NISSHAの開発している摩擦・せん断力センサーは足圧の測定に活用できます。一般的に足圧を測定する際には、床面や靴底にかかる足裏の圧力を測定する圧力センサーが用いられますが、摩擦・せん断力センサーを活用することで、足裏の圧力に加えて足裏のせん断力(横方向にかかる力)を測定することが可能です。
この記事では、足圧の測定データの活用方法や摩擦・せん断力センサーを用いた足圧測定の具体的な事例について紹介します。
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足圧の測定によって得られたデータは、以下の用途に活用できます。 ・シューズの開発 ・競技力の向上 ・リハビリの効果向上 それぞれ、どのように足圧測定データが活用されるのか解説します。
足圧測定データはシューズ開発の現場で活用が可能です。 シューズの開発をする際には、靴底に対して足圧がどのようにかかるかを調整する必要があります。歩行、走行時に足裏のどの部分にどの程度の圧力がかかっているのかを可視化できれば、シューズの履きやすさや足への負担のかかり方についてデータをもとに研究することができるようになります。シューズ開発において足圧の分布は重要なポイントです。
足圧データの分析は、靴底のパターンやインソールの形状、新しい緩衝材の開発など、高性能なシューズの開発での活用が期待できます。
足圧の把握は、スポーツの競技力向上にも役立ちます。 さまざまなスポーツにおいて、競技力を向上させるために重要なポイントの一つが「体重のかけ方」です。例えば、以下のようなシーンが想定できます。
・どこに力を入れれば速く走れるか ・走る向きを切り返すターンの際に、どこに力を入れればいいか ・重いものを持ち上げる際には、足圧の分布がどうなっていればいいか
シーンに応じた理想的な足圧分布がわかっている場合、競技者の実際の足圧データを取得することで現状の把握や理想的な状態との比較・改善へと活用することができます。競技者や指導者が、感覚論ではなく、実際のデータに基づいた調整を行うことが可能です。
リハビリテーションでも、足圧センサーで取得したデータを活用できます。 リハビリテーションはけがや病気などで低下した運動能力を回復させることを目的に実施しますが、効率よく筋力を戻したり、けがの再発を防ぐための体重のかけ方を見つけたりする場合には、身体を動かす際の足圧がどのような分布になっているかを確認することが効果的です。
特に、病気の治療後などに久しぶりに体を動かす場合には、身体のバランスが崩れており、望ましくない場所に体重がかかってしまっていても気づかない場合があります。このような状況でも、足圧の測定データで可視化できれば、状況を速やかに理解、修正できるでしょう。
ここで、NISSHAの摩擦・せん断力センサーを活用した足圧測定の事例を紹介します。
摩擦・せん断力センサーを用いれば、歩行時に足裏がインソールから受けるせん断力の向きや強さをマッピングすることが可能です。かかとからつま先への接地面変化をせん断力の向きと強さが変化する様子として確認できます。
例えば、ランニングのフォームにはフォアフット走法、ミッドフット走法などがあり、足裏のどの部分を最初に地面につくかで走法が異なります。ランニングフォームの修正をする際に、ランニング時のせん断力のマッピングがどのように変化していくかを確認することで、フォームに対する的確なアドバイスをすることが可能です。
このように、従来の足圧センサーでは測定できなかったせん断力を測定できるNISSHAの摩擦・せん断力センサーは、高品質なシューズ開発や姿勢の矯正、スポーツ競技におけるデータに基づいたトレーニング方法の開発などに貢献します。
NISSHAの摩擦・せん断力センサーの活用事例集を以下のリンク先よりダウンロード可能です。座圧測定や足圧測定の事例を紹介していますので、ぜひ一度ご確認ください。
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摩擦・せん断力センサーについて、詳しくはこちらの製品ページで紹介しています。
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