動を管理するための仕組み(マネジメントシステム)を対象とする規格です。
マネジメントシステムを対象とする規格のなかで品質に関する規格であるISO9001は特に有名で、様々な分野の製品の品質管理に適用できるように作られた汎用性のある規格ですが、
分野によっては完全にカバーできずに不十分な部分がありました。
そこで、特定の分野においてはISO9001をベースに固有の内容を追加したものが作られており、これらはセクター規格と呼ばれます。
その中でISO13485は医療機器に特化した規格になります。
ISO規格には数多くの種類が存在しますが、下の図では代表的なものを分類しました。
ISO13485とは
ISO13485は、先ほど説明したセクター規格のうち医療機器に関する品質マネジメントシステムを対象とする規格であり、医療機器の安全性、有効性および安定した品質を継続して確保することを目的としたものです。
この規格は、医療機器の設計・開発、製造、保管および流通、据付け、附帯サービスおよび最終的な廃棄・処分、ならびに関連する活動の設計・開発および提供を含む、医療機器のライフサイクルの一つ以上の段階に関係する組織が使うことができる品質マネジメントシステムの要求事項を規定しています。
内容はISO9001:2008がベースになっており、そこに医療機器特有の要求事項として下記7つの項目が追加されています。
- 医療機器ファイル
- 製品の清浄性
- 据付け活動
- 附帯サービス活動
- 滅菌医療機器に対する特別要求事項
- 苦情処理
- 規制当局への報告
ISO13485の認証を取得するには、要求事項を実現する為の社内体制の整備やドキュメントの準備、ドキュメントに沿った運用・記録保管を行った上で内部監査を実施し、管理監督者の照査を経た後、第三者認証機関による審査をパスする必要があります。
認証取得に手間やコストはかかりますが、ISO13485を導入し規格に準拠することにより、製造販売業者または製造業者が安全かつ意図する目的に適合する医療機器を一貫して設計、製造、および上市することを確実にできます。
また、欧州をはじめ、海外では医療機器の取り扱いにISO13485認証取得を必須としている国が増えており、海外輸出を伴う医療機器ビジネスでは特にISO13485認証取得の重要性が高まっています。
QMS省令との関係
日本で医療機器の製造を行うためには「製造業」の登録が、医療機器の製造販売を行うには「製造販売業」の許可が必要です。
「QMS省令(医療機器体外及び診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令)」は、これら「業」登録または許可の遵守事項です。
「QMS省令」は、ISO13485:2016に日本独自の規制要求事項を追加したものであり、製造販売業者が製品の承認や認証を取得するためには「QMS適合性調査」を受ける必要がありますが、ISO13485認証を取得していれば、QMS適合性調査等での実地調査が免除されたり、または軽減される場合があります。
医療機器製造ならISO13485認証取得済みのNISSHAにお任せください
NISSHAは国内では京都、海外ではアメリカ、ドミニカ共和国、フランス、イギリス、マレーシア、中国などにISO13485の認証を取得した製造拠点を有しております。
また、製品の特性に合わせた製造環境の管理や、長年クリーンルームにおいて多様な材料加工やアッセンブリを行ってきた実績により、さまざまなお客さまのニーズに対応可能です。
医療機器の製造先をお探しなら、ぜひ一度NISSHAにご相談ください。