フィルムデバイスとは

フィルムデバイスとは

フィルムデバイスとは、とても薄いフィルムの上にさまざまな機能を付加したものです。

フィルムデバイスは、ベースフィルムと呼ばれる厚さ10〜150μmの樹脂製の薄膜フィルムが基材になります。

このベースフィルムの上に回路やセンサーなどをパターニングしてデバイスとしての機能を持たせます。薄い素材の上に高精密なパターンを形成し機能を構築するため、薄くて軽いデバイスを実現できるほか、電子デバイスの省スペース化が可能です。

フィルムデバイスとフレキシブル基板の違い

フィルムデバイスと同様に薄い電子部品として、フレキシブル基板を思い浮かべる人も多いでしょう。

類似のもとのして扱われることもありますが、NISSHAでは、デバイスとしての機能を持つフィルムデバイスと、回路などとして使われることの多いフレキシブル基板を区別して取り扱っています。

例えば感圧センサーなら、フレキシブル基板の場合はフィルム基板の上にセンサー素子を実装する必要がありますが、フィルムデバイスならフィルムそのものが感圧センサーとしての機能を持つことがきるからです。

フレキシブル基板とフィルムデバイスとの差は他にも、透明なものが作れることや、フレキシブル基板よりもさらに薄く、柔らかいことなどが挙げられます。

日常で使われているフィルムデバイス

フィルムデバイスは現在、日常の様々な場面で使われています。

例えばゲーム機やスマートフォンに使用されている静電容量方式タッチパネルもフィルムデバイスです。

薄くて透明であることに加え、フィルムの端の狭い部分に額縁のように配線を集中させる配線加工は、非常に高度なパターニング技術によって実現しています。

フィルムデバイスは他にも、自動車業界や医療機器業界などで幅広く利用されています。

スマートフォン/タブレット

ゲーム機/カーナビゲーション

家電

ハンディターミナル

フィルムデバイスを加工する技術

フィルムデバイスはさまざまな加工技術の組み合わせによって製造されます。

ロールtoロールのパターニングでは、エッチング加工とスクリーン印刷の2種類の加工が代表的です。

エッチング加工では、スパッタリングなどによりベースフィルムの上に成膜したITOやCu、Niまたはそれらの合金の薄膜を、フォトリソグラフィなどの工法を活用してパターニングすることによってベースフィルム上に電極や配線を形成していきます。

エッチング加工についてはこちらの記事でも紹介しています。
フィルムデバイス生産で活躍するフォトエッチング加工の基礎知識

スクリーン印刷では、Agやカーボンなどの導電ペーストを用いてベースフィルム上にセンサーパターンや電極を印刷します。

このような回路パターン形成の精度は非常に高く、エッチングプロセスでLine/Space =10/10μm、スクリーン印刷でLine/Space =50/50μmほどとなっています。

エッチングプロセス

スクリーン印刷

フィルムデバイスに使用される材料

フィルムデバイスの材料は、主にベースフィルム材と回路形成材に分けられます。

ベースフィルムにはPET、COP、PC、PIなどの樹脂フィルムが使用されます。膜厚は150μm以下。最も薄いものだと10μmと、非常に薄いのが特徴です。

回路形成材料は、パターニングの方法によって分かれます。

エッチングプロセスでは、Cu , Ni ,Crなどの金属薄膜や、ITOなどの透明酸化物導電膜(TCO)が使用されます。

スクリーン印刷ではAgペーストやカーボンペースト、 有機導電材料などを用いています。またAgナノワイヤーなどの特殊材料を利用することで、低抵抗、フレキシブル性などの独自性を有するデバイスを開発することも可能になります。

フィルムデバイスでは樹脂フィルム自身やこれらの金属、機能性樹脂が持つさまざまな特性をうまく組み合わせていくことでその機能を発揮できるように設計がされます。

フィルムデバイスの今後

フィルムデバイスの最大の特徴は薄いことです。

使用時に、その存在をあまり感じさせないため、医療分野などで人の状態を確認するセンサーなどにも使われていくでしょう。

フィルムデバイスは、従来は固いものというイメージのあった電子部品の世界を変えていくでしょう。

現在では、タッチセンサーや面ヒーターなど、さまざまな応用例が考えられています。また柔軟に曲がり、皮膚のようになめらかに伸縮できるフィルムも開発されてきており、これまではデバイスを設置できなかった部位にも機能を配置することが可能になります。

今後は電子部品がフィルムデバイスに置き換わったり、発光ダイオード、コンデンサーのような要素がフィルムに代わっていくと考えられています。

そのため、例えばクレジットカードがお札のように薄く軽くなったり、曲がったり伸びたりするディスプレイの出現により、皮膚や衣服に貼り付ける端末が出現するかもしれません。

さらに現在では新しい薄膜材料の開発も活発になっていますので、フィルムデバイスはさらに進化を遂げていくでしょう

関連記事

大型ひずみゲージの量産に対応可能 NISSHAのエッチング加工技術
ひずみゲージは民生分野から産業分野に至るさまざまなシーンで用いられています。構造物の強度試験や劣化診 ... もっと見る

大型ひずみゲージの量産に対応可能 NISSHAのエッチング加工技術

フィルムデバイス
センサー電極に使われる導電材料の種類、各材料の加工方法や用途をご紹介
センサーは、さまざまな物理現象、化学現象を電気などの信号に変換する部品です。たとえば、光に反応する光 ... もっと見る

センサー電極に使われる導電材料の種類、各材料の加工方法や用途をご紹介

フィルムデバイス
こんなことも可能!フォトレジストで製造できる微細な構造体をご紹介
フォトリソグラフィは、光(主に紫外線)を使用して基板上のCu薄膜などにパターンを形成する技術です。パ ... もっと見る

こんなことも可能!フォトレジストで製造できる微細な構造体をご紹介

透明デバイスを実現するための光学特性 透明性の向上方法について解説
現在、タッチパネルはスマートフォンや大型ディスプレイ、カーナビなど、日常生活に欠かせない製品の多くに ... もっと見る

透明デバイスを実現するための光学特性 透明性の向上方法について解説

フィルムデバイス
NISSHAのフィルムデバイス加工技術で実現する高い加工精度
フィルム基材の上にセンサーなどの電子部品を形成したフィルムデバイスは、現在多くの製品に採用されていま ... もっと見る

NISSHAのフィルムデバイス加工技術で実現する高い加工精度

AR
現実とデジタル情報を融合させるxR(xReality)技術は、近年、開発と実用化が進んできました。 ... もっと見る

開発と実用化が進むxR-仮想世界で活躍するインターフェース技術を紹介

薄い、軽い、曲げられる フィルムヒーターの特長を解説
フィルムヒーターとは フィルムヒーターは、プラスチックフィルム基材の上に電熱線を形成して作られる、「 ... もっと見る

薄い、軽い、曲げられる フィルムヒーターの特長を解説

フィルムデバイス生産で活躍するフォトエッチング加工の基礎知識
エッチング加工の基礎 エッチング加工は、液体やガス状の薬品により素材表面を腐食させて目的の形状を形成 ... もっと見る

フィルムデバイス生産で活躍するフォトエッチング加工の基礎知識

フィルムデバイスの基材となるベースフィルムの種類と特長
ベースフィルムの役割 フィルムデバイスを形成する基材のことをベースフィルムと呼びます。ベースフィルム ... もっと見る

フィルムデバイスの基材となるベースフィルムの種類と特長

フィルムデバイスの量産技術 NISSHAのロール to ロール技術を紹介
Web検索からこの記事にたどり着かれた皆さんは「ロールtoロール」という言葉を既にご存知の方も多いで ... もっと見る

フィルムデバイスの量産技術 NISSHAのロール to ロール技術を紹介

光と電気を通す透明導電膜
透明導電膜とは 透明導電膜は、金属材料と同じように導電性を持ちながら、可視光を透過する性質を持つ材料 ... もっと見る

光と電気を通す透明導電膜

どのように選ぶ? フィルムデバイスの加工方法 
フィルムデバイス加工技術の基礎 フィルムデバイスの基材となるベースフィルムには、厚さ30〜150μm ... もっと見る

どのように選ぶ? フィルムデバイスの加工方法 

フィルムデバイスの活用事例
私たちの身近で幅広く活躍するフィルムデバイス 厚さ100μmほどのフィルム基材の上に電気的機能を付加 ... もっと見る

フィルムデバイスの活用事例

フィルムデバイス
NISSHAのOEM・受託開発
お客さまの期待に応えるNISSHAのOEM・受託開発 スマートフォンや家電、産業用機器など、電子機器 ... もっと見る

NISSHAのOEM・受託開発

見積り依頼/技術に関する相談

フィルムディバイス開発や量産におけるご相談はお気軽にご連絡ください

CLICK